ニュース
オーテク、24bit DAC搭載USBヘッドフォン
アナログ接続対応。緋色の「ATH-A900XLTD」も
(2013/10/10 16:05)
オーディオテクニカは、24bit対応のUSB DACを内蔵したUSBヘッドフォン「ATH-D900USB」を2014年2月に発売する。価格は37,800円。
さらに、既発売のヘッドフォン「ATH-A900X」に、限定2,000台の特別モデル「ATH-A900XLTD」を2013年11月15日に発売する。価格はオープンで、店頭予想価格は3万円前後。
USBヘッドフォン ATH-D900USB
24bit DACとアンプをハウジングに内蔵した密閉型のヘッドフォン。バスパワーで動作するため、USBケーブル1本でPCと接続できる。ボリューム調整もヘッドフォン側から可能。また、ヘッドフォン本体からUSBケーブルを抜く事ができ、抜いた部分にステレオミニのアナログ入力も装備。通常のアナログ接続ヘッドフォンとして利用する事もできる。その場合はヘッドフォン内蔵アンプは使わず、パッシブヘッドフォンとして動作する。
USB DAC機能は24bit/192kHzまでのデータに対応。DSDはサポートしない。PCからのデータ伝送にはアシンクロナス伝送を使用できる。
53mm径ユニットを搭載。3D方式ウイングサポート(PAT.)により、装着感を高めている。また、長時間リスニングでも圧迫感が少ないという「トータルイヤフィット設計」を採用している。
出力音圧レベルは98dB/mW、再生周波数帯域は5Hz~35kHz、最大入力は2,000mW。インピーダンスは36Ω。アンプの最大出力は22mW×2ch(32Ω/1kHz/digital 0dBFS出力時)。ケーブルを除いた重量は330g。2mの専用USBケーブルと、アナログ接続ケーブルが付属する。
ATH-A900XLTD
ATH-A900Xの特別モデル。ハウジングに限定カラーの緋色(ひいろ)を配しているのが特徴。カラーだけでなく、設計も全面的にリニューアルされている。
ハウジングは密閉型。搭載するユニットは、A900XLTD専用設計の53mm径。磁気回路には、締まりのある音場で豊かな表現が可能になるというOFC 6Nボビン巻きボイスコイルを使用。空気のバネを活用することによりワイドレンジで伸びのある低音を再生するという「D.A.D.S.(Double Air Damping System)構造」も採用している。
ケーブルは左右両出しで、着脱はできない。音質を重視し、左右独立アース線(4芯)構造とし、OFC 6N+OFC入力ケーブルを使っている。長さは3m。
装着面では、3D方式ウイングサポート(PAT.)を採用。圧迫感を抑えたトータルイヤフィット設計を取り入れている。
出力音圧レベルは101dB/mW、再生周波数帯域は5Hz~40kHz。最大入力は2,000mW。インピーダンスは42Ω。重量は340g。入力プラグは金メッキのステレオミニ。標準プラグへの変換アダプタを同梱する。
音を聴いてみた
USBヘッドフォン ATH-D900USBのサウンドは、バランス重視で、細かな音が聴き取りやすい。中低域を主張するタイプではなく、どちらかというと高域寄りで、抜けが良く、広々とした音場が持ち味。高域に付帯音も無く、ハイレゾファイルの細かな描写が聴き取りやすいヘッドフォンだと感じる。側圧もソフトで、PC作業中に長時間装着しても負担は少なそうだ。
ATH-A900XLTDも、ハイレゾプレーヤー「AK120」と組み合わせて試聴した。ATH-A900Xのカラーバリエーションではなく、設計から全て新しくなった特別モデル。角度によって色の表現が変化する、深みのあるハウジングの緋色が鮮烈で、高級感と共に独特の色気を感じさせる。
高域に若干冷たい響きが存在するA900Xと異なり、A900XLTDには付帯音が無く、クリアで伸びやか、抜けの良いサウンドだ。低域はA900XLTDの方が一段深く沈み込み、ズシッと量感のある音が出る。傾向としては2機種とも、ワイドレンジで色づけの少ないヘッドフォンだ。その上で、高解像度だがどこかカサつき、冷たさを感じるA900Xに対し、A900XLTDはウォームでホッとさせる音に仕上がっている。上品だが味わい深い緋色のハウジングカラーから連想する音、そのままと言って良いだろう。