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'18年の8K本放送に向け、衛星/CATV両対応の受信機。薄さ2mmの8K有機ELも

 10月4日~7日に開催されている「CEATEC JAPAN 2016」において、NHK/JEITAの共同ブースでは、8K実用放送に向けたケーブルテレビ再送信の受信対応STBを参考出展。現在衛星で試験放送されている8K映像の受信デモを行なっている。

NHK/JEITAなどの共同ブースで展示されている8K CATV再送信対応のSTB

 ソシオネクストが開発した8K放送対応の復調LSI「SC1501A」を搭載したCATV STBの試作機。この復調LSIは、世界初となるISDB-S3/複数搬送波伝送の両方式に対応したもので、現在行なわれている8K試験放送を、衛星から直接、またはCATV再送信(IFパススルー/トランスモジュレーション)のどちらでも受信できることが特徴。

 NHK/JEITAなどの共同ブースでは、このチップを使って8K受信デモを行なっており、今回は同軸ケーブルで入力後、外部にある8K HEVCデコーダへEthernetケーブルで出力してからテレビへ出力。

 また、ソシオネクストのブースでは、同チップを使って衛星から直接受信し、デコーダを介してテレビに出力するデモを行なっている。

ソシオネクストブースの展示。左が衛星用(ISDB-S3専用)、右がCATV対応(ISDB-S3/複数搬送波伝送方式対応)の受信装置試作機
今回のデモではデコードを外部で行なっていた
8K HEVCデコーダチップの「SCH801A」

 総務省のロードマップでは8K実用放送とCATV再送信が行なわれるのが2018年となっており、その頃には、1つのSTBなどで受信と映像デコードの両方に対応する見込み。

8Kで薄さ2mmの有機ELでリオ五輪映像。PCで8Kリアルタイムエンコード

 NHKは、LG Displayの有機ELパネルを用いた「シート型有機EL 8Kディスプレイ」も展示。4Kディスプレイを4枚組み合わせたもので、薄さは2mm程度。このディスプレイはNHK技研公開でも展示されていたが、今回は夏に行なわれたリオオリンピックの映像を8Kで楽しめるようになっている。

シート型8K有機ELディスプレイ
横から見ると“シート型”と呼ばれる薄さが分かる

 また、HEVC/H.265 4K/60pのリアルタイムエンコードに対応したソシオネクスト製のエンコーダ「MB86M31」を4基搭載したリアルタイム8K HEVCエンコーダボードも参考展示されている。Advantechが開発中で、8K/60pのHDR/4:2:2映像に対応。3G-SDI 16本またはPCI Expressで入力できる。ブースでは8Kカメラからの映像をHEVCエンコードした後、隣に置いてある8K HEVCデコーダボードを介してテレビにリアルタイムで表示していた。

8K HEVC映像配信デモ
PCに8K HEVCリアルタイムエンコーダボードを接続
リアルタイム8Kデコーダ
NHK/JEITAの共同ブース。IPTVフォーラム、日本ケーブルラボも協力
ソシオネクストブース