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JASRAC、BGMを流す258施設を一斉に法的措置。著作権手続きしない事業者が多数

 日本音楽著作権協会(JASRAC)は9日、BGMを利用していながら音楽著作権の手続きが済んでいない全国の171事業者/258施設に対し、民事調停を全国の簡易裁判所に申し立てたと発表した。全国のJASRAC 15支部が一斉に法的措置を行なうのは初となる。

 店内などでBGMとしてJASRAC管理の楽曲を流す場合は著作権の手続きが必要だが、これを行なっていない事業者を相手に法的措置をとったもの。対象となったのは美容室、理容店、アパレル店、飲食店など。

 JASRACがBGMを流す施設の著作権管理を開始した2002年当時は、ほとんどの施設が業務用BGMを利用していたため、音源を提供している日本BGM協会や全国有線音楽放送協会加盟社などが、施設に代わってJASRACに著作権の手続きを行なっており、適法に利用されていたという。

 しかし、ここ数年は市販CDやポータブルオーディオ、パソコン、インターネットラジオなどBGMの音源が多様化。これらの方法でBGMを流す場合は、利用する施設が個別に手続きする必要があるが、それが行なわれていない施設が多く存在しているとJASRACは説明している。

 これまでも、繰り返しの催告にもかかわらず手続きに応じない施設に対し、民事調停の申立てを行なっている。今年度は6月と7月を「BGM手続き推進月間」に制定。日本BGM協会や全国有線音楽放送協会と共同で、店舗などがBGMを適法に利用するための活動を進めるとしている。

(中林暁)