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キヤノン、ラグビー日本代表戦を8K/HDR撮影して衛星伝送&上映。既存4K機器も活用

 キヤノンは、6月9日に行なわれたラグビー日本代表の試合において、カメラなどの同社製入出力機器を用いた8K映像の伝送実験に成功したと発表した。

8K映像の伝送実験フローと、実証実験の様子

 8K映像の伝送実験は、6月9日に大分銀行ドーム(大分県大分市)で開催された「リポビタンD チャレンジカップ 2018」の日本代表対イタリア代表の試合において、キヤノンとパートナー企業が協力して行なわれた。

 キヤノンが開発した8Kカメラ/レンズで撮影したライブ映像を衛星伝送し、東京都大田区のキヤノン本社で8K/HDRディスプレイと4K/HDRプロジェクタ4台を使って8K映像として上映することに成功。「入出力ともにキヤノンの4K、8K機器を用いることで、広いダイナミックレンジと広色域の表現豊かな映像の撮影、および離れた場所で臨場感あふれるライブ映像の視聴を実現した」としている。

 従来の8K映像の伝送は、8K専用のエンコーダ/デコーダを使って圧縮した映像信号を光専用回線などで伝送していたが、今回の実験ではパートナーの協力により、既存の4Kエンコーダ/デコーダ4台セットで圧縮した映像信号を衛星回線で伝送。現行の4K機材も活用した8K映像伝送の実現により、今後スポーツイベントの多拠点でのパブリックビューイングなどにも、臨場感のある8K映像の利用シーンの拡大が期待できるという。

 同社は、様々な視点や角度からの競技観戦を可能とする「自由視点映像生成システム」や、視野を覆う大画面に高精細な映像でスタジアムにいるかのような臨場感を提供する「映像空間ソリューション」なども開発している。今後も臨場感・没入感を体感できる映像技術の開発を通じ「ラグビーワールドカップ 2019 日本大会」などのスポーツ観戦の魅力の向上に貢献するとしている。