ニュース

シャープ、初の4K放送チューナ「AQUOS 4Kレコーダー」

1TB HDDに4K録画「TU-UD1000」。実売12万円

 シャープは、6月2日から日本国内でスタートする4K試験放送の受信/録画に対応したデジタルチューナ/レコーダ「AQUOS 4Kレコーダー(TU-UD1000)」を6月25日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は12万円前後。日本の4K試験放送対応チューナとしては初の製品となる。

AQUOS 4Kレコーダー(TU-UD1000)

初の4K試験放送チューナ登場。HEVCデコーダ+1TB HDD

左が「LC-52UD20」、右がAQUOS 4Kレコーダー(TU-UD1000)

 6月2日からスタートする4K試験放送の受信/録画に対応したチューナ/レコーダで、4K放送対応のスカパープレミアムサービスチューナに加え、地上/BS/110度CSデジタルチューナも2系統搭載。HDD容量は1TBで、Blu-rayドライブなどは装備しない。4K試験放送に対応したチューナはTU-UD1000が初となる。

 4K試験放送「Channel 4K」は、スカパー! プレミアムサービスのプラットフォーム上で展開。4K試験放送の受信のために必要なものは、AQUOS 4Kレコーダーのほか、124/128度CSアンテナや4K対応テレビなど。4K試験放送の視聴料は無料だが、次世代放送推進フォーラムのコールセンターへの視聴申込が必須となっている。

  • スカパー! プレミアムサービス対応の124/128度CSアンテナ
  • AQUOS 4Kレコーダー(TU-UD1000)&スカパーICカード
  • 4K対応液晶テレビ(HDCP 2.2/HDMI 2.0対応)
  • 視聴申込(NexTV-Fのコールセンターに電話)
4K試験放送視聴に必要なもの

【訂正】
記事初出時に「スカパーへの視聴申込が必要」としておりましたが、正しくは「NexTV-Fのコールセンターへの視聴申込」でした。お詫びして訂正いたします。(5月21日追記)

AQUOS 4Kレコーダー「TU-UD1000」
スカパーICカードも必要

 1TBのHDDに約53時間分の4K試験放送録画が可能。現時点では4K試験放送の録画番組を光ディスク記録やネットワーク経由での出力を行なう規格が存在しないため、HDDに一時記録した番組をHDMI出力で視聴する以外の保存/出力方法はない。また、編集機能も備えていない。

 そのため、TU-UD1000は、4K対応チューナにタイムシフト視聴用HDDを搭載した製品、といえる。「当初の4K試験放送は1日数時間。タイムシフト視聴が定着しているため、それに対応した製品を提案する」(デジタル情報家電事業本部 液晶デジタル第1事業部 副事業部長 兼 第2商品企画部長 松浦文俊氏)とした。

 なお、TU-UD1000は内蔵1TB HDDのほか、別売USB HDDへの録画機能も備えているが、4K試験放送はUSB HDDには録画できない。USB HDDは地上/BS/110度CSデジタルの録画用HDDとして利用する。

 4K試験放送の視聴自体は無料だが、スタート当初は1日6時間程度の放送時間で、多くの番組がリピート放送となる。放送は6月2日からスタートするものの、TU-UD1000の発売は6月25日と3週間後だ。放送開始当初はパブリックビューイングなどの実施が見込まれているが、実際にユーザーが購入可能になる製品はTU-UD1000が日本初となる見込み。

 ワンチップのHEVC専用デコーダを内蔵し、受信/録画した4K試験放送(HEVCコーデック)の再生が可能。4K試験放送で出力が許可されているのはHDMIのみのため、放送視聴のためにはHDMI 2.0対応で、HDCP 2.2の著作権保護機能を備えた4Kテレビが必要となる。同時に発売予定のAQUOS UD20シリーズがHDMI 2.0/HDCP 2.2に対応している。

前面パネルを開いたところ。BDドライブは搭載しない
B-CASカードと、スカパー用のCASカードが必要

 HDCP 2.2/HDMI 2.0対応であれば、他社製のテレビでも利用可能だが、シャープの対応製品としては、20日発表の4K対応AQUOS UD20シリーズ「LC-70/60/52UD20」のほか、2013年の4K AQUOS UD1シリーズ「LC-70/60UD1」も本体のバージョンアップにより対応。また、AQOUSクアトロンプロXL10シリーズ「LC-80/70/60/52/46XL10」も4K30pとなるが、TU-UD1000からの4K映像入力に対応する。

Wチューナのレコーダとしても利用可能

背面

 4K試験放送はスカパー! プレミアムサービス経由での受信となるが、関連するユーザーインターフェイスなどは、AQUOSブルーレイのスカパー! プレミアムサービス対応機「BD-SP1000」とほぼ共通。スカパー! ボタンから4K試験放送の番組表表示などが行なえる。

 また地上/BS/110度CSデジタル放送の録画/再生部もBD-SP1000とほぼ共通で、録画番組をネットワーク経由で別のAQUOSブルーレイにダビングする「買い替え引っ越し」機能に対応する。出力端子はHDMIのみ。

スマートフォン連携などの機能も搭載

 Ethernetを装備し、リモート予約やDTCP-IP/DLNAサーバー機能「ホームネットワーク」に対応。スマートフォンアプリ「AQUOSリモート予約」によるスマートフォンからの録画予約に対応するほか、録画番組を無線LAN経由でスマートフォンにHD画質でダビングする「Wi-Fiダビング」などにも対応する。ただし、4K放送の視聴中や再生中はホームネットワークやWi-Fiダビングなどの機能を利用できない。

 外形寸法は430×236×68mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約3.3kg。消費電力や年間消費電力量は未定。

リモコン
スカパー!ボタンを装備

(臼田勤哉)