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日本初、4K/HDR作品を映画館へ伝送して有料上映。WOWOWや博報堂DYら実証実験

 博報堂DYメディアパートナーズとWOWOW、イマジカ・ロボット ホールディングスは、4K/HDR映像を映画館へ伝送して上映する実証実験を、2月8日にユナイテッド・シネマ アクアシティお台場にて実施する。4K/HDR映像を外部サーバーから公衆回線で伝送/蓄積し、劇場で一般客向けに有料上映するのは日本初。ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズと、一般社団法人 映像配信高度化機構が協力する。

実証実験の概要

 映画館における高精細/高輝度作品上映の実現を目指して実施するもの。今回の実証実験では、導入済みの4Kシネマプロジェクタにもう1台を追加し、2台で同期させることでの4K/HDRの再現性と、安定的に大容量コンテンツを配信できる技術・インフラ・の技術仕様要件の整備を目的とする。また、映画館における4K HDRの臨場感のある新しい映像体験が、課金モデルとして受け入れられるかの検証も行なう。

 実施日は2月8日で、場所はユナイテッド・シネマ アクアシティお台場。上映作品は、瀬戸内を拠点とするアイドルグループ・STU48の「瀬戸内からはじめまして、」。チケット料金は2,000円。

STU48「瀬戸内からはじめまして、」を4K/HDR上映

 映像配信高度化機構の平成29年度実証事業の一環として行なわれ、博報堂DYメディアパートナーズが実証実験の進行を統括。WOWOWがコンテンツ制作、イマジカ・ロボットが配信設備、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズが上映設備を担当する。博報堂DYはチケット販売の課金モデルの検証も行なう。

 4K/HDRコンテンツ配信システムとして、映画上映用フォーマット(DCP形式)以外のコンテンツを、イマジカ・ライヴ(イマジカ・ロボットの連結子会社)が構築したプラットフォーム上で公衆回線を用いて、上映ファイルをダウンロード伝送。上映コンテンツは、AWS(Amazon Web Service)のクラウドに一旦格納され、公衆回線を使って劇場の受信端末にファイルを蓄積。指定した受信サーバーへ転送する。一連の作業は、遠隔地からのリモートにて制御・監視を行なう。今後拡大するライブ配信や、4K/8Kの高精細/高臨場感コンテンツのファイル流通のプラットフォームとして活用する予定。

 4K/HDR上映システムには、ソニーのHDR対応4Kデジタルシネマプロジェクタ「SRX-R515」を使用。4K/HDRを上映するための高輝度/高コントラストを、一般的なデジタルシネマプロジェクタ(ランプ型)の普及価格帯で実現できるという点が特徴。今回のシステムでは、HDRの効果をより体感できるようにSRX-R515を2台使用して同期。通常の映画上映の約5倍の明るさで上映される。音響設備は、劇場の右/左/中央/右後/左後の合計5ch分のスピーカーと低音専用のサブウーファを活用した5.1ch構成。高画質映像と5.1chの音場設定により、臨場感あふれる迫力のある上映を実現するという。

 博報堂DYとWOWOW、イマジカ・ロボットの3社は今回の実証実験の結果を活かし、映画以外のコンテンツの4K/HDRの有効性や、コンテンツ販売、パブリックビューイング(PV)の展開のほか、PV時の関連商材販売ビジネスの可能性も視野に入れて事業を推進する。

STU48「瀬戸内からはじめまして、」概要

2017年に誕生した瀬戸内7県を拠点とするAKBの姉妹グループであるSTU48が、地元瀬戸内エリアで幾多の試練を乗り越えながらも、ライブやイベントを通じて成長しメジャーデビュー曲をリリースするまでの過程を瀬戸内の美しい風景を織り交ぜながら描いた作品