シャープ、スマートフォンを強化し、国内500万台へ

-2010年春には「ガラパゴス」の動画やAQUOS連携も


3キャリアからスマートフォン5モデルが登場

 シャープは15日、スマートフォン事業説明会を開催した。NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイル向けの新端末を紹介するとともに、数年中にスマートフォンで国内500万台、シェア30%を目指すなど、今後の事業方針を説明した。

 また、第1弾として12月に電子書籍リーダとストアの展開を予定しているネットワーク端末やサービスの新ブランド「GALAPAGOS(ガラパゴス)」についても、2011年春をめどにスマートフォン対応を強化。3Dムービー配信や、AQUOSとの連携も計画しているという。

 シャープのスマートフォンは、au向けに「IS03」、「IS05」、ソフトバンク向けの「GALAPAGOS 003SH」、「GALAPAGOS 005SH」、NTTドコモ向けに「LYNX SH-03C」が発表されている。


auの「IS03」。11月下旬発売au「IS05」は2011年春月発売GALAPAGOS 003SH
GALAPAGOS 003SH。ワンセグの3D視聴に対応。12月上旬発売QWERTYキーボード装備の「GALAPAGOS 005SH」。2011年2月中旬以降12月発売の「LYNX SH-03C」で、3D写真撮影
シャープ 執行役員 情報通信事業統轄の大畠昌巳氏

 シャープ 執行役員 情報通信事業統轄の大畠昌巳氏は、シャープの携帯電話への取り組みとして「世の中にない新しいものを創出してきた」とし、スマートフォンについても同様の姿勢で臨むことを強調した。

 市場動向については、Android OSのシェアが全世界で2011年に17.7%、2014年には30%近くになるというガートナーの調査を紹介。国内市場においても、台数では市場は横ばいながら、スマートフォンの比率は急速に高まっていくと予測。大畠氏は、MM総研のデータを例に挙げながら、「シャープではスマートフォンシフトがもっと進むと考えている」と語った。

 また、スマートフォンでは、Twitterなどのマイクロブログ、SNS、YouTubeなどの利用者比率が高く、よりリッチなコンテンツを好む傾向があるとする。一方で、携帯電話(フィーチャーフォン)の利用者が、スマートフォンへ移行できない理由として、おサイフケータイやワンセグなど国内仕様のサービスへの対応の不足などが挙げられていた。

全世界のスマートフォンOS市場動向日本における市場動向予測スマートフォンユーザーはTwitterやSNS利用率が高い
スマートフォンへのシャープの取り組み

 こうしたことから、シャープでは「これまでと同じこと」をスマートフォンでも実現するために、おサイフケータイ対応や、高画素カメラ、ワンセグ、赤外線通信などの機能を各端末に搭載している。

 加えて、高付加価値戦略としては、独自の視差バリア方式液晶による3D表示を挙げる。LYNX SH-03Cと、GALAPAGOS 003SH、GALPAGOS 005SHが3D対応機種で、各端末に写真やワンセグ放送の3D変換機能を搭載。さらに、2枚の撮影画像を合成して3D写真を作成する「3D写真撮影機能」も搭載している。加えて、シャープ公式サイト「GALAPAGOS SQUARE」では、3Dギャラリーを開設し、動画やゲームなどの3Dコンテンツを提供。3D動画/写真の投稿コンテスト「スマートフォン3Dコンテスト」も12月1日より展開し、3D機能の魅力を訴求していくという。


これまでと同じことをスマートフォンで3端末で視差バリア方式の3Dに対応「GALAPAGOS SQUARE」で3D配信

 端末だけでなく、サービスにおいても同社が「クラウドメディア事業」と位置づける「GALAPAGOS(ガラパゴス)」との連携を強化する。GALAPAGOSでは、専用の電子書籍リーダ向けの電子書籍配信サービスを年内にスタートするほか、2011年春にはスマートフォン対応を開始。新聞や電子書籍の配信に加え、TSUTAYAと連携し、3Dを含む映画やゲームの配信もスタートする予定。

 加えて、専用端末やスマートフォンだけでなく、AQUOSでのGALAPAGOS対応も計画。詳細は未定だが、スマートフォンやAQUOSで購入したコンテンツを各端末で視聴可能にするなど、シャープ製品間での連携強化により、サービスとハードウェアの付加価値向上を図る。

GALAPAGOSでは、新聞や電子書籍に加え、3Dを含む映像配信やゲーム展開もAQUOS向けのGALAPAGOS配信やスマートフォン連携も計画医療や教育向けの展開も
GALAPAGOS 003SHでの3D撮影LYNX SH-03C

 大畠氏は、「2010年を皮切りに、スマートフォンを加速。早期に国内スマートフォン500万台実現を目指す。市場動向にもよるが、2~3年のうちに500万台を達成できると考えている」とした。また、その他の携帯電話についても、「トータルラインナップで、シェアを維持」する方針。

 海外展開については、中国で点心OS採用のスマートフォン「SH8128U」と「SH8118U」を発表。中国では、今後も3Dスマートフォンなど高付加価値モデルを来年早々に投入する計画という。その他地域についても、「特徴あるデバイス、機能を持った製品を海外展開したい」とした。


5型のGALAPAGOSブックリーダ10.8型のGALAPAGOSブックリーダNTTドコモの電子ブックリーダ「SH-07C」
プロジェクタケータイ「SH-06C」投射デモも実施

(2010年 11月 15日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]