ニュース
Xperia Ear Duoで自由な音楽と会話を体験。寿美菜子の音声アシストも進化
2018年4月11日 18:07
ソニーモバイルコミュニケーションズは11日、左右分離型で耳を塞がない完全ワイヤレスイヤフォン「Xperia Ear Duo XEA20」の発表会を東京・港区の八芳園で開催。同製品のスマート機能を利用して日本庭園をガイドするなど、他社との様々なコラボレーションを予定しており、活用事例の一部を体験してきた。
Xperia Ear Duo XEA20は、イヤフォンとして音楽を聴けるほか、スマホアプリと連携して、カレンダーの予定やニュースの読み上げなど、音声アシスタント機能を利用できるのが特徴。4月21日に発売し、価格はオープンプライス。店頭予想価格は3万円前後。カラーはブラックとゴールドの2色。
10mmのダイナミック型ドライバユニットを耳の後ろに配置、音導管を通して鼓膜へダイレクトに音が届く。周囲の音と、機器からの音楽などがブレンドされ、音楽も会話も楽しめる「デュアルリスニング」スタイルを提案する。
耳の下側を挟むように装着し、メガネとも干渉が少ない“下掛けスタイル”も採用。左右イヤフォンの接続はNFMI(近距離電磁誘導)で、アンテナ設計の工夫により低遅延と左右の安定接続を実現している。ハードウェアの仕様詳細などは、別記事で掲載している。
寿美菜子のボイス案内も進化。より身近な存在に
Android端末接続時には、独自のボイスアシスタント機能「Assistant for Xperia」を利用できるのも特徴。'16年に発売した初代Xperia Earとは別の新アプリを開発し、音声アシスト機能なども大幅に進化している。
声で音楽再生や電話、メッセージ、Web検索、タイマーなどの操作ができ、「ラジコをかけて」と話すとradikoをストリーミングを開始。ボイスアシスタントは、右側のタッチパッド長押しで起動する。Googleのボイスコマンドにも対応する。
Android端末と連携し、ユーザーの毎日の行動に合わせて情報を読み上げる「デイリーアシスト機能」も利用可能。その日のニュースのほか、有名人の誕生日など「今日のひとこと」も読み上げる。
ユーザー最大5人でトランシーバーのように通話できる「Anytime Talk」もAndroidアプリ経由で利用可能。タッチパッド長押しで自分の声がメンバーに届く。話すのが難しい時も、ヘッドジェスチャーであらかじめ録音しておいたサウンドを送信できる。例えば、あらかじめ自分の名前を登録してうなずく動作に割り当てておくと、話す前にうなずくだけで、今話しているのが誰なのか分かりやすくなる。通信はLTEで行ない、話す人がタッチしている間だけつながるため、誰も話していない間はバッテリ消費を抑えられる。
LINEのAI「Clova」とも連携。Assistant for XperiaからClovaの機能を呼び出してLINEメッセージを声で作成/送信できるほか、「クローバ、ランニングに合う曲を再生して」など声をかけて、シーンに応じた音楽を聴ける。ユーザーがこれまで聴いた曲の履歴などを参照し、利用する人に応じた曲を流せる。
読み上げの日本語音声は、声優の寿美菜子(ことぶき みなこ)が担当。あいさつなど、よく使われるフレーズは、あらかじめ収録した音声で滑らかに発音。ニュースなど、状況によって変わる内容は、寿美菜子の声をもとにした合成音声での読み上げとなる。
初代Xperia Earの声も寿美菜子が担当していたが、今回のDuoでは、録り下ろしのボイスを追加。同じ「おはようございます」のあいさつでも、元気なパターンや丁寧なパターンを用意するなど、バリエーションを増やした。これは、新機能のデイリーアシストのように、自発的にユーザーへ働きかけることに合わせた進化だという。秘書のように身近な存在になるように、“いつも同じ声”ではなく、人と同じく感情の幅を持った声が流れるようになっているとのこと。
LINEなどのメッセージ送受信でも、よく使われる言い回しの場合は、収録済みの声を活用。自由に書いたメッセージが、流暢かつ感情のこもった声で流れ、まるでその場で声優に読んでもらったような仕上がりのため、相手にも気持ちが伝わりやすくなりそうだ。
日本庭園のガイドに活用。JAL客室乗務員も
製品の発表に合わせて、BtoBのコラボレーションも発表。今回の会場でもある八芳園と協力し、江戸時代から続く由緒ある庭園の自然音や庭園ガイドの説明を聞きながら、Xperia Ear Duoのデュアルリスニングを楽しめる。期間は5月14日~18日。
会場で、実際に庭園のツアーを体験した。参加者には、Xperia Ear Duoと、ペアリングされたスマホのXperiaが手渡される。ガイド担当者の話を聞きながら、あるポイントに近づくと、BGMが流れたり、庭園にまつわる歴史などを説明する音声が再生。鳥のさえずりなども聞こえてくる。
この庭園では、錦鯉や水鳥のいる池を中心に、樹齢500年を超えるという盆栽や、茶室などの建築物を見て楽しめる。BGMは説明する人の声を邪魔しない静かな曲調で、どうやってこの庭園が造られたかなどを知ることができ、説明する人に、気になった点の質問もすぐできる。イヤフォンで耳を塞がないため、その時に吹いていた風の音なども感じながら、より深く庭園の良さを知ることができた。
実際のサービスは1回10名×2回実施され、各日18時から八芳園本館ロビーで受付。「新緑特別ライトアップ」も実施され、幻想的な光の中で「耳から感じる新しい庭園体験」ができるという。
このほかにも、BtoBの実証実験として、日本航空(JAL)とも協力。搭乗する客室乗務員が装着し、最大5人でグループ間通信ができる「Anytime Talk」を活用し、業務を想定した特別仕様のアプリをソニーモバイルが提供するという。ヘッドセット型のスマートデバイス装着の実証実験は、航空業界では国内初で、4月以降に開始予定。
通常、客室乗務員間でのコミュニケーションは、固定されたインターフォンを使用するか、直接口頭で行なわれている。Anytime Talkにより、瞬時に情報共有が行なえ、業務効率の改善が期待され、機内サービス時に客室乗務員の作業性や美観が損なわれないという。
左右分離型の市場が急成長。“目の前のコミュニケーション”も
ソニーモバイルコミュニケーションズのスマートプロダクト部門 商品企画課 八木泉氏は「便利で簡単にコミュニケーションできるスマートフォンは欠かせないデバイスになっているが、目の前のコミュニケーションがおろそかになるシーンがある。Xperia Ear Duoは、周囲の環境や大切な人との関わりを大事にしつつ、革新的なリスニング体験を提供する」と紹介。駅ではアナウンスを聞き逃さず、会社では同僚との話もスムーズに行なえ、家事やジョギングなど様々なシーンで使えることをアピールした。
注目機能の一つであるLINEのClova連携については、ゲストとして登壇したLINE Clova事業企画室 Clovaオープンプラットフォーム企画チーム プロダクトマネージャーの小城久美子氏が説明。
「LINEにとってXperia Ear Duoとの連携には2つのチャレンジがあった。1つは、これまでClovaデバイス(Clova WAVEなどのスマートスピーカー)は自社開発のものだったが、初めてソニーモバイルコミュニケーションズのハードウェアから呼び出すこと。もう1点はウェアラブルへのClova搭載で、外出先からもClovaを操作できるようになる。新しいユーザー体験は未来を感じさせ、ワクワクしながら開発を進めてきた。ランニングに合ったLINE MUSIC音楽をClovaからレコメンドしたり、通勤の駅へ向かう途中でLINEニュースを読み上げるなど、Xperia Ear DuoとClovaの相性はいい」と述べた。
ソニーモバイルのコンパニオンプロダクト営業部 ビジネス企画課の黒川直通 統括課長は、左右分離の完全ワイヤレスイヤフォンの市場が、'17年12月に昨年比約20倍まで伸びるなど、拡大を続けていることを紹介。「ケーブルから解き放たれるストレスレスなリスニングスタイルの需要が拡大している」という。
ソニーグループとしては、1979年にウォークマンで音楽を持ち出すことを提案してから、初のネックバンド型や、ハイレゾなど、様々なリスニングスタイルを提供してきたことを振り返り、今回のXperia Ear Duoで、「左右のケーブルから解き放つだけでなく、周囲と遮断されて会話ができないストレスからも解放する」とした。
販売促進の一環として、アスリートやアーティストとも協力。ボクシングの現WBC世界ライトフライ級王者である拳四朗選手が協力し、トレーニング時のデュアルリスニングや装着性、約16時間のバッテリなどをアピールする動画をYouTubeに公開し、15日からは渋谷モディの「ソニービジョン渋谷」でも放映する。
グループチャットのAnytime Talk機能に関する動画も公開。ダンサーの動画やインタビューなどを掲載する「DanceFact」や、声優+ダンスユニット「A+DF」と協力し、5人のメンバーでチャットする利用体験などを紹介している。
Amazonで購入 |
---|
Xperia Ear Duo XEA20 |