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新立体音響「Dolby Atmos」がホームシアターに展開。頭上からも音。BDは'14年秋

 ドルビーラボラトリーズは23日(米国時間)、映画館などで採用が進んでいる立体音響技術「ドルビーアトモス(Dolby Atmos)」のホームシアター向け展開に着手したと発表した。オンキヨーが開発中のAVアンプでの対応と、既発売の「TX-NR636/NR838」での9月のアップデート対応を予告しているほか、ドルビーのパートナー企業から、今後数カ月に渡り製品が発表される見込み。

 ドルビーアトモスは、2012年4月に映画館向けとして発表された立体音響技術。従来のチャンネルベースのミキシング方式と、オブジェクトベースのダイナミックなオーディオミキシングを組み合わせ、精密な音の定位や移動を表現できることが特徴。40カ国で450以上のスクリーンに導入/導入予定で、日本のシネマコンプレックスなどでも導入が進んでいる。

 ドルビーアトモスの特徴といえるのが、リスナーの頭上から音を出すという機能。例えば「ノア約束の舟」では豪雨に打たれているような音響と臨場感を、「ゴジラ」では鳴き声が上から聞こえるなどの特徴的な体験が映画館で実現されている。

 しかし、ホームシアターにおいては天井設置が難しいため、「従来のスピーカー設置場所に置くだけで精細なオーバーヘッドサウンドが実現できる」というドルビーアトモス対応のドルビーイネーブルドスピーカーを開発。パートナー企業が提供する。

 また、お気に入りのスピーカーをそのまま使う場合は、アドオンモジュールで既存のスピーカーを補完することも可能という。ドルビーでは「多くの方が現在使用しているスピーカーにモジュールを取り付ける方法を選択することになるだろう」としている。

 なお、Blu-rayプレーヤーについては、既存の製品でドルビーアトモスコンテンツを再生できる。ドルビーアトモスで制作した映画のBDビデオを今秋に発表するとともに、動画配信サービスでも提供。また、2015年初めにはさらに多くの発表を予定しているとする。

(臼田勤哉)