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135種類のサウンドが選べるイヤフォン、琥珀のような左右分離型も
2018年10月27日 18:38
東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催する「秋のヘッドフォン祭 2018」が、10月27日(土)と28日(日)の2日間、東京・中野の中野サンプラザで開催中。ここでは、Shureやオンキヨー&パイオニア、アユートなどのブースをレポートする。
アユート
アユートのブースでは、Astell&Kernブランドから10月20日に発売された新オーディオプレーヤー「A&ultima SP1000M」(直販価格税込299,980円)の試聴機を多数用意。最上位プレーヤー「A&ultima SP1000」のサウンドクオリティを可能な限り維持しつつ、小型軽量化によるポータビリティを強化したモデルとなる。
また、16日に「A&ultima SP1000」、「A&ultima SP1000M」、「A&futura SE100」の3機種において、ファームウェアをアップデート。音楽ストリーミングサービス「Deezer」アプリを追加したほか、特定の音楽ストリーミングアプリ(Open APK)をデバイスにインストールできるOpen APP Serviceの機能が追加された。自己責任となるが、SpotifyやAWAなどのアプリのインストールが可能となっており、アプリを入れた実機も用意されている。
さらに、「A&norma SR15」のコラボモデル「A&norma SR15 ウマ娘 プリティーダービー Special Edition」の外観モックアップも展示。詳細がまだ発表されてないコラボだが、ボディ背面に印刷された描き下ろしのイラストなどを確認できる。
Astell&Kernとbeyerdynamicのコラボヘッドフォン新製品として、第2世代のテスラテクノロジーを搭載した密閉型「AK T5p 2nd Generation」も、初公開。世界限定1,000台と予告されている。
リングマグネット内に、1テスラ(1万ガウス)を超える強力な磁束密度を生み出し、従来のヘッドフォンの2倍以上の能率を実現するという、Beyerdynamic独自の「テスラテクノロジー」を進化させた。インピーダンスは32Ωで、スマートフォンとの組み合わせも想定。再生周波数帯域は5Hz~50kHz。音圧レベルは102dB。
既報の通り、アユートは11月1日から、FenderのイヤフォンやBluetoothスピーカーの取扱も開始。それに伴い、イベントでもFenderイヤフォンの新シリーズ「Pro IEM」と、Bluetoothスピーカーの「Monterey Tweed」も出展している。
Pro IEMシリーズは、「THIRTEEN 6」、「TEN 5」、「TEN 3」、「NINE 1」、「NINE」の5モデルで構成。ダイナミックとBAのハイブリッド構成になっており、NINEのみダイナミック型をシングルで搭載。全モデルをテネシー州ナッシュビルの「FENDER AUDIO DESIGN LAB」で設計されている。
MONTEREY TWEEDは、Bluetoothスピーカー「MONTEREY」を、Fenderのギターアンプからインスパイアされたツイードデザインにしたもの。アンティークな外観で、インテリア性も高い。
AZLAからは、現行イヤフォンの2モデル「AZLA MK2」と「HORIZON」を出展。参考出展として、HORIZON用のバランス対応のリケーブル(2.5mm、4.4mm)も展示する。
リケーブルメーカーのLuminox Audioからは、現行3シリーズ「Day for Night」、「Booster Blue」、「Reflection」に加え、日本未発売の3シリーズも「85Filter」、「Kilowatt」、「Night for Night」も参考出展している。
完実電気
完実電気では、これまでアユートが輸入代理店として扱っていたMASTER & DYNAMICの製品を、11月1日から取り扱う。それに伴い、日本で展開予定のMASTER & DYNAMIC製品をブースで紹介している。
1つは左右完全分離型のBluetoothイヤフォン「MW07」で、価格は39,900円程度の見込み。11月末頃の発売をイメージしている。宝石のような外観が最大の特徴で、手作業で研磨されたステンレススチールの充電ケースが付属する。
また、カメラメーカーの独ライカとコラボしたヘッドフォン「MASTER & DYNAMIC for 0.95」も取り扱う予定。
Shure
26日に発売を開始したばかり、同社イヤフォンのSEシリーズと接続できる、MMCX端子採用のBluetoothケーブル新モデル「RMCE-BT2」訴求している。独自設計のヘッドフォンアンプを採用するなど、より音質にこだわったモデルで、価格は18,800円。既存のBluetoothケーブル「RMCE-BT1」の上位モデルと位置づけられ、「SE846やSE535などのパフォーマンスを最大限に引き出す」という。BT1は併売される。
最大の特徴は、Bluetooth受信用チップセットに最初から搭載しているヘッドフォンアンプを使わず、チップセットの外部に、独自設計のプレミアムヘッドフォンアンプを搭載した事。ノイズや歪を大幅に削減し、イヤフォンが持つ、本来の周波数特性を忠実に再現できるという。Bluetooth 5.0に対応。コーデックは、SBC、AAC、aptX、aptX HD、aptX Low Latencyに対応。BT1はSBCのみだったが、大幅に対応コーデックが拡充された。
STAX
80周年記念モデルの第3弾となる静電型ヘッドフォン「SR-009 BK」が注目を集めている。12月13日に発売で、全世界180台の限定生産。価格は38万円。
2011年に発売され、現在の最上位ヘッドフォン開発の礎となった「SR-009」を、特別仕様のブラックモデルにしたもの。カラー以外の通常モデルとの違いは、ケーブル取り付け部にアニバーサリーモデル表記を印字している事。台限定生産であることを証明するシリアルナンバーラベルも備えている。
また、ハイエンドヘッドフォンアンプ「SRM-T8000」の新展開として、背面に備えているオプションボード用スロットに搭載できる、USB DACボードを試作。実際にT8000に組み込み、音を出すデモを行なっている。
DSD 5.6 MHz、PCM 384kHzまでサポート。同軸デジタル入力も搭載。背面のインジケーターで、現在どんなデータの音楽を再生しているかも表示できる。発売日や価格は未定。
ラトック
ラトックシステムのブースでは、ネットワークオーディトランスポート「RAL-NWT01」をベースに、「純粋に音楽を楽しむ」ことを目的に再設計したというネットワークDAC(仮称)「RAL-NWT02」を出展。
さらに、PC用の光学ドライブを内部に搭載し、振動などを抑えながらリッピングするための「リッピングケース」の上位モデル「RAL-EC5U3P」や高品質電源「RAL-PS0512P」を参考展示している。
いずれのモデルも、こだわりの電源部を搭載。さらに、振動対策や、振動しにくさを追求した筐体を採用している。カスタムパーツなども投入しており、価格は未定だが、「RAL-NWT02」や「RAL-EC5U3P」は20万円台をイメージしているという。
高品質電源「RAL-PS0512P」は、背後に5V、12V、5V+12Vの端子を設け、5Vを既存のUSB DAC件ヘッドフォンアンプの「RAL-DSDHA5」など、12VはNAS、5V+12Vは既存のリッピング用ケース「RP-EC5-U3AI」などに接続。前述の上位モデルよりは手頃で、既存モデルのクオリティを高めるための電源として提案している。
エミライ
エミライブースでは、27日に発表したばかりの米MrSpeakersの新しい平面駆動ヘッドフォン「ETHER 2」(11月発売/20万円台後半を予定)、ETHER FLOW/FLOW C 1.1などを紹介。
さらに、米HeadAmp Audio Electronicsのヘッドフォンアンプ「GS-X mini」など、ドライブするアンプの新製品も用意している。「GS-X mini」は2019年第1四半期に発売予定で、価格は20万円台半ばを予定。
さらに、FiiO Electronicsの新ハイレゾプレーヤー「M9」も出展。11月下旬発売で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は、34,800円前後。2.5mmのバランス出力を搭載し、DACチップにAK4490ENを2基採用、BluetoothコーデックはLDACやHWAもサポートするのが特徴。マルチタッチに対応した3.2型、480×800ドットIPS液晶ディスプレイ(LG製)を搭載する。
FiiOの小型USB DAC/アンプ「K3」も展示。USBバスパワーで駆動し、バッテリは内蔵しない据え置き型。
Noble Audio
WAGNUSでは、Noble Audioの「セミカスタムIEMシリーズ」を出展。12月より受注開始予定で、価格などは未定だが、フルカスタムのイヤフォンよりは低価格になる見込み。
ユーザーが選択したフェイスプレートと、ユニバーサルシェルを組み合わせ、中身のドライバーも全てハンドメイドで製作するという「セミカスタムIEM」。フェイスプレートの素材は、木材、特殊アクリル材、マザーオブパール、ハイブリッドオパールなどその時々にしか手に入らないプレミアム素材を予定。
ケーブルブランド「WAGNUS.」とコラボレーションし、ドライバーの内部ワイヤリング線材にはフラッグシップケーブルである「Sheepシリーズ」の線材を使用。3種類のケーブルからユーザーが選択できる。
オンキヨー&パイオニア
11月下旬発売予定の、ノイズキャンセリングワイヤレスヘッドフォン「S9 noise canceling wireless」と、ワイヤレスイヤフォン「C4wireless」を、発売に先駆けて試聴できるほか、クラウドファンディングが終了した約30万円の桐ヘッドフォン「SN-1」の試聴も可能。
SN-1のハウジングは、福島・会津地方の厳しい冬を超え、「年輪が詰まって、粘り強く、美しく育つ」という会津桐を使っている。老舗の斉藤桐材店がオンキヨーに協力し、伐採後に年月をかけて熟成させた材料を提供した。内部には伝統技法「綾杉彫り」が施されている。
ブースでは、TBSテレビの音楽番組「開運音楽堂」とコラボレーション。河内美里さんの新曲“ルーレット”ハイレゾ音源のフルバージョンの先行試聴も可能。この楽曲のために、ハイレゾプレーヤーの設計者であり、“両国のジーニアス”こと林佑二氏が考案・設定したプレーヤー、アンプ、DACなどを組み合わせた試聴システムが用意されている。プレーヤーのイコライザ機能を使い、この曲専用のイコライザ設定も用意するなど、こだわりのシステムだ。
飯田ピアノ
11月から、新たに日本国内総輸入代理業務を開始したIDIZS TECHNOLOGYの製品を紹介している。HIDIZSは2009年初頭に設立されたブランドだ。
ポータブルオーディオプレーヤー「AP80」と、ポータブルヘッドフォンアンプの「DH1000」をラインナップ。
さらに、中国HiBy Musicのハイレゾ対応ポータブルプレーヤー「HiBy R6」と「HiBy R3」も展示。
HiBy R6は、DACにESS製の「ES9028Q2M」を2基搭載。DSD 11.2MHzやPCM 384kHz/32bitなどの再生に対応。Snapdragon 425と、3GB RAMを備える。Android SRCを迂回するビットパーフェクト再生が行なえ、“ほぼ全てのAndroidアプリからロスのないオーディオ出力を可能にする”という。R6専用にカスタマイズされたアプリHiByMusic3.0を搭載する。ヘッドフォン出力は2.5mmバランス対応。
HiBy R3は、アルミ合金製シャーシのコンパクトモデルながら、DSD 11.2MHzやPCM 384kHz再生に対応。DACはESS ES9028Q2M。ヘッドフォン出力は2.5mm 4極バランス。
なお、HiByとMQAの間にパートナーシップが締結され、「HiBy R3」の新ファームウェアにより、MQAに対応する事もアナウンスされている。
さらに、HiBy R6から、バランスヘッドフォン出力を4.4mm 5極にした「HiBy R3 Pro」も参考展示している。水晶発振子や内部パーツもアップグレードされているとのこと。
LUXURY&PRECISION
サイラスは、LUXURY&PRECISION(楽彼)のポータブルプレーヤー「L4」を出展。10月27日発売で、価格はオープンプライスで、店頭予想価格は10万円前後。シーラス・ロジック製DAC「CS43198」を搭載。PCMは384kHz/32bitまで(32bitはWAVのみ)、DSDは最大11.2MHzまでのネイティブ再生が可能。micro USB端子も備え、96kHz/16bit対応のUSB DACとしても利用できる。6種類のイコライザ機能や5種類のデジタルフィルタを備える。
同じく、10月27日発売のフルバランス回路採用モデル「L6」や、標準ジャック搭載で天然木材バックパネルなど高級感にもこだわった「LP5 Ultra」も出展。どちらも価格はオープンプライス。店頭予想価格は、L6が20万円前後。LP5 Ultraが27万円前後。
L6は、日本未発売で限定生産のフラッグシップモデル「LP5 LTD199」の音響回路を利用し、より使いやすい形にしたというプレーヤー。MIL規格準拠のコンデンサやクリスタルオシレータを採用し、音質を高めたほか、デジタル部に黄銅(真鍮)メッキカバーを採用したことでノイズを抑制しているという。
LP5 Ultraは、LP5 LTD199のマスプロダクションモデルで、出力として6.3mmのステレオ標準(アンバランス)と、3.5mmミニのライン出力、RCAの同軸デジタルを各1系統を搭載。天然木材のバックパネルと金メッキに黄銅(真鍮)のボディで高級感を高めている。