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ソニーが82型フルHD液晶テレビを日本初公開
-Display 2006レポート。パイオニアのフルHDも


会期:4月19日~4月21日

会場:東京ビッグサイト

当日入場料:5,000円(事前申込みで無料)


 フラットパネルディスプレイ関連の展示会「第2回国際フラットパネルディスプレイ展(Display 2006)」が19日、東京ビックサイトで開幕した。会期は4月19日から21日まで。

 国内メーカーを中心として、液晶やPDP、有機ELなど、フラットパネルディスプレイの最新機種が一堂に展示されるイベント。商談の場も設けられているほか、研究開発・製造技術展の「ファインテック・ジャパン」も併催されている。なお、2006年の合計出展社数は631社。


■ 松下が103型プラズマテレビを国内初公開

103型プラズマテレビ

 会場で最も注目を集めていたのは、松下電器のブースで参考展示された、世界最大103型のプラズマテレビ。製品としては2006 International CESで発表されたものと同じだが、国内で披露されるのは今回が初ということもあり、多くの人が足を止めていた。

 米国では2006年の発売がアナウンスされていたが、既報の通り、日本国内でも2006年下期に市場投入される予定。価格は未定。解像度は1,920×1,080ドットで、コントラスト比は3,000:1。ピクセル・ピッチは1.182×1.182mm、画面サイズは2,270×1,277mmとなっている。

 なお、CESでの発表後、国内からも商品化を望む声があり、官公庁や自治体、放送局や街頭テレビなどのビジネス用途での問い合わが多いという。しかし、シアター用に個人で購入したいというユーザーもいるとのことで「商品化の際には、家の中に搬入可能かどうかが問題になる可能性もある」という。

 松下ブースではほかにも、50型のフルHDプラズマを参考展示しているほか、2006年春モデルの新型VIERAのラインナップも展示している。

50型のフルHDも参考展示された VIERAシリーズのラインナップも展示された 103型PDPの利用イメージ

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■ ソニーは82型液晶テレビを日本初公開

82型のフルHD液晶テレビ

 ソニーも、2006 CESで発表されたS-LCD製82型パネルを採用した液晶テレビを国内初公開している。解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)。製品化の予定は現在のところ無く、価格も未定。「あくまで技術展示用に作られたパネル」だという。

 大きさだけでなく、世界で初めて動画色空間規格の「xvYCC」をサポートしたことが特徴。放送などで使われている色空間規格に対し「マンセル・カラー・カスケード」で約1.8倍の色彩表現が可能。同規格で撮影された人の目の極めて近いという自然な色彩を、忠実に表示できるという。バックライトには、RGBのLEDを使った「トリルミナス」を採用している。

 また、0.61型でフルHD解像度を持つ反射型液晶ディスプレイデバイス「SXRD」も展示。同デバイスを採用した60型のリアプロジェクションテレビを参考展示している。米国で既に販売されているモデルで、国内販売は未定。なお、同デバイスはシアター用プロジェクタ「VPL-VW100」にも搭載されている。

0.61型のSXRDデバイス 米国では販売中の0.61型SXRD搭載の60型リアプロテレビ

ライブカラークリエーションの説明コーナーも用意。新開発のバックライトシステムについて、詳しく知ることが出来る

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■ パイオニアは50型フルHDなど、新機種を展示

 パイオニアは、同日に発表したプラズマテレビの新モデル3機種を展示。いずれも6月上旬発売で、50V型の「PDP-5000EX」はフルHDパネルを搭載。価格は1,050,000円。1,365×768ドットパネル採用の50V型「PDP-507HX」は600,000円、1,024×768ドットパネルの42V型「PDP-427HX」は457,143円となっている。

 フルHDモデルは独自技術で、画素の小型化と輝度の確保を両立させたというモデル。下位モデル2機種には、新蛍光体の採用とパネル材料の見直しで、明るさと色再現性を向上させたという新「P.U.R.E. Black Panel」を採用している。詳細な情報は既報の通り。

パイオニアの50型フルHD「PDP-5000EX」 右が50V型「PDP-507HX」、左が42V型「PDP-427HX」

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■ 富士通日立プラズマディスプレイ/IPSアルファテクノロジ

 富士通日立プラズマディスプレイは、2005年に発表している55V型と42V型のフルHD PDPを展示。42V型は2007年春の量産開始を目指して開発を進めており、輝度や色再現能力など、細かいスペック面でブラッシュアップを重ねている段階だという。現行ALIS(0.3mm)の約2/3となる、セルピッチ0.16mmのスリムリブを採用しているのが特徴。

 また、日立製作所の2006年春モデルに採用された、ALIS方式のPDPモジュールも42V型と37V型を展示。解像度はいずれも1,024×1,080ドットとなっている。

富士通日立プラズマディスプレイのブース 左が55V型、右が42V型のフルHD PDP

 また、IPSアルファテクノロジのブースでは日立の液晶「Wooo9000」シリーズに搭載された「IPSαパネル」を展示。同パネルに採用されている、輝度を落とさず残像感を抑える液晶技術「フレキシブルBI」を紹介している。

 基本は黒データを挿入することで残像感を低減する技術だが、フレーム周波数を従来の60Hzから2倍の120Hzに増やし、フレーム表示時間を16.7msから8.3msに高速化。ホールド型駆動60Hzにおける1面のデータを2面に分け、1面にはもとの画像より明るいものを、もう1面には黒データを含む暗い画像を割当て、2面の時間積分で同一輝度となるよう120Hzのインパルス駆動を行なう。この結果、黒挿入率は従来比約1.5倍になるという。

「フレキシブルBI」技術を採用した「IPSαパネル」 コントラスト比の1,000:1を実現した2.3型のモバイルIPS液晶 外光を検出する光センサーを内蔵して、外光状況によってバックライトの光量を自動的に変化させるパネル

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■ 東芝松下ディスプレイテクノロジー

 東芝松下ディスプレイテクノロジーのブースでは、カラーフィルタを省いて透過率や視野角を向上させた「フィールドシーケンシャル(Field Sequential)技術」と、OCB(Optically Compensated Bend)技術を組み合わせた9型TFT液晶ディスプレイを参考展示している。

 RGBのLEDを光源とした液晶で利用する技術。時分割でRGBを高速明滅させるフィールドシーケンシャル技術では、最低でも3倍速以上でRGB表示を行なうことが必要だった。そこに、独自の高速応答性を持つOCB技術を投入したもの。従来のOCBパネルに比べ2.6倍の透過率を実現しており、応答速度は3.3ms。視野角は上下左右170度となっている。

フィールドシーケンシャル技術と、OCB技術を組み合わせた9型TFT液晶 液晶の新利用提案として車のタコメーターと車外カメラの映像を同時に表示させるシステムなどを提案

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■ そのほか

東芝松下ディスプレイのOCB技術デモ シャープはフルHD/65V型インフォメーションディスプレイの利用提案を行なった 富士電機アドバンストテクノロジーは、輝度150cd/m2、寿命7,000時間を実現したというCCM方式の有機ELパネルを展示

 併催の「ファインテック・ジャパン」では、FPDの製造装置や原材料などを中心に、多くの企業が展示を行なっている。

大塚電子のブースでは、液晶などの残像感を測定できる装置「MPRT-2000」を展示。カラーCCDカメラを用いることで、輝度の応答曲線や色度変換された動画応答曲線を得ることができる マザーガラスなどを移動するための産業用ロボットなども展示されている

□Display 2006のホームページ
http://www.displayexpo.jp/

(2006年4月19日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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