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キヤノン、縦置きもできる世界最小・最軽量の4Kレーザー光源プロジェクタ
2017年11月9日 14:29
キヤノンは、「パワープロジェクター」シリーズの新製品として、4,096×2,400ドットのLCOSパネルと、レーザー光源を採用した「4K600Z」を12月上旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は700万円前後。デザインやシミュレーション用途、美術館や博物館への展開、映像制作や医療分野などへの展開を想定している。
4Kデジタルシネマ(4,096×2,160ドット)を上回る、4,096×2,400ドットのLCOSネイティブ4Kパネルを採用したプロジェクタ。「4K映像を忠実に表現でき、格子感がなく滑らかで臨場感のある映像投写が可能」という。毎秒60フレームでの表示が可能で、残像感やブレも低減。なお、4Kレーザー光源プロジェクタとしては、世界最小・最軽量だという。
4Kプロジェクタ向けにレンズを専用開発。大口径非球面レンズやUDガラスなどの特殊光学材料を使い、中心から周辺部まで歪曲や色収差を抑えた。「イメージング技術の粋を集めた製品群を象徴する」という“レッドライン”も施されている。
ズームレンズで、F値は2.6~2.75。光学システム「AISYS」により、ズーム操作による明るさの変動を抑制。広角端と望遠端で同等の明るさの投写が可能。「周辺フォーカス調整」機能により、100型投写時に、平面から凹面凸面ともに曲率半径3mまで、光学的にフォーカスできる。
これにより、プロジェクションマッピングなど凹凸のある投写面や、プラネタリウムなどのドーム型天井のような曲面スクリーンへの投写でも、最周辺部まで歪みを抑えた高精細な投写ができるとする。
低歪曲なレンズを活かし、複数のプロジェクタを組み合わせるマルチ投写でも、重ね合わせが美しい映像投写を実現した。複数のプロジェクターの映像をつなぎ合わせて投写する「エッジブレンディング」機能も用意。
4Kレーザー光源を採用
光源寿命の長いレーザー光源を採用。光源を交換せず、約2万時間投写でき、メンテナンス負荷を軽減。輝度一定モードや長寿命モードの設定もでき、最長4万時間まで伸ばす事もできる。明るさは最高で6,000ルーメン。コントラスト比はネイティブで4,000:1。
青色レーザーダイオードと蛍光体の組み合わせにより、sRGB規格の色域を99%カバーする色再現性を実現。HDR表示にも対応する。
高速スタンバイモードを使うと、電源投入から約2秒で起動。全方位360度、どの角度でも設置が可能で、天井や床などへの投写も可能。縦置き設置にも対応する。事前に設定したスケジュールに基づいて、起動や終了を行なうリアルタイムクロックも備える。
動作音を29dBに下げる静音モードを備え、静かな環境での投写にも対応。映像の入力信号に合わせて自動で光源の出力を調整する「ダイナミックコントラスト」機能も備え、最大コントラスト比が10,000:1まで自動で切り替わる。
スマホやタブレット向けに「Canon Service Tool for PJ」アプリを無償で提供。Wi-Fiを介して端末をリモコンとしてプロジェクタを操作したり、設定したパラメーターの変更、プロジェクタの状態監視などが可能。複数のプロジェクターを管理・操作することもできる。
投写スクリーンサイズは40~600型まで対応。映像入力はDVI-D×4、HDMI×2。HDMIでは、ケーブル1本で4K/60pの映像伝送が可能で、Ultra HD Blu-rayのHDR映像も投写可能。4K/8K映像の放送規格「ITU-R BT.2020」の色域で撮影された映像も入力できる。
5Wのモノラルスピーカーを搭載。消費電力は665W。無線LANや有線LAN端子も装備。外形寸法は559×624×201mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約26kg。