クラリオン、世界初のフルデジタルスピーカー採用AVナビ

デジタル信号で直接スピーカー駆動。“究極の原音再生”


Z8/Z17F。上がスピーカー、右下がナビ

 クラリオンは、世界初のフルデジタルスピーカーシステム「01DRIVE」を採用した第一弾製品として、車載用フルデジタルAVナビ/スピーカーシステム「Z8/Z17F」を12月上旬より発売する。価格は288,750円。合わせて、リアスピーカー用の「Z17R」も同じく12月上旬に発売。2本1組で、価格は73,500円。

 一般的なスピーカーのように、デジタル信号をアナログに変換してからスピーカーへ伝送/駆動するのではなく、音源からスピーカーユニットまでの完全デジタル伝送を実現し、“究極の原音再生”が行なえるという。デジタル信号処理には、Trigence Semiconductorの「Dnote」技術を採用している。

 「Z8/Z17F」はプリウス/プリウスα/プリウスPHV、アルファード/ヴェルファイア向けとなっており、車種ごとにチューニングされた車種別パラメーター(パラメトリックイコライザ)をAVナビで選択可能。車種に適した音場/音質が簡単に設定できる。

 なお、10月2日から幕張メッセで開幕する「CEATEC JAPAN 2012」(一般公開は13日から)のクラリオンブースにも出展予定。これまでも、Dnote技術を用いたスピーカーの開発発表や技術展示は行なわれてきたが、製品としては初披露となる。



■ 256倍オーバーサンプリング/デジタル変調し、スピーカーをデジタル信号で駆動

 「Z8/Z17F」は、7型WVGAのタッチ液晶を備えたSDナビ。地デジの12セグ/ワンセグチューナを内蔵し、4チューナ×4アンテナで安定した受信が行なえる。DVD/CDドライブやSDスロット/USB端子も装備。iPhone/iPodの音楽もUSB経由で再生可能。iPodのアルバムアートワーク表示も行なえる。CDからSDカードへの4倍速録音にも対応する。

Dnote技術を採用し、フルデジタル伝送を実現

 デジタル音源をDDC(Dnote)回路で情報量をそのままに駆動する「Digital to Digital」のダイレクトドライブ再生方式(DA変換レス)とFDMD(Full Digital Multi Drive)を実現。音源のデジタル信号に256倍のオーバーサンプリング(44.1kHz×256fs=11MHz)とデジタル変調をかけ、複数のデジタル信号に変換。複数のデジタル駆動信号をダイレクトにボイスコイルに伝達し、正確なコーンストロークを実現。マルチ駆動型のDクラスドライバから出力することで、スピーカーを直接、きめ細やかに駆動できるという。

 このマルチ駆動型のDクラスドライバは1チップLSIで、超高速/低消費駆動を特徴とし、ヒートシンクレスの小型ドライバユニットを実現している。ウーファとツイータには独立したフィルタ回路を搭載し、きめ細かな音響チューニングを可能にしたほか、ウーファ出力のツイータへの影響も完全に排除したという。

 スピーカーは2ウェイ同軸型ユニットと、セパレートツイータで構成。同軸スピーカーのツイータ部は2cm径ピュアソフトドームで、ウーファ部は17cm径PMI-BAFデュアルレイヤーコーンを使用。これに加え、セパレートの2cm径ピュアソフトドームツイータを備える。

 ドライバユニットは左チャンネル用に2個、右チャンネル用に2個装備。アンプの定格出力は、同軸ユニットのツイータとセパレートツイータがそれぞれ0.93W×2chで、ウーファ部が0.93W×6ドライバ×2ch(マルチ駆動型)。

 ツイータにはアルミホーン型スタビライザー構造を採用し、音響ホーン効果でクリアな高域再生を実現。さらに、アルミ製パネルとダイキャストブリッジ構造によるシールド効果を実現することで外部ノイズからの影響を遮断。デジタル信号入力には専用シールドハーネスを使用している。

 ウーファの「PMI-BAF(ブラックアラミドファイバー)デュアルレイヤーコーン」は、PMIとBMFシートからなる軽量高剛性2層構造。キレのある低歪みな重低音と、厚みのある中域を再生できるという。

 別売のリアスピーカー「Z17R」は、2cm径ピュアソフトドームツイータと7cm径ウーファの同軸型。重量は1本1,020g。高剛性サウンドバッフルも同梱する。

 Bluetoothも搭載し、ワイヤレス音楽再生やハンズフリー通話に対応。AM/FMチューナも搭載する。地図データベースはゼンリン製。2D/3Dマップに対応。ハイウェイモード/シティモードや、ピクチャービューなどに対応する。ナビの2画面表示や、AV/ナビの2画面表示にも対応する。ナビ音声を同社サイトからダウンロード購入して変更できる「ダウンロードボイス/カスタムぼいす」にも対応。



(2012年 9月 27日)

[AV Watch編集部 中林暁]