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ファーウェイのイヤカフがさらに進化! 快適さも追求した新モデル「FreeClip 2」を試して驚く

リスニング用イヤフォンはだいたい2015年ごろを境目として、いわゆる完全ワイヤレスの時代を迎えた。今となってはスタンダードな形として定着したが、さらに2022年ごろからは、コロナ禍の影響もあり、家の様子もわかりつつ音楽が聴けることから、耳を塞がないオープン型のイヤホンが1つのジャンルとなっていった。

HUAWEI(ファーウェイ)「FreeClip」は、2024年に当時としてはまだ少数派だった「イヤカフ」タイプでオープン型イヤフォンに参入した。これがスマートなデザイン性や音質のバランスの良さなどが注目され、大ヒット商品となった。世界では累計400万台以上が販売されている。

FreeClipの登場以降、各社もこぞってイヤカフタイプに参入するなど、オープンタイプのスタンダードを作ったと言える。筆者も最初はレビューのために製品をお借りしたのだが、あまりの良さに感激して個人でも即ポチした。今でも普段使いで愛用している逸品である。

そんなFreeClipに後継機が出ると聞けば、俄然前のめりになる。今回はクラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」にて12月12日より先行予約が開始された新モデル「FreeClip 2」をいち早くお借りすることができた。

さらなる快適性と音質を向上させたFreeClip 2の実力を、早速試してみた。

破格の低音と、より直感的な操作性を実現

まずクラウドファンディング「GREEN FUNDING」ではブラックとブルーが先行発売される。正式発売は2月の予定で、その際には全色が販売される。価格は27,280円。今回はブラックをお借りしている。

FreeClip 2 ブラックモデル

カラーバリエーション

基本的には、初代の特徴であったシンプルながらファッション性の高いデザインを継承している。イヤフォン単体で見れば、後ろのビーンズ部分が少し小さくなったぐらいの変化だ。ただ、その中身は別物と言っていいほど進化している。

FreeClip 2のイヤフォン部分

前モデル(右)と比べてビーンズ部分が小さくなっている

まずはボール部に内蔵されているスピーカーだ。初代モデルがシングル振動板ドライバだったのに対し、今回は新たにデュアル振動板ドライバを独自開発した。

ダイナミックドライバはコイル部分が前後に動くのだが、これまでは音が出る前面方向にしか振動板を設けていなかった。後ろ側はただ筒があるだけである。今回は駆動部をセンターに、その前後に振動板を設けるという構造になっている。1つの駆動機構で2つの振動板を平行に動かすというのが、ポイントである。

独自開発のデュアル振動板ドライバ

これにより、低音の駆動力が従来の2倍になった。オープン型は耳穴から離れたところにスピーカーを置くので、距離で減衰しやすい低音をどれだけ出せるかがバランスのいい音質を実現するカギとなる。それを圧倒的な圧力で押し出すわけだ。

ボール部のサイズはほとんど変わっていないにもかかわらず、振動板が2倍になったことで音量が6dB向上しており、体感ではおよそ2倍の音圧が得られる。

あんまり感じないなという人は、スピーカーの中心軸が耳穴から外れていると思われるので、装着位置で調整してみてほしい。筆者の場合は、上から下を狙う感じで、正面から見るとややV字型になるように角度を付けると、バッチリだった。どうもデュアル振動板は音を強く真っ直ぐに打ち出すので、低音の指向性も強めに出るようだ。

バッテリーが搭載されているビーンズ部は、タッチコントローラも兼ねている部分だ。実はここのタッチセンサーも、新タイプのセンサーを採用した。従来のタップ操作だけでなく、スワイプ操作が検知できるようになったのだ。これにより、音量調整がより直感的に行なえるようになった。

スワイプ操作による音量調整が可能に

実は初代はスワイプ操作に非対応だっただけでなく、そもそも最初は音量調整機能自体を正式に搭載していなかった。のちのファームアップで2回タップで2度目をホールドとか、何度もタップするとか、ものすごく頑張ってさまざまな音量調整方法を開発してはラボ機能として搭載してくれていたのだ。まあそういった点でもファーウェイは信頼していいメーカーなのだが、とうとうセンサーまで変えてきたというわけで、前ユーザーからしてもこの機能はなかなか感慨深いものがある。ぜひ実機で試してみてほしい。

スピーカーがあるボール部とビーンズ部をつなぐ、ブリッジ部分にも注目だ。この部分が耳を挟み込む機構のポイントであるため、装着感に大きく影響する部分である。

ブリッジ部分も新素材となっている

このC-bridgeは高性能形状記憶合金を、新しく「シリコーン」で囲むという構造になっている。液体シリコーンは常温では粘性の液体だが、加熱することで弾力性のあるシリコンゴムになる。高い生体適合性があるのが特徴で、医療用途にも使われている、肌にやさしい素材だ。

ファーウェイでは世界1万人以上の人から耳型データを取得し、快適なバランスにチューニングした。さらに弾性が25%強化され、25,000回以上にもおよぶ折り曲げテストを行なっても変形せず、装着感に影響なしという驚きの強度を実現している。

ケースも大胆に変更された。従来よりもマットな仕上がりとなっているのに加え、サイズも大幅に小さくなっている。その秘密は、収納方法の変更だ。お互いが背中合わせになるよう収納することで、スペースを削減した。さらに、搭載バッテリー量も増えて、前モデルの2時間増しとなる38時間の長時間使用が可能になっている。

前モデル(右)と比べてマットな質感に

前モデル(右)から収納方法が変更された

またケースを開けると、音が鳴るようにも設定できる。18種類から選べるので、友人が同じものを持っていても、開ける音で区別できる。

ケースを開けたときの音も18種類ある

実際にフィールドで使ってみる

では実際の生活の中で使ってみる。筆者は近隣に畑を借りて野菜などを育てているのだが、その農作業中に使ってみた。

道路沿いの畑の中で使ってみた

ここは道路沿いなので車の音も聞こえるが、FreeClip 2で新たに搭載されたNPU(Neural Processing Unit)プロセッサーが、自動的に音量を調整してくれる。静かな時は小音量で、周囲がうるさくなると自動的に音量を上げるわけだ。急にドーンと上がるわけではなく、じわじわと上げてくるので、急にうるさくなった感が少ないのがポイントだ。

開発中の機能として提供されている適応音量機能

デュアル振動板ドライバになった低音表現は、バランスとして低音過多になったわけではない。今回は新生カシオペアが今年リリースしたアルバム「TRUE BLUE」を中心に聞いているが、バスドラのパンチ力が上がり、ベースのエッジが鋭くなった感じだ。

サウンドエフェクトもアプリから設定できる。「高揚」はより中低音にパンチが効いた音、高音強調はクリアさを前面に押し出したサウンド、「音声」は音声通話や朗読コンテンツに向く。

また新たにカスタムEQも設定できるようになり、10バンド±6dBの調整ができる。自分好みの音質が作れるのは、前モデルにはなかった魅力だ。

EQのプリセットは4種類

カスタムEQも使えるようになった

装着感も良好で、一般のイヤカフのように耳に噛みついてくるような感じはない。したがって音楽再生をやめてもそのまま装着しているということもありうるのだが、片方が落ちても気が付かないという難点もある。

そんなミスをカバーするために、FreeClip 2では新たに落下検知センサーを搭載した。片方が落ちると、もう片方からアラート音が鳴る仕掛けだ。うっかり落としてもすぐに気がつく。

落下検出機能まで搭載

土がついた手で触るとイヤフォンも汚れてしまうわけだが、今回はイヤフォン部がIP57の防塵防滴機能を備えている。一般的に防塵防滴と言われているモデルでもだいたいIP55程度なので、それを上回る。水の中に落としても30分以内なら平気というレベルなので、汚れたら真水で洗っても大丈夫だ。

汚れたら水で洗えるのは便利

手が離せない時に音声通話がかかってきても、ヘッドコントロールが可能だ。頷くと着信応答、首を横に振ると着信拒否できる。

手放しで着信を制御できるヘッドコントロール

実際に通話性能をテストしてみた。わりとクルマ通りの多い交差点だが、FreeClip 2では2つのマイクに骨伝導マイクを組み合わせて、ノイズの少ないクリアな集音が可能になっている。これもNPUによるAI音声処理のおかげだ。

通話性能のテスト

集音だけでなく、音漏れのほうもカバーされている。聴いている音の逆相音を周囲に放出することで漏れる音を打ち消す、逆音波システムを採用した。周囲の人に迷惑をかけないだけでなく、何を聴いているのかが周囲の人にバレないという、プライバシー面でも有用な機能だ。

2025年滑り込みで現れたベストバイモデル

前作のFreeClipもかなり満足度が高く、カラバリが増えればもうこれ以上やることはないんじゃないかと思っていた。だが今回のFreeClip 2を見て、ファーウェイはかなり細かいところまでユーザーの反応を見てたんだなということがわかった。およそ1年半ぶりのリニューアルとなるが、「ここはもう少し……でもまあいいか」みたいな部分に結構驚くような進化点があった。

デュアル振動板ドライバにより低音の音圧を増強し、EQもカスタムでできる。ボリュームはスライド操作に対応し、自動音量調整機能も備えた。通話・集音機能の向上は、さすが通信機器メーカーと思わせるクオリティだ。装着感がさらに軽くなったが、一方で落としたらアラート音が鳴る仕組みを搭載し、紛失を防止する。ケースはコンパクトになったがバッテリー増量により、さらに長時間使用が可能になった。10分充電で3時間再生の急速充電機能も備える。

何よりも嬉しいのは、シンプルながら美しい、アクセサリのような外観を変えなかったところだ。こうしたシンプルさは、他社イヤカフ型イヤホンにはない特徴だと言える。数々の改良点を持ちながら、そこを変えなかったのは英断である。

12月12日からクラウドファンディング開始ということで、2025年にギリギリ間に合った格好だが、今年のベストバイ選考にはまずFreeClip 2を外すわけにはいかないだろう。

HUAWEI FreeClip 2 グリーンファンディング