ニュース
ソニーの左右分離NC/防滴のイヤフォンと、ハイレゾ対応「MDR-1AM2」を聴いた
2018年1月11日 00:00
ソニーが「CES 2018」で発表した左右分離型イヤフォン「WF-SP700N」と、ハイレゾ対応ヘッドフォンの進化版「MDR-1AM2」。これら注目のイヤフォン/ヘッドフォンの詳細について、商品企画を担当したソニービデオ&サウンドプロダクツ V&S事業部の前田碧氏に話を聞くとともに、装着感や音質を試した。
NC機能と防滴を両立。音質は?
WF-SP700Nは、左右分離型で世界初という、IPX4防滴仕様とアクティブノイズキャンセリング機能を両立させたのが特徴。米国では春以降に順次発売し、価格は179ドル。日本での発売も予定している。
IPX4は、あらゆる方向からの飛沫に対して本体性能を保護するもので、雨や汗に強いスポーツ向けモデルとなる。他社では、心拍系搭載など本格的な運動向けモデルが存在するが、SP700Nは運動だけでなくカジュアルな利用も想定して価格も抑えており、スポーツや音楽を気軽に楽しみたい若年層などをターゲットとしている。
音楽に浸りながら、周りの音も聞けて安全なアンビエントサウンドモードも搭載。スマートフォンアプリのSony|Headphones Connectから設定可能で、「ノイズキャンセリング」と、周りの人の声を聞きやすくする「アンビエントサウンド-ボイスモード」、環境音全般を聞けるようにする「アンビエントサウンド-ノーマルモード」を用意。SP700Nのハウジングにあるボタンを押すと3つのモードが順送りで切り替わる。
クイックサウンドセッティング機能も搭載。外音取り込みやイコライザなど、アプリで設定したプロファイルをすぐに呼び出せるもので、例えば「運動中は外音を取り込み、低音を効かせた設定で聴きたい」という場合、あらかじめ好みの設定をアプリ上で登録しておくと、SP700Nのボタンダブルクリックで、その設定をすぐ呼び出せる。
なお、1000Xとは違い、人の行動に合わせて自動でNCのモードを切り替える機能は備えていない。例えば「走り始めたら自動で外音を取り込む」といったことはできず、手動で切り替える必要がある。
イヤフォンのユニットはダイナミック型で6mm径。低音が豊かな「EXTRA BASS(XB)シリーズ」の音質を採用。ビートを効かせた音を運動中に楽しむ人が多いことからXBの音質を採用したという。BluetoothのコーデックはAACとSBC。
'17年に発売した同社初の左右分離イヤフォン「WF-1000X」(実売25,000円前後)の知見を活かし、音切れを抑制。'17年11月に提供開始したアップデート適用後の1000Xと同等の接続安定性を実現したという。
CES会場で装着して音楽を聴いてみた。BGMや話し声が大きいブース内でも、NCをONにすると周りのノイズがほとんど聞こえなくなった。ケーブルやバンドなどもないため、1000Xを初めて使用した時と同じような快適さがある。左右分離イヤフォンは、簡単にはずれないことも重要だが、ツノのような「アークサポーター」でフィット感が高く、多少頭を動かしてもずれない。音楽を再生すると、低音がズシンと響くXBサウンドで、走っている時に聴けば気分も盛り上がるだろう。NCで防滴だが、音がこもるようなこともなかった。
今後のファームウェアアップデートで、Googleアシスタントにも対応予定。Androidスマートフォンがあれば、声でアシスタントに色々な情報を質問するなど、利用の幅が広がるのも楽しみな製品だ。
手ごろなバランス対応機がデザインも中身も一新した「MDR-1AM2」
「MDR-1A」の後継と位置付けられる「MDR-1AM2」は、新開発の40mm径HDドライバを搭載。振動板は液晶ポリマーで、アルミ薄膜コーティングを施している。再生周波数帯域は3Hz~100kHzでハイレゾ対応。ハウジングは密閉型。
ハイエンドヘッドフォン「MDR-Z1R」の技術も投入。グリル部分にはフィボナッチパターンを採用し、滑らかな超広域特性を実現したという。銀被覆OFC(無酸素銅)のケーブルにより、伝送ロスを低減。3.5mmのアンバランスケーブルに加え、4.4mmのバランスケーブルも同梱する。
本体カラーも一部変更されており、ブラックモデルは全体を黒で統一(従来の1Aは赤をアクセントに使用)。シルバーは、イヤーパッドなどの色が従来のブラウンからグレーに変更され、こちらも全体で統一感のある落ち着いたカラーリングになったようだ。
ウォークマン「NW-ZX300」とバランス接続して聴いてみた。重量は約187gで、1A(225g)から軽量化。装着感もソフトで、圧迫感はほとんどない。Daft Punk「Get Lucky」やMiles Davis「So What」などいくつかの曲を再生して印象的だったのは、高域のリッチな質感。情報量がありながらも広い音場で、快適な装着感と合わせて、密閉型であることをほとんど意識させない。決して高域寄りのバランスということではなく、低域も豊か。外観もすっきりしたデザインで、ウォークマンZX300と組み合わせて外でもいい音が楽しめそうだ。