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8K/AIoTを積極推進するシャープ。ガラパゴスから「COCORO+」へ

 シャープは、3日から開幕する「CEATEC JAPAN 2017」において発表会を開催。同社のブースの模様を説明するとともに、8K/AIoTプラットフォーム戦略などを説明した。

シャープ CEATECブース

8Kを強化。グローバルで推進

 シャープ 副社長執行役員 AIoT戦略推進室長兼欧州代表 石田佳久氏は、8月31日に8Kテレビを欧州を含む世界同時発表し、「欧州でもSharp is backをアピールできた。日本でも8Kは、CEATECに出展し、初めて(放送/映像関連展示会の)InterBEEにも出る」と語り、8Kに力を入れていく姿勢を強調した。

シャープ 石田佳久 副社長

 取締役執行役員 8Kエコシステム戦略推進室長の西山博一氏は、「圧倒的なリアリティ」をキーワードに8Kテレビを強化し、12月1日に日本でも発売、10月2日から予約開始すると発表した。また、カイロスと共同で、世界初の8K硬膜内視鏡システムを構築するなど、医療やBotB向けの8K展開の強化を紹介。ディスプレイだけでなく、配信インフラやカメラ、ソリューションを含めて8Kに取り組む姿勢を示した。

8Kエコシステムを強化
世界同時展開

GALAPAGOSがCOCORO BOOKSに。COCORO+ブランドで対応

 シャープが目指す「AIoT」によるスマートホーム事業についても説明。機器とクラウドサービスが連携し、音声対話や嗜好学習などにより、顧客価値の拡大を狙うものだが、ロボホンやAQUOSだけでなく、ヘルシオや空気清浄機などでも対応が進み、8カテゴリでAIoT対応となった。

シャープが目指すAIoT

 また、シャープが運営するインターネット上のサービスを「COCORO+」ブランドに統合することも発表。サービス名を改称するとともに新サービスを開始した。これまで「GALAPAGOS STORE」の名称で展開していた電子書籍サービスは「COCORO BOOOKS(ココロブックス)」に改称する。

COCORO+ブランドの統合

 会員サービスはこれまでの「SHARP i CLUB」を「COCORO MEMBERS」に改称。AQUOS 4K UH5シリーズなどで対応した、音楽配信サービス「COCORO MUSIC」とゲーム配信サービス「COCORO GAME」を11月11日から開始。さらに、COCORO KITCHENに対応したヘルシオやホットクックで、有名シェフの味を楽しめるという「ヘルシオデリ」を10月19日より開始する。

 シャープのWebサイトやSNSなどの情報提供チャネルで「COCORO+」ブランドを訴求し、リニューアル。COCORO MEMBERSが共通IDとなり、複数のCOCOROサービスに共通IDでログインできるようになり、購入履歴を含めたオススメや特典情報のお届けなどを行なう。

AIoTプラットフォームを外販

 また、ヘルシオやロボホン、COCORO+などで培ったAIoT技術を「AIoTプラットフォーム」として集約し、外販を開始する。

AIoTプラットフォームの外販強化

 プラットフォームは、音声対話で献立相談ができるウォーターオーブン「ヘルシオ」などに採用されているが、各種機器のIoT化や音声対話を実現する「AIoTモジュール(ハードウェア)」と、クラウドを使った「音声対話機能」、機器やサービスの利用状況を解析する「データ解析機能」、データ結果からユーザーニーズや顧客満足度などを調べる「顧客サービス支援機能」、WebAPIなどから構成される。

AIoTプラットフォームの提供事例

 同プラットフォームを使うことで、接客支援や環境案内、コールセンターなどAI連携した業務システムやサービスを構築可能としており、経済産業省による「IoTを活用した社会システム整備事業」や、アルテリアネットワークスやアイホンらによる、集合住宅向けIoTソリューション「伝えルーム」などに採用されている。

 石田副社長は、「8KとAIoTで次々とイノベーションを起こし、輝けるグローバルブランドを目指す」と意気込みを語った。

 なお、2016年のCEATECで展示していた音声対話型エージェントの「ホームアシスタント」については「スマートスピーカーが多く出てきたので、商品仕様を見直している」とのことで、近日中の発表を予定しているという。