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「HUAWEI FreeBuds 6」を聴いて驚く! デュアルドライブ搭載の音質、AI音量調整、通話性能、約2万円のイヤフォンでここまでやるのか

昨今、ファーウェイのイヤフォンが好調だ。同社のオーディオ技術がすごいと注目されたのは2023年に発売された「HUAWEI Eyewear 2」だったが、昨年2月のイヤカフ型イヤフォン「HUAWEI FreeClip」でその人気が本格的となった。その後も今年3月にオープンイヤー型「HUAWEI FreeArc」が登場し、いずれも耳の外で鳴らす技術の高さが証明された結果となった。

一方で、耳の中に入れるカナル型やインナーイヤー型イヤフォンも、堅調に製品化を続けている。同社FreeBudsシリーズは、軽い装着感が人気のインナーイヤー型シリーズで、これまで第5世代の製品がリリースされてきている。

そして、5月27日に発表された待望の新モデルが、第6世代となる「HUAWEI FreeBuds 6」(以下、FreeBuds 6)である。市場想定価格は21,780円、すでに予約販売が始まっており、一般発売は6月3日からとなっている。

6月3日から一般発売開始の「FreeBuds 6」

高いオーディオ技術を世に知らしめたファーウェイ なんだこの構造は!?

前モデル「HUAWEI FreeBuds 5」も特徴的な水滴フォルムで注目されたが、FreeBuds 6もそのフォルムを継承しつつ、中身はかなりアップグレードされている。

ライトな装着感とハイエンドの音質が両立されたイヤフォンとして、注目の1台だ。さっそくその中身を見ていこう。

FreeBuds 6は・パープル・ブラック・ホワイトの3色展開。今回はブラックをお借りした。ブラックとはいっても同社得意の光沢感のあるキラキラボディで、実際には光沢感・上質感のあるダークグレイのようだ

FreeBuds 6は3色展開

光沢感のあるダークグレイのブラックモデル

パープルは女性にも人気となりそうなカラーリングだ

特徴的な水滴フォルムはFreeBuds 5から継承されているが、大幅にスリム化されており、イヤホン単体重量は約9%軽減、体積としては約12%ダウンとなっている。

水滴をイメージさせるフォルム

耳への装着感も自然。無理に耳穴にねじ込む必要もなく、スルッと収まる形状となっている。この形状は、人間の耳のビッグデータモデルをもとに最適化されたおり、ここもFreeBuds 5から大きく進化した部分だ。

ピタッと収まるポイントがすぐに見つかり、自然な装着感が得られる

スリム化・小型化したのに、それに反するように実現したのが、デュアルドライバの搭載だ。カナル型ハイエンドモデルなら別だが、一般にインナーイヤー型イヤフォンはオーソドックスかつライトユースなので、複数のドライバを搭載するという傾向にはなかった。また複数のドライバを搭載するには、ヘッド部分が小さすぎるという課題もあった。

ヘッド部のサイズ感は普通

そこでファーウェイでは、中低音域用にはデュアルマグネット構造の11mm径ダイナミックドライバを、さらにその脇に業界最小となる高音域用マイクロ平面振動板ドライバ(ダイナミック型)を配置することで、デュアルドライバを実現した。

インナーイヤー型としては初めてのデュアルドライバ構造

高音域用ドライバの磁石にはハルバッハ配列を採用し、通常ドライバと比べて約77%の効率化を実現している。ハルバッハ配列とは、磁石の向きを90度ずつずらしながら配列することで、特定方向の磁場を増大させる手法だ。これにより、高音域は48kHzまでの表現を確保した。

ダイナミックドライバにも工夫がある。ボーカルに合う低音域管設計を採用し、低音域のロスを低減するとともに、前後に通気口を追加することで、ドライバ振動への空気抵抗の影響を抑えた。これにより、低音域駆動力を従来比約77%向上させている。

このデュアルドライバにより、ハイエンドモデルのような高音域の表現力と、インナーイヤー型ではありえないほどの音圧を実現している。

なお、小型化を実現しつつも、動作時間にも妥協はない。イヤホンのみで約6時間(ノイズキャンセリングOFF時)、充電ケース込みで最長36時間の再生時間を誇る。また5分充電で2.5時間音楽再生可能という、急速充電機能も備えている。

スリム化しながらもバッテリー収納部分を確保

デュアルドライバによる高い表現力

では、実際に音を確認してみよう。再生機にiPhone 16eを使用し、Amazon Musicのストリーミングでテストしてみる。対応コーデックはSBC、AAC、LDAC、L2HCの4つで、今回はAACで接続している。

今回はもっともFreeBuds 6の特徴がわかるソースとして、故坂本龍一の「音楽図鑑-2015 Edition」を選んだ。オリジナルは1984年、YMO散開の前後をまたいでレコーディングされた、もっとも油ののりきった時期の作品である。全体的に歯切れの良いクリアな短い音の粒立ちが特徴的なサウンドで、FreeBuds 6の特性によく合う。

よく知られた曲である「SELF PORTRAIT」では、イントロの深いエコーの中に立ち上がってくるフェアライトCMIの尖った音の端麗さに驚かされる。バックのドライなギターのカッティングは山下達郎によるもので、この2つの絶妙な絡み合いが綺麗に分離されて表現される。

個性的なスネアドラムはもちろん故高橋幸宏による演奏で、控えめに位置しながらも音の立ち上がりの鋭い音としてアクセントを加えている。これまでのイヤホンではあまり再現できなかった、力強いキック音もFreeBuds 6での聞きどころである。

ステレオセパレーションも良好で、主旋律をなぞるボイス音が1音ずつ左右交互に配置されている様子など、凝ったミックスの手法もクリアに聞き取れる。

FreeBuds 6を装着したまま、外に出てみた。本機の特徴は、セミオープン型なのにノイズキャンセリングが使えることである。

本機は耳穴を完全密閉するものではないので、周囲の音が隙間から漏れ聞こえてくるのだが、ノイズキャンセリングを使うと周囲のノイズを半分ぐらいのレベルに抑えてくれる。完全に無音だと道路上では危険なこともあるが、本機のノイズキャンセリングは音楽と背景ノイズを適度なレベルでミックスしてくれるので、背後から近づいてくるクルマの音などもわかる。

ノイズキャンセリングの動作モードは3タイプ

動作モードにはダイナミック、くつろぎ、標準の3タイプがあるが、ダイナミックは周囲のノイズ量に合わせてキャンセリング量を調整してくれるので、ほとんどのケースはこれでOKだ。

もう1つ興味深い機能が、「適応モード」である。これはAIが周囲のノイズ量を認識し、自動的に音楽再生の音量を調整してくれる機能だ。手が塞がっていてマニュアルで音量が調整できないときに、便利な機能である。これとノイズキャンセリングのダイナミックモードと併用すると、環境に合わせて音楽とノイズ量のコントラストが調整されるのがわかる。

自動で音量調整をしてくれる適応モード

EQ設定では、デフォルトの他に基本モードとして「低音強調」など6種類のプリセットを備える。Androidのアプリではさらに専門モードとして「バランス」と「クラシック」の2種類が用意されている。標準でも十分な音質だが、「バランス」は低域と高域の張り出しが改善され、よりダイナミックなサウンドが楽しめる。

iOS版アプリのEQ設定画面

Android版アプリではさらに専門モードも選べる

また60Hzから16KHzまでを10バンドに分割したグラフィックEQもある。±6dB可変できるので、好みの音を作ってプリセットできるのもいいポイントだ。

10バンドグラフィックEQで好みの音が作れる

FreeBuds 6は装着しやすいオーソドックスなインナーイヤー型でありながら、音質面ではハイエンド機に迫るという、いいとこどりをした製品なのである。

優れた通話性能にも秘密が

プライベートでは多くのコミュニケーションがテキスト寄りになっている一方で、ビジネスシーンでは通話性能が重視されるようになっている。リモート会議ツールの利用率が高まったこともあり、国内だけでなく国外ともリモートで直接顔を合わせての打ち合わせが発生している。こうしたことから、以前よりも場所やタイミングを問わず通話が求められる結果となっている。

こうしたニーズに対応できるよう、FreeBuds 6はかなり通話性能を上げてきている。今回は周囲でガヤガヤしているショッピングモール内で、通話テストを行なってみた。

賑やかなショッピングモールで通話テスト

お聞きいただいたように、FreeBuds 6を経由した音声は、周囲の雑音を完全にカットしつつ、明瞭感がありつつ低音が痩せない集音が可能になっている。普通にマイクを搭載しただけでは、こうはならない。

なんとFreeBuds 6には、音声通話のために新たにVPU(Voice Pick-Up)センサー型骨伝導マイクを搭載しているのだ。これは音声を空気振動ではなく骨の振動から拾うので、周囲の騒音に左右されず集音できるというメリットがある。

これに従来機から引き続き、2つのマイクを組み合わせて集音およびノイズキャンセル処理を行なうことで、地下鉄のホームなど通常なら会話もままならない場所でも、安定した通話が可能になっている。なお、建物や自宅の環境によって多少の違いはあるが、室内でも安定した接続を目指したという。こうしたコミュニケーションにこだわった部分は、通信がメインの会社らしいところである。

3カ所のマイクも併用する

「オーソドックスながら最高」を実現

FreeBuds 6は、オーソドックスなインナーイヤー型として気軽に使える一方で、音質面ではデュアルドライバを搭載してハイエンド機に迫るという、いいとこどりをした製品だ。

また、通話性能も優れており、会議向きではない環境下においても十分に発言が可能だ。何を言っているのか全然伝わらず先方に迷惑がかかるといったこともなくなるだろう。

コントロール用のアプリは、これまでは「HUAWEI AI Life」というプラットフォームアプリにプラグインを追加する形でイヤフォンの設定を行なっていたが、FreeBuds 6では新たに「HUAWEI Audio Connect」というアプリが提供される。現在はiOS版のみの提供だが、Android版も追って公開される見込みだ。

新アプリでできることはほぼ同じだが、デバイスの検出からペアリングまで、Bluetooth設定ページに移動しなくてもポップアップでの操作だけで完結できるようになっている。LDACに対応していないスマホでもアプリ側でLDACの適用が可能になる。

このアプリではEQの専門モードも追加されているので、機能的にもAndroid接続の場合と同じになった。旧モデルのイヤフォンもかなり対応しているので、iPhoneユーザーは早めにこちらに乗り換えておくといいだろう。

ポップアップ画面だけでペアリング作業が完結する

価格的には2万円ちょっとというモデルで、ミドルレンジのイヤフォンの価格だが、音質と通話性能の高さで考えると、非常にコスパの良い製品だ。インナーイヤー型は多くの競合製品があるオーソドックスなジャンルだが、FreeBuds 6はその中でも最高のサウンドを提供する逸品となっている。