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ソニー、4K有機ELテレビやSignatureオーディオ、Xperia XZ3発表。「人に近づく」製品へ
2018年8月31日 07:21
ソニーは、「IFA 2018」の開幕前プレスカンファレンスを開催。有機ELテレビ「AF9シリーズ」やノイズキャンセリング対応ヘッドフォン「WH-1000XM3」、Signatureシリーズのオーディオプレーヤー「DMP-Z1」、スマートフォン「Xperia XZ3」などの製品を発表した。
吉田憲一郎社長兼CEOは、「人に近づく(Getting Closer to People)」という経営の方向性を示し、映像や音楽などのクリエイター、それらを楽しむユーザーのそれぞれにもっと近い存在となることを目指すと説明。
クリエイターが追求するリアリティをユーザーへ届けるために重要になるポイントとして、“リアルタイムの価値”を提示。「伝えたい瞬間を、遅延なくストリーミングすること」や、「マルチプレーヤーでオンラインゲームを友人と楽しむ」など、リアルタイム性を活かすため、5G高速通信技術が新たな機会をもたらし、リアルタイムに関連する技術がオーディオ&ビジュアルで重要になることを示した。
特にリアルタイム性を活かせるエンターテインメントとしてはスポーツを挙げた。デジタルカメラα9の高速連写により貴重な一瞬をとらえられることや、3板センサーの8K業務用カメラシステムで120fpsやHDRで撮影できることなどを紹介。さらに、サッカーのゴールなどでビデオ判定に使われる「ホークアイ」システムなどで、スポーツ分野に貢献するとした。
その他にも、オリンパスと協業する医療分野や、イメージング/センシングを活かせる車載分野などに、ソニーの技術投入を続ける意向を示した。
最後に“スペシャルフレンズ”として紹介したのが、欧州では初披露となるaibo。「AIやロボティクスなど先端技術を投入し、人とテクノロジーを感情レベルでつなぐ、新しいリアルタイムエンターテインメントを実現する存在」とした。
クリエイターの意図を忠実に再現するテレビやオーデイオ製品
テレビとオーディオの新モデルを紹介したのは、ホームエンタテインメント&サウンド事業担当の高木一郎専務。「最新の映像/音響技術を投入した最高品質のプロダクトで、吉田氏の示す『人に近づく』ことを実現するという。
テレビはフラッグシップの「MASTER SERIES」として、7月に米国で発表した4K有機EL「AF9」シリーズと液晶「ZF9」を発表。いずれも次世代高画質プロセッサ「X1 Ultimate」を搭載し、従来比2倍のリアルタイム画像処理能力を実現。有機EL/液晶それぞれのパネルの特徴を引き出し、現実世界に近い深い黒や、耀きを表現可能としている。欧州では9月に発売し、有機ELは65型が3,999ユーロ、55型が2,999ユーロを予定。液晶は75型が4,999ユーロ、65型が2,999ユーロを予定している。
両シリーズの特徴として紹介したのは「Netflix Calibrated Mode」。名前の通り、Netflixのストリーミング映像を最適に表示するように自動で調整するもので、「クリエイターが持っている意図に近づけるもの」とした。
音響関連でも、アーティストやクリエイターの意図をより充実に伝える製品として、マイクのC-100シリーズや、新製品となるステージ用モニタリング向けイヤフォン「IER-M9」を紹介した。
ヘッドフォン/アンプの最上位であるSignatureシリーズには、新たに「据え置き型プレーヤー相当の音質を持ち運んで聴ける」というバッテリ内蔵のデジタルオーディオプレーヤー「DMP-Z1」と、これまでのイヤフォンで実現できなかった広い音場感などを実現したという「IER-Z1R」が加わった。香港のイベントで8月に発表されていたもので、欧州ではプレーヤーを12月以降に英/仏/独で8,500ユーロ、イヤフォンは11月以降に2,200ユーロで発売する。
ノイズキャンセリングヘッドフォン最上位モデル1000Xシリーズも進化。第3世代となる「WH-1000XM3を欧州で9月以降に発売し、価格は380ユーロ。ノイズキャンセリングプロセッサー「QN1」を搭載し、ノイズ低減の性能が向上。飛行機など低域のノイズだけでなく、人の声や雑踏など中高域のノイズも大幅に低減するという。約20gの軽量化も行なった。
有機EL採用のXperia XZ3で、コンテンツへの没入感を向上
ソニーモバイルコミュニケーションズの岸田光哉社長は、スマートフォンのフラッグシップファミリーの新たな一員として「Xperia XZ3」を披露。Xperia初の有機EL搭載モデルで、曲面ガラスのデザインや、側面をタップしてよく使う機能を呼び出せる新たなユーザーインターフェイス「サイドセンス」などを紹介。欧州では今秋以降に発売する。
新しいディスプレイなどで実現するのが、イマーシブ(没入型)エンタテインメント。テレビの有機EL BRAVIAなどの技術をスマホ向けに最適化したほか、音量を強化したステレオスピーカー、音に合わせて画面が振動する「Dynamic Vibration System」などによりコンテンツへの没入感を向上。「今まで培ってきた技術を活かし、クリエイターが意図したコンテンツをユーザーに届ける」とした。