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Lincoln Continentalがハイレゾ対応。海外でも“スタジオ品質”の音楽拡大へ

 大手レコード会社などが中心となってCES 2018に共同で出展しているブース「Hi-Res Audio Pavilion」において、ハイレゾ音楽のグローバルでの普及促進に向けた現状や今後の取り組みなどが発表。新たに高級車のLincoln Continentalにハイレゾ対応オーディオシステムが採用されたことなどが紹介された。

Hi-Res Audio Pavilionブース

 Hi-Res Audio Pavilionは、アーティストやプロデューサー、エンジニアらが意図した“スタジオクオリティ”の音楽体験ができるハイレゾ音楽の広がりを背景に、Universal Music Group、Sony Music Entertainment、Warner Music Groupの3社が主催し、A2IM(American Association of Independent Music)やDEG(Digital Entertainment Group)らと協力して出展している。

Hi-Res Audio PavilionのMarc Finerエグゼクティブプロデューサー

 NPD Groupによる'17年秋の調査では、米国でのハイレゾ対応機器の'16年売上額は'14年に比べて77%増加。台数ベースでは前年同期比118%になったという。ソニーのXperiaシリーズや、LGのスマートフォンなどがハイレゾ対応を進めていることも、ハイレゾの普及に貢献していると見ている。

ソニーのXperia
LGスマートフォン
Univesal Musicのデジタルストラテジー&パートナーシップ シニアバイスプレジデントを務めるOANA RUXANDRA氏が登壇。ハイレゾ市場の可能性などを説明した

 Hi-Res Audio Pavilionでは、500タイトル以上の様々なジャンルのメジャー/インディーズのハイレゾ作品を展示。高音質ストリーミング配信のTIDALを紹介しているほか、欧州からQobuzもCESに初出展した。

QobuzがCES初出展

 同ブースに出展するMQAは、CESに合わせてパートナーの拡大状況などを発表。現在は100以上のMQA対応製品があり、韓国のGrooversが、初のモバイル向けMQAストリーミングを開始。スマートフォンのLG V30ユーザー向けに韓国で3カ月のトライアルを実施するという。

 また、RoonのデスクトップソフトがMQAローカルファイル再生だけでなく、HiFi契約者を対象としたTIDAL MQAストリーミングもサポート予定ということを明らかにした。

 さらに、Roonは、WindowsへのMQA対応に取り組むAmarraとAudirvanaのソフトウェアパートナーとなり、Audirvana Plus for Windows 10が2018年1月末にリリース予定ということも発表している。

MQAのパートナーも拡大

 Fordは、傘下のLincolnによる'18年モデルの「Lincoln Continental」において、モバイルのTIDALアプリとの連携機能を採用。車載用のインターフェイスとTIDALアプリをシームレスに統合したという。

Lincoln Continentalの'18年モデル。Revelのオーディオシステムを搭載し、TIDALアプリと連携
Henry Ford Technical Fellow and Directorを務めるJames Buczkowski氏が、Lincoln Continentalへのハイレゾ対応について説明

 今回のCESでは、ハイレゾを推進する「Stream the Studio」によるイベントも実施。Lincolnと、グラミー賞を主催するThe Recording Academyのプロデューサーやエンジニアらを招いたパネルディスカッションも開催した。

「Stream the Studio」は、レコード会社や音楽配信サービスなどが協力
オーディオテクニカは、開放型ヘッドフォン「ATH-ADX5000」と真空管搭載ヘッドフォンアンプ「AT-HA5050H」を組み合わせて試聴可能に
ハイレゾポータブルプレーヤー「A&ultima SP1000」
dCS「Vivaldi One」限定モデル。LANやUSB、AES/EBUなどの入力を備え、TIDAL、Spotify、Roon、UPnPなどの再生に対応。MQAもサポート