ソニー、約34%小型化した二眼式3Dビデオカメラ

-奥行き自動調整など3D撮影強化。GPSも搭載


「HDR-TD20V」

 ソニーは、3D撮影に対応したビデオカメラの新モデル「HDR-TD20V」を3月9日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は15万円前後。内蔵メモリは64GB。

 第1弾モデル「HDR-TD10」と比べ、大幅な小型・軽量化を実現した、二眼式のビデオカメラ。外形寸法はTD10の86.1×148.5×74mm(幅×奥行き×高さ)から、71.5×130.5×63.5mmと約34%の小型化を実現。重量は630gから460gに軽量化した(本体のみの重量)。付属バッテリを含めた重量は約555g。小型化しながらも、液晶モニタのサイズは3.5型、122万画素で従来と同じで、裸眼立体視が可能。


右にあるのが前モデルの「TD10」上が「TD10」。大幅な小型・軽量化を実現した
11日に行なわれた発表会場には、TD10が箱になり、内部にTD20が隠れているというユニークな展示も。小型化をアピールした

 3D撮影機能も強化。新たに、カメラが自動で最適な3D感を調整する「3D奥行き調整」機能が追加された。従来は、3Dの視聴時に、快適に立体感のある映像が楽しめる「快適視差範囲」に被写体が入っていない場合、撮影者が撮影位置を変えて範囲内に入るように調整する必要があった。「TD20V」では、範囲内に被写体が入っていない事をカメラ側が自動で認識し、3D感を自動的に調整してくれるようになり、カメラ任せで快適な3D映像が撮影できるようになったという。

 また、3D撮影時のワイド端での最短撮影距離が、従来の80cmから30cmへと短くなり、被写体により近づいての3D撮影が可能になっている。


「HDR-TD20V」小型化したが、液晶モニタのサイズは従来モデルと同じ3.5型上から見たところ

 センサーサイズは1/3.91型、総画素543万画素の「Exmor R CMOS」を2枚搭載。有効画素数は、3D動画撮影時で398万画素。2D動画で502万画素(16:9)。静止画は502万画素(16:9/2Dのみ)。レンズはGレンズで光学10倍ズーム。35mm換算の焦点距離は3D動画撮影時で33.4~400.8mm、2D動画で29.8~298mm。静止画は29.8~298mm。3D動画撮影時の焦点距離は、TD10の34.4mmから広角化した。

3D奥行き調整機能の追加により、3D機能やカメラに詳しくない人でも、手軽に3D撮影が可能になったという

 撮像素子の有効エリアを効率的に使い、光学ズームとデジタルズームを併用してズーム倍率を向上する「エクステンデッドズーム」も利用可能。3D時で12倍、2D時で17倍ズームも行なえる。2D撮影時は120倍のデジタルズーム機能も利用可能。光学式手ブレ補正は従来と同様アクティブモードに対応し、ワイド側で10倍の補正が行なえる。

 新たに、3D撮影時でもカラーモードのシネマトーンカラー/ガンマ機能が利用できるようになり、映画のような色調での3D撮影が可能になった。2D撮影機能も進化しており、シネマトーンカラー/ガンマや、ゼブラ機能、ピーキング機能に対応する。

液晶モニタを開いたところ

 静止画撮影時は全画素超解像技術を使い、最大で約2,040万画素の静止画撮影も可能。音質面では5.1chマイクを備えるほか、新たに自動風ノイズ低減機能と、くっきり音声機能を搭載。自動風ノイズ低減機能は、風でマイクがふかれている事をカメラが自動で認識し、風ノイズ周波数をカットするもの。くっきり音声機能は、顔認識機能も活用したもので、カメラが人を撮影していると判別し、周囲のノイズをカットする。騒音のある街頭などで、カメラに向かって撮影している際に、「ニューヨークに着きました」などの声が明瞭に収録できる。

 動画はAVCHD Ver.2.0に準拠し、3DはMPEG-4 MVC/H.264で、2DはMPEG-4 AVC/H.264で記録。SD解像度でのMPEG-2録画モードも備えている。フレームレートは3Dが1,920×1,080/60i×2、2Dが1,920×1,080/60p/24p/60i、1,440×1,080/60i、720×480/60i。GPS機能も搭載。地図データの掲載国・地域は79エリア。日本国内の地図データはゼンリンのものを使用している。

 内蔵メモリは64GB。SD/SDHC/SDXCメモリーカードとメモリースティックのデュオスロットも装備。出力としてHDMIミニを備え、HDMIケーブルも同梱。D端子ケーブルは付属しない。付属バッテリはNP-FV70。USB経由での充電にも対応している。

 付属ソフトは画像・動画の管理/編集ソフト「PlayMemories Home」。既報の通り、1月上旬から全世界で順次展開するという、ソニーのクラウドサービス「PlayMemories Online」とも連携できるソフトで、静止画・動画を手軽にPlayMemories Online上にある、ユーザーのオンラインストレージ領域に保存できる(ストレージ容量は未定)。アップロードしたデータは、専用アプリをダウンロードしたタブレット、スマートフォン、テレビなどで見る事ができ、iOS/Android両方に対応アプリが提供される。また、PlayMemories会員でない人に、メールでURLを連絡してコンテンツを見てもらうこともできる。

 テレビでの対応は、BRAVIAのアプリキャストからアプリを追加するため、2011年以降発売のBRAVIAが対応モデルになる予定。

PC向けソフトPlayMemories Homeの画面。実際には画面の左下にPlayMemories Onlineのマークなどが現れ、そこにドラッグ&ドロップするだけでアップロードができるというBRAVIAの専用アプリを使い、PlayMemories Onlineにアクセスしているところ

 なお、動画はクラウド上にAVCHDのフルHDなど、撮影したクオリティのままアップロードできる予定で、そこからクラウド上に、テレビ向けのHD解像度や、スマートフォン向けのSD解像度などのデータが自動で生成され、接続して来た機器に合わせて最適な動画・静止画が表示されるという。

iPadとSony TabletでPlayMemories Onlineを表示しているところ。AndroidとiOS用にそれぞれアプリが提供されるiPod touchのアプリで表示しているところ



(2012年 1月 11日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]