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ソニー、36秒間連写できるAPS-C最上位「α6500」。4Dフォーカス/5軸手ブレ補正搭載

 ソニーは、APS-Cサイズのセンサーを搭載したEマウントのミラーレスデジタルカメラ新モデルとして、高速な4Dフォーカスや、光学式のボディ内5軸手ブレ補正を搭載した「α6500」(ILCE-6500)を12月2日に発売する。ボディの価格はオープンプライスで、店頭想定価格は15万円前後。

「α6500」(ILCE-6500)

 発売中の「α6300」も高速なAFや連写機能を備えているが、α6500ではボディ内5軸手ブレ補正や、バッファの大容量化、タッチパネルを使ったAFを可能にするなど、より動体撮影への対応を強化したモデル。α6300はハイアマチュア向け、α6500はプロ・ハイアマチュア向けとされ、α7シリーズユーザーのサブ機としても訴求していく。

 3月に発売された「α6300」から、あまり時間が経過せずに登場するAPS-Cセンサー搭載の最上位機種となるが、α7 IIなどで搭載している光学式5軸手ブレ補正ユニットを、形状を工夫する事でコンパクトなAPS-Cボディに搭載したのが大きな違いとなる。

 センサーはAPS-CのExmor CMOS。有効約2,420万画素。ISO感度は100~51200まで設定可能。世界最多という425点の像面位相差検出AFセンサーを搭載するほか、169点のコントラスト検出AFセンサーも搭載。これらを画面のほぼ全域に配置する事で、被写体をより高精度に捉えられるという。

センサーはAPS-CのExmor CMOS

 位相差検出AFとコントラスト検出AFを併用するファストハイブリッドAFと、最適化した画像処理エンジン「BIONZ X」の高速処理で、世界最速という0.05秒のAFも実現。像面位相差検出AFの高密度AF追従テクノロジーも使い、離れた場所で俊敏に走る動きなど、複雑に動く小さい被写体でも高精度に捉え続けられるとする。

SEL1670Zを装着したところ

 アフタービューになるが最高11コマ/秒の連写も可能。表示ラグを抑えたライブビュー表示では最高約8コマ/秒も実現。フロントエンドLSIの大容量化したバッファメモリと組み合わせる事で、307枚(約36秒)までの連続撮影も可能。連続撮影後すぐに撮影画像の確認ができるほか、書き込み状態をバー表示して、書き込み残り枚数も直感的にわかるようになっている。

 専用位相差検出AFセンサーを搭載していないマウントアダプタ「LA-EA3」を介して、Aマウントレンズを装着した場合も像面位相差検出AFが可能。瞳を検出して緻密にピントを合わせる「瞳AF」も備えている。

 背面モニタはタッチパネルで、画面上の被写体をタッチする事で、直感的にフォーカスを合わせる「タッチフォーカス」が利用可能。ファインダーを覗きながら、親指でモニタをなぞってAFを合わせる事もできる。

背面モニタはタッチパネルで、タッチフォーカスにも利用できる

 α7 II、α7R II、α7S IIに採用している光学式5軸手ブレ補正機構を、ソニー製APS-Cカメラに初搭載。シャッターユニットを含めた機構部を新規に開発することで、α6300と同等サイズを維持している。効果は最大5段分。動画撮影時でも利用できる。

上から見たところ

 3,840×2,160ドットの4K動画撮影も可能。スーパー35mmフォーマットで高解像度な4K撮影ができ、4Kに必要な画素数の約2.4倍(6K相当)のデータを用いて4K映像を出力するため、より解像感の高い動画が撮影できるという。

 XAVC S方式での記録が可能で、4K 30p/24p記録時や1080/120pのハイスピード記録時には最大100Mbpsの高ビットレート録画が可能。新たに動画からの静止画切り出しも可能になった。4K動画からは約800万画素、フルHDからは約200万画素の画像を作成できる。

 S-Log3、S-Log2ガンマにも対応。白とび、黒つぶれを抑えた広いダイナミックレンジで撮影でき、色味やトーンを整えるグレーディングによって幅広い映像表現が可能。色域は、ソニーが定義するS-Gamut、S-Gamut3、S-Gamut3.Cineにも対応。

 新たに、最大5倍までのスローモーションと、最大60倍までのクイックモーション撮影機能も搭載。最大50Mbpsの高画質フルHDで本体内記録できる。撮影フレームレートは、1~120fpsまでの8段階、記録時のフレームレートは24p/30p/60pから選択可能。撮影後の作業もなく、すぐにスロー効果、クイック効果をプレビュー確認できる。

 ボディはフルマグネシウム合金で、約20万回のレリーズ耐久性を実現。シャッター後幕の走行完了前にブレーキ機構を追加し、シャッター走行によるブレの発生を低減。シャッター音も静音化している。α7 IIシリーズを継承した操作部材を備え、モードダイヤルやコントロールダイヤルの操作感も向上。

α7 IIシリーズを継承した操作部材

 約236万ドットの有機ELを採用したファインダー「XGA OLED Tru-Finder」も装備。アイピースカップも柔らかな感触で使用感が向上。フラッシュも備え、無線LAN機能も用意する。外形寸法は120×53.3×66.9mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は本体のみで約410g。

有機ELを採用したファインダー「XGA OLED Tru-Finder」も装備