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「君の名は。」の舞台、新国立美術館で11日から「新海誠展」。ハリウッド版に“距離感"
2017年11月10日 16:47
アニメーション監督 新海誠の軌跡を制作資料や作品などから紹介する『新海誠展「ほしのこえ」から「君の名は。」まで』が、2017年11月11日から12月18日まで東京 六本木の新国立美術館で開催される。開幕前日となる10日には新海誠監督と、新海作品のファンで同展で音声ガイドを務める俳優の神木隆之介のトークショウも行なわれた。
入場料は一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円で、開場時間は10時~18時(金・土曜日は20時まで)。現役アニメーション監督による国立美術館での展覧会は初という。新海誠展は、静岡で6月~8月、長野で9月~10月に開催され、'18年1月~2月には札幌にも向かうが、東京会場が最大規模となる。
展示は、「キーワードで読み解く作品世界」「新海誠と時代背景」「映像制作の舞台裏」「世界に広がる新海誠作品」などをテーマに東京会場の独自編成となっている。
「君の名は。」の舞台で展覧会。ハリウッド版「君の名は。」に「距離感」
「君の名は。」にも描かれた新国立美術館で開催される新海誠展。新海監督は
「君の名は。では、東京の象徴、圧倒される場所として。また、高校生のデートとしてはちょっと敷居が高い場所ということも考えて描いた。まさかその場所で、こんな展覧会ができるとは思っていなかった。日本の現役アニメーション作家としては初と聞いている。日本のアニメを支えた先輩方の歴史がここにつながっているのだと思う」とコメントした。
一足先に展示を見たという神木氏は、「もう入り口の写真から、“わぁ”となった。圧倒された。監督の作品を最初に見た時は、写真じゃないか? と思ったけれど、一本一本が手で書かれている。それが入口から“絵なんだな”と実感できるし、結果的にそれが写真のように見える。凄いです。語り尽くせないですね。質問なんでしたっけ?」と興奮気味に回答。新海監督も「嬉しいです。僕も嬉しいですが、描いたスタッフも喜ぶと思います。アニメでは、一カット当たり平均4秒しか映らないといわれています。それがこの場所では、一枚一枚見えますし、それがスタッフが心血注いでやっていること。映画作りの戦いの軌跡みたいなものを感じていただければ嬉しいです」と応じた。
また、新海監督は「素敵な展示会」としたうえで、「よく作品を創ると、子どもに例えたりしますが、作ってから子どもがどうなっていくかとうのにはそれほど興味がなくて……。例えば、『君の名は。』はハリウッドで映画になりますが、楽しみにしているのですが、もう手を離れたので、あとはどういう大人になるのだろうと、距離感をもって見ています。美術展も同じようなスタンスの距離感を持っていたのですが、美術展としてフレッシュな体験をさせていただいた。映画をどうやって展示するの? と思っていたけど、ディスプレイが何十枚もあって、半ば仕事場にいるような感じもあれば、紙と鉛筆で描かれたものもたくさんあって、新しい展示になっている。とても興味深い体験でした」とコメント。
神木氏は、「素敵でしたね。言葉が出なかったです……。白いまっさらな壁に、展示物の配置の仕方とかも、監督の作る作品のイメージに近くて、『ずっといたい空間』でしたね。天井の高さも生かされていて、落ち着いた気持ちで楽しめる」と語った。
また、音声ナビゲーターの仕事について、神木氏は「リズムの出し方とかが難しかった。皆さんのお供になれれば……」と回答。司会者に「一緒に見ているような感じがしました」との言葉に、「幸せです」と応じ、新海監督も「神木君しか考えられなかった。会話をするように、神木君と一緒に見るような感じで、お越しください」と語った。