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パナソニック、世界初8K有機センサー搭載の小型8Kカメラ

パナソニックは、世界初の8K有機センサーを搭載したカメラシステムを開発。8Kマルチパーパスカメラ「AK-SHB810」とイメージプロセッシングユニット「AK-SHU810」で構成し、2019年秋の発売を予定。11月14日~16日に幕張メッセで開催される「Inter BEE 2018」に参考出展する。なお、受注から納品までは約半年の期間を要する。

8Kマルチパーパスカメラ「AK-SHB810」

8Kマルチパーパスカメラ「AK-SHB810」は小型軽量のボックスタイプカメラで、世界初となる8K有機センサーを搭載。有機薄膜を光電変換部に用いた積層構造により、効率的な光電変換と電荷蓄積を両立している。8Kの高解像度で明暗差に対応する広ダイナミックレンジ、スキュー歪みやフラッシュバンドの無いグローバルシャッター、電子NDフィルター機能を実現している。PLレンズマウントを搭載する。

カメラユニットと光ファイバーケーブルで接続するイメージプロセッシングユニット「AK-SHU810」からは、8K/4K/HDの映像出力が可能。高画質な8K映像と小型軽量なマルチパーパスカメラの汎用性により、放送と映像制作の幅広い用途に対応するという。

イメージプロセッシングユニット「AK-SHU810」

カメラに搭載する新開発の有機センサーは、光電変換部に有機薄膜を用いることで、電荷蓄積部を下層に配置した積層構造を実現。それぞれが完全に独立した構造により、光電変換と電荷蓄積を効率的に両立させている。光電変換部は受光部の面積が拡大、明暗差に対応した広ダイナミックレンジを実現。スタジアムで日差しの強いフィールドと日陰になる観客席といった明暗差の大きなシーンでも、8K高解像度で撮影可能になる。

従来のCMOSセンサー(左)と新開発の有機センサー(右)

電荷蓄積と読み出しの効率化により、全画素を同時露光するグローバルシャッターを搭載。ローリングシャッターモード時のスキュー(高速で動く被写体でスキュー歪みが発生する現象)や、フラッシュバンド(露光中のフラッシュにより画面の上下で明暗差が生じる現象)がない、正確な撮像を可能にした。なお、グローバルシャッターはシャッタースピード1/120より高速の場合のみ動作する。

有機センサーは、有機薄膜に加える電圧を制御することで感度を変更可能。電子NDフィルターは連続的な無段階の感度設定が行なえ、撮影の自由度が向上している。

グローバルシャッターを搭載