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TAD、ME1とマッチする135万円の2chパワーアンプ「TAD-M1000」

テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TAD)は、Evolutionシリーズの2chパワーアンプ「TAD-M1000」を9月下旬に発売する。価格は135万円。カラーはブラックとシルバーを用意する。

「TAD-M1000」ブラックモデル

Evolutionシリーズは、ハイレゾなどに対応しながら、革新的な技術も取り入れ、Referenceシリーズよりも価格を抑えた製品群として2011年のスピーカー「TAD-E1」からスタート。2016年には1台50万円のブックシェルフスピーカー「Micro Evolution One TAD-ME1」も発売。ME1は、ユーザー層の拡大を果たしたが、「ME1とマッチする価格帯で、TADのパワーアンプが欲しい」というユーザーの声を受けて開発したのが「TAD-M1000」となる。

シルバーモデル

TAD-M2500MK2で培った独自技術を継承・進化させ、プレーヤーの「TAD-D1000」や、DACの「DA1000」などのソース機器とのデザイン統一も図った。なお、同日にはEvolutionシリーズのフロア型スピーカー「TAD-E1TX」も発表されている。この製品は別記事で紹介する。

定格出力500W×2ch(4Ω/2ch同時駆動)のステレオパワーアンプ。3つの対称性にこだわっており、増幅回路は入力から出力段まで、完全に独立した2台のアンプをバランス接続したBTL方式を採用。電源回路も正負で対称になっているだけでなく、電源トランスから整流回路、平滑回路、安定化回路など、すべての回路をL/Rで独立設計としている。

筐体の構造も対称。電源トランスの配置、基板のパターン構成、配線長なども対称性を重視。ステレオパワーアンプだが、デュアルモノ構成になっている。

3つの対称性にこだわっている

振動制御技術として、Referenceシリーズを踏襲したスパイク内蔵型インシュレーターを採用。3点支持構造になっており、床からの振動の影響を低減したISOマウントを実現。スパイクはクロモリ鋼、スパイクベースには特殊鋼を使っている。スパイク内蔵型とする事で、荷重ポイントの明確化など、アイソレーション性能を強化。音の情報量、力強さ、空気感を向上したという。

スパイク内蔵型インシュレーターを採用

さらに、ラックにマウントした際に、アンプに接続したスピーカーケーブルへのストレスを軽減するため、Referenceシリーズで採用している大型スピーカーターミナルを採用。太いケーブルにも対応できる。

大型スピーカーターミナルを採用
背面

出力段は、リード端子を排除し、超低オン抵抗を誇るパワーMOSFETを使ったクラスDタイプ。電力利用効率90%以上を達成している。シンプルなシングル構成であるため、シャープな音質になったという。

電源部は、スイッチングではなくアナログ電源。スイッチングノイズの影響が生じない、トランスドロッパー方式で、電源のSN比を高めている。高品位オリエント材を使った、4kVAクラスのトロイダル電源トランスは、一次、および二次側巻線を結合させる事で、エネルギー変換ロスを低減。専用に開発された、33,000μFの電解コンデンサと、高速ショットキーバリアダイオードで整流回路を構成。クラスDアンプが持つスピード感のある音質を支えている。

2台のM1000を用意し、それぞれをモノラルとして扱うバイアンプ機能も搭載。ユニット間での干渉を排除し、セパレーションの向上が図れる。

SN比は112dB以上。周波数特性は5Hz~50kHz。定格歪率は0.05%以下。消費電力は250W。外形寸法は440×479×148mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は29kg。

バイアンプ機能も搭載