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Netflix快適視聴の“推奨TV”に新基準。BRAVIAとVIERA 6シリーズ認定

テレビでNetflix作品を観る際に、快適な視聴体験ができることを認定する「Netflix推奨テレビ」の新たな評価基準がスタート。テレビのスリープ中もバックグラウンド動作でユーザーに最新情報を提供できる「Always Fresh」の項目が加わり、国内テレビはソニーBRAVIA「A9G」や、パナソニック「GX850」など計6シリーズが新基準をクリアして認定された。

Netflix推奨テレビのロゴ

Netflix推奨テレビは、多くの人がテレビ画面で快適な視聴体験ができるようになることを目的に2015年よりロゴプログラムが開始。「より速い起動」、「より簡単な操作」、「より快適な試聴」という3つの評価軸で、独自の審査基準に基づいて市販のスマートテレビをNetflixが認定。基準をクリアした認定テレビには「Netflix推奨テレビ」のロゴが使用でき、店頭などでの製品選びに活用できる。

Netflix推奨テレビは高速に起動して目的のコンテンツにアクセスしやすい
アニメーションGIFで比較(26.84MB)

この審査項目が2019年に新しくなり、「Always Fresh」を加えた7項目を用意。これらのうち5項目を満たすと推奨テレビとして認定される。

新項目のAlways Freshは、テレビがスリープ中(電源はONの状態)でもバックグラウンドでNetflixのUIを読み込み、最新の映画やドラマがすぐに楽しめるようにするというもの。この項目をクリアしたテレビは、Netflixを終了した後も、新コンテンツの追加や、機能のアップデート、アルゴリズムの更新、スマホなど他デバイスで登録したお気に入り作品などが、次回Netflixを起動したときにすぐテレビ画面に表示され、すぐに作品を視聴できるという。

日本で販売されているテレビのうち、'19年6月時点で新基準に適合しているNetflix推奨テレビは、ソニーが6月より発売しているBRAVIAの有機EL「A9G」、液晶「X9500G」、「X8550G」、「X8500G」、パナソニックが1月から発売したVIERAの液晶「GX850」と「GX750」の計6シリーズ。

ソニー「BRAVIA A9G」の77型
パナソニック「VIERA GX850」シリーズ

Netflixは、上記機種以外にも、年間を通して新製品発表や最新アップデートを検証。新たにNetflix推奨テレビに指定されたモデルを追加していく予定。なお、昨年まではLG製テレビも11モデルがNetflix推奨だったが、今年の新基準では現時点で認定されていない。

【Netflix推奨テレビの審査項目】

より速い起動

テレビのインスタント起動
テレビが3秒以下で起動すると同時に、電源wの切る前の状態を記憶。いつでもアプリを楽しめる状態を保つ
迅速なアプリ起動
テレビの起動後または他アプリからの切り替え後でも、Netflixアプリを素早く起動できる

より簡単な操作

Netflixボタン
リモコンのNetflixボタンを1度押すだけでテレビの電源を入れると同時に、すぐにNetflixを利用できる
Netflixアイコンのアクセス性
テレビのメニュー画面から、Netflixアプリを簡単に見つけることができる

より快適な視聴

Always Fresh(2019年新基準)
スリープ中もバックグラウンドでNetflixのUIを読み込む。いつでも最新の映画やドラマがすぐに楽しめる
高画質なNetflixインターフェース
Netflix上で作品をブラウジングする際にも、鮮明なテキストと高画質(1080p)な映像を楽しめる
最新バージョンのNetflixアプリ
最新機能を備えたNetflixの最新バージョンが搭載されている

Netflixがテレビ視聴体験に注力する理由。他の動画サービスも快適に?

新基準の開始に際し、Netflixのパートナー・プロダクト部門ディレクターを務めるブレイディ・ガンダーソン氏が、Netflix推奨テレビの導入背景と、新しい基準について説明した。

Netflixのパートナー・プロダクト部門ディレクターを務めるブレイディ・ガンダーソン氏

推奨プログラム導入以前も、スマートフォンなどを使ったNetflix視聴は、アプリの進化に伴い機能や快適さの向上が図られてきた一方、テレビを使った視聴は、操作性などに対して要望が多く、視聴体験を向上する必要性があったという。

そこで、Netflixはテレビメーカーなどデバイスのパートナーと協力することで視聴体験を向上することを目指してコラボレーションを強化。以前は、例えばインターネット接続が高速でも、テレビアプリの立ち上げや、メニューからすぐに作品が見つかるかなどの快適さは、スマホほどではなかったため、デバイスパートナーとの連携で改善に取り組んできたという。

Netflixが設けた上記の評価/測定基準はパートナーのメーカーに開示された後、各社が約1年を掛けて達成に向けて取り組み、その後Netflixが自社で各製品が店頭に並ぶ前に審査を実施。同社ラボにおいて、ネット接続など全く同じ環境下でテストを行ない、クリアしたモデルのみ推奨テレビとなる。なお、ネット接続はWi-Fiを使う家庭が多いことから、このテストでも有線ではなくWi-Fiを使っている。

このプログラムには2つの狙いがある。1つは、各パートナーのテレビでの視聴体験を向上するための努力の目標となること。もう1つは、コンシューマーが製品選びの際に、ロゴを見て判断できる基準として浸透することだという。

新項目のAlways Fresh導入に際し、本当に便利かどうかを確認するためテストを実施。Always Freshを有効にして使った人とそうでない人で比較したところ、Always Freshを体験した人の方がNetflixのコンテンツを多く視聴したという。そこで実際に新基準として項目に加えられた。

なお、ソニーのBRAVIA MASTERシリーズで昨年より対応した「Netflix画質モード(Netflix Calibrated Mode)」は、Netflixとパートナー企業が個別に協力したものであり、メーカー共通基準であるNetflix推奨テレビとは別の取り組みとなる。

2019年の推奨テレビに、これまで認定されてきたLG製品がないが、これについてガンダーソン氏は「もちろんいいパートナーではあるが、テスト時にはブランドは見ていない。共通の基準で評価している」と説明している。

この取り組みを進めることで、Netflixの視聴体験を向上させることが最大の目的ではあるが、結果的には「Netflix以外の動画配信サービス利用時も、立ち上げ時間などの総合的な性能がアップすることで快適に使えるのでは」としている。