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パナソニック、Dolby Vision/4Kチューナ内蔵テレビ「GX850」。AI HDRリマスターも

パナソニックは8日、Dolby Visionに対応し新4K衛星放送チューナーを内蔵した4K液晶テレビ「VIERA GX850」シリーズを発表した。発売日は1月25日で、43型のみ2月22日より発売する。ラインナップは、43/49/55/65型の全4モデル。価格はオープンプライスで店頭予想価格は、43型の「TH-43GX850」が17万円前後、49型「TH-49GX850」が19万円前後、55型の「TH-55GX850」が25万円前後、65型「TH-65GX850」が33万円前後。

VIERA GX850シリーズ

2018年2月発売の「VIERA FX750」シリーズの後継機。同時発表の「VIERA GX750」シリーズと合わせ、新4K衛星放送チューナーを内蔵した初の4K VIERAとなる。倍速の4K高輝度IPSパネルや映像エンジン「ヘキサクロマドライブ」、吸着機能付き転倒防止スタンドなどの基本仕様は前モデルを踏襲しながら、Dolby Vision/Atmos対応やAI技術を使ったHDR最適化処理など、クオリティ面の強化を図っている。

コントラストと精細感の向上。VIERA初のDolby Vision対応

43/49/55/65型の全モデルで、解像度3,840×2,160ドットの4K高輝度IPSパネル(倍速)を採用する。リビングなどの明るい環境下でも高いコントラスト感を維持しながら、上下左右178度の広視野角を実現。複数人が一度に視聴する場合や、視聴ポジションが正面で無い場合でも、高画質が楽しめるとしている。

VIERA TH-43GX850
VIERA TH-49GX850

高精度な色補正回路を備える映像エンジン「ヘキサクロマドライブ」を引き続き採用。従来同様、広い色域情報を持つ4K映像本来の色を忠実に再現しながら、リアルな質感表現を実現するという。

これに加えてGX850では、コントラストと精細感の向上が行なわれている。コントラスト向上には、SDR映像をHDR品位にグレーディング表示する「AI HDRリマスター」技術を投入。SDR/HDR両方の素材を機械学習させて“SDR→HDR変換アルゴリズム”を生成、信号をシーン毎に明るさ情報を解析することで明暗の映像処理の精度を上げて高いコントラスト映像を作り出す。このシーン解析型HDR処理により、例えば、太陽が照りつける浜辺はより明るく、サッカー場のピッチはよりコントラストの高いHDR化処理が行なわれる。

Ai HDRリマスターのイメージ

AI HDRリマスターと合わせて、Wエリア制御(バックライトエリア制御+エリアコントラスト制御PRO)の進化による明るさと明暗表現も向上。今回、微小エリアに対する輝度情報解析の信号処理部分を見直すことで、小さいエリアでの明るさ不足を解消。暗部から明部まで豊かに再現し、高コントラスト化に貢献しているという。

Wエリア制御のイメージ

精細感の向上では「素材解像度検出 4Kファインリマスターエンジン」を導入。入力された映像信号のオリジナル解像度を判別して、ディテール処理を最適化させた。これまでの部分解析に加えて素材判別を加味することで、より高精度なノイズ・ディテール処理が可能になり、精細感向上を実現している。

VIERA TH-55GX850
VIERA TH-65GX850

VIERA初となるDolby Visionに対応。Ultra HD Blu-ray(UHD BD)のHDR10方式、4K放送やビデオカメラなどに採用されているHLG(ハイブリッドログガンマ)方式、一部UHD BDなどで採用が始まったHDR10+方式もサポートするなど、4種類のHDR方式に対応している。

なおHDR10+に関しては、高品位なHDR体験を保証したモデルに与えられる「HDR10+ 画質認証」となっている。

Dolby VisionとHDR10+(画質認証)に対応
HDR明るさ設定メニュー

倍速パネルの採用と合わせ、オブジェクト検出を使った倍速処理機能を追加した。映像の中なら、動き量を元に被写体を検出。背景と被写体を分離、境界線を認識させることで画面全体の速い動き(ラグビーや陸上映像)や、小さい物体の速い動き(ゴルフや野球映像)にも、クリアな倍速処理を実施。スポーツ映像などで、滑らかかつクッキリとした描写に寄与するとしている。

オブジェクト検出 倍速処理のイメージ

4Kチューナー初搭載。リモコンにAbemaTVダイレクトボタン

新4K衛星放送チューナーを1基、地上/BS/110度CSデジタルチューナーも3基搭載する。別売の外付けUSB HDDを接続することで、4K放送の録画や2K放送の“W裏録”が行なえる。4K放送の録画中は、2K放送の録画はできない。2K放送の録画番組は、「お部屋ジャンプリンク」機能を使って別部屋のテレビで視聴したり、専用アプリ「Panasonic Media Access」で宅外からスマートフォンやタブレットで視聴できる。

番組やコンテンツ視聴を妨げずに、テレビ画面下部に接続機器やアプリ一覧が呼び出せるインターフェイス「かんたんホーム」を引き続き採用。新モデルでは予め、ホーム画面トップに各種映像配信サービスが登録されており、VODへのアクセスがいっそう簡素化された。

ホーム画面トップに各種映像配信サービスがプリセットされている

AbemaTVに新対応し、リモコンにAbemaTVのダイレクトボタンが搭載された。この他、Netflix、dTV、Amazonビデオ、アクトビラ4K、ひかりTV 4K、デジタルコンサートホール、YouTube、U-NEXTなどの映像配信サービスに対応する。

「アレコレチャンネル」も引き続き採用。リモコンのアレコレボタンを押すと、テレビ放送や録画番組、VODなどが一覧表示され、放送やVODなどを意識せずに見たいコンテンツを横断的に探すことができる。従来のNetflix、dTV、YouTubeに加えて、新たにU-NEXTとAbemaTVが追加された。視聴履歴から「おすすめの録画」や「おすすめの番組」なども表示できる。

アレコレチャンネル
Netflixに加えて、AbemaTVのダイレクトボタンが搭載された

Googleアシスタント対応のスマートスピーカーから音声で操作できる機能を新たに搭載。パナソニックのスマートフォンアプリ「TVシェア」を使って、テレビの基本操作やスマホ内の写真・動画・音楽をビエラにシェアすることができる。

立体音響Dolby Atmos対応。転倒防止スタンドも改良

最大出力30W(15W×2)の高出力アンプとスピーカーボックスの「ダイナミックサウンドシステム」に加えて、立体音響が楽しめるDolby Atmosにも対応した。UHD BDやVODなどの一部コンテンツに収録されているDolby Atmos音声を、VIERA本体のスピーカーだけで立体サウンドを擬似的に再現。地デジなどのステレオ音声の場合でも、アップミックス技術を使って立体的なサウンドに変換されるという。

Dolby Atmos対応。本体スピーカーで立体音響を再現する
Atmos化するアップミックス「Dolbyサラウンド」も搭載
音場イメージ

前モデルで採用された“地震に強い”「吸着機能付き転倒防止スタンド」も引き続き搭載。スタンド前面の吸着操作スイッチでスタンド底面の吸盤が接地面に吸着し、強い揺れでも倒れにくい独自構造を採用した。

GX850シリーズでは、吸着操作スイッチが隠せるスタンドカバー構造となっており、スタンド部分の見た目にも配慮したデザインになっている。

スタンドカバーを外した状態。中央部分に吸盤操作スイッチが見える
スタンドカバーを装着した状態

HDMI入力端子は4系統で、全系統で18Gbps入力に対応する(前モデルは2系統のみ)。ほか入力はコンポジット×1、アナログ音声×1を用意。出力端子は光デジタル音声×1とヘッドフォンで、LAN端子やUSB×3を備える。USB1端子のみUSB 3.0に対応する。

消費電力と年間消費電力量は、43型が155Wで118kWh/年、49型が162Wで130kWh/年、55型が176Wで136kWh/年、65型が193Wで148kWh/年。

スタンドを含めた外形寸法/重量は、43型は96.6×24.8×61.9cm(幅×奥行き×高さ)/約17kg、49型が109.9×24.8×69.4cm(同)/約20.5kg、55型が123.5×24.8×77cm(同)/約24kg、65型が145.4×31.9×89.4cm(同)/約35.5kg。

リモコン