「特にコメント無い」。ソニー/パナソニックの有機EL提携報道


 ソニーとパナソニックは15日、両社が「有機ELテレビで提携交渉」とする日本経済新聞などの報道に対し、それぞれが「当社が発表したものではない」とした。

 報道では、「両社が有機ELパネルの技術を持ち寄り、大型パネルの早期量産に向け協力する。提携により開発期間を短縮し、量産時期の前倒しを狙う。有機ELテレビの共同生産に発展する可能性もある」などとしていた。

 ソニーは「ソニーが発表したものではなく。特にコメントもない」、パナソニックも「当社が発表したものではない。有機ELについては、当社の研究所において、製品化に向けた研究開発を進めているが、実用化や事業化について現時点で決定していることはない」とした。

 ソニーは、2007年に世界初の有機ELテレビとして「XEL-1」を発売したほか、25/17型など放送/業務用マスターモニターを発売している。また、4月には台湾AU Optronics(AUO:友達光電)との有機ELテレビ量産化提携交渉に関する報道がなされたが、「当社が発表したものではない」としていた。

 ソニー広報センターでは、「テレビ向けの次世代技術として有力な候補の一つとして、大型化やコストダウンに向けた研究開発は進めており、他社との協業を視野に入れ検討している。ただし、時点で決定していることはなにもない」としている。

 パナソニックは、1月のCESで大坪社長が「2015年より早い段階」での事業化を目標とする意向を示したほか、5月の決算発表では、「事業化する上で、すべて自前でやる可能性は低い。ベストパートナーと組む一方、我々はニーズ開拓、技術開発を進めていく」と言及。また、約300億円を投じ、姫路工場に実証用のラインを作ることも明らかにしているが、広報グループでは「(有機ELの)事業化の時期や方針は決まっていない」としている。


(2012年 5月 15日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]