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日本初、フジテレビが地上波放送と同時に4K HDR配信。HLG採用

 フジテレビは、10月25日午前2時35分から地上波放送する「TimeTrip 日本の海岸線~伊能忠敬の軌跡~」と同時に、4K HDR(ハイダイナミックレンジ)画質の映像を対応テレビ向けにインターネット配信する実証実験を行なう。実放送と連動するHybridcastサービスでHDR映像を配信するのは日本で初めて。

日本初、フジテレビが地上波放送と同時に4K HDR配信。HLG採用 TimeTrip 日本の海岸線~伊能忠敬の軌跡~
TimeTrip 日本の海岸線~伊能忠敬の軌跡~

 従来のSDR(スタンダードダイナミックレンジ)に比べて明暗差の広いHDR映像を、対応テレビ向けに配信し、地上波放送と同期再生できるサービス。放送規格ARIB STD-B32 3.9版に準拠したHybrid Log Gamma(HLG)方式を採用し、対応する受信機にはHDR映像を、非対応受信機は通常のSDR映像を自動的に配信する。

 番組の放送が開始すると、マルチピリオドMPEG-DASH方式「Hybridcast 4K Video」対応受信機では、4K切り替えボタンを表示。ワンタッチで放送から4K配信映像に切り替わり、終了後に自動で放送視聴へ戻る。4K配信に適した映像ビットレートと、ネット回線の状況に適応した動的な映像ビットレート切り替えにも対応する。

 過去2回の実証実験と同様に、緊急ニュース発生時には放送からの信号により自動で放送映像に戻す仕組みも用意。4K配信映像の視聴時にも放送同様に視聴者の安心・安全を損なわないという。

 また、前回の「Oh! 江戸東京名所図会」での実証実験と同様に、クラウド上のサーバから別々に配信される本編ストリームとCMストリームをマルチピリオドMPEG-DASH方式に再構成し、シームレスにつないで再生する技術を使用。対応受信機では、視聴地域ごとに異なるCMと本編がシームレスにつながった4K配信映像を楽しめる。フジテレビは「本技術を有望なサービス手法の一つと考えており、引き続き、普及発展に向けて検討していく」という。

 「TimeTrip日本の海岸線~伊能忠敬の軌跡~」の放送は10月25日午前2時35分~3時35分。提供エリアは関東ローカル。

番組内容

 日本は周りを全て海で囲まれ大小6,852の島から成り立っている。その列島をまるごと測った男、伊能忠敬。彼は50歳を過ぎてから自らの足で列島の海岸線をひたすら歩き続け、歴史上初めて正確な日本地図を作った。歩いた距離は地球一周分。その壮絶な全国測量の旅の軌跡を、高精細4Kカメラ搭載のヘリで撮影。日本の海岸線の美しさと厳しさ、その姿をたどっていく。