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スカパー、レーザー網膜投影で視力問わず観られる放送実現へ
2018年10月24日 14:05
スカパーJSATは、QDレーザの網膜投影技術「VISIRIUM Technology」(ビジリウムテクノロジー)を用いたロービジョン向け放送視聴サービス提供への取り組みを開始。11月1日~3日に東京・すみだ産業会館サンライズホールにて開催される視覚障がい者向け総合イベント「Sight World」に、デモシステムを初出展する。
スカパーJSATでは、より広い領域でのエンターテイメントを提供するLIFE事業の一環として、ロービジョン(視機能が弱く、矯正もできないが全盲ではない視覚障害)向けのスカパー!放送サービスの技術を検討。QDレーザと共に重ねてきたという。今回、一定の実証を完了し、デモシステムの出展に至った。
VISIRIUMテクノロジーは、QDレーザが研究・開発を進める超小型レーザプロジェクタによる網膜投影技術。超小型プロジェクタからの微弱なレーザー光は瞳孔の中心でいったん収束し、網膜へと投影される。この方式は眼のレンズである水晶体の状態に影響を受けにくく、視力やピント位置に関係なく、眼鏡やコンタクトレンズをしていなくてもボケのない映像を見ることが可能。
目に映っている風景の上に、デジタル映像を直接上書きすることができるため、従来の仮想スクリーン方式で生じがちな実風景と投影映像のピントずれが起きないAR体験も実現。「見る」行為を妨げることなく、視界にデジタル情報が融合する新しい体験が可能とする。視力(ピント調節能力)によらず映像を見られるため、ロービジョン以外の人も利用できる。なお、VISIRIUMテクノロジーは、「RETISSA Display」として既に市販化されている。
Sight Worldは、視覚障がい者に特化した、世界にも類を見ない総合イベント。日常生活に便利な機器や、最先端テクノロジーを用いた未来に繋がる製品などを紹介する展示と共に、視聴障害に関わるシンポジウム、講演会、体験会が開催される。