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ESS、MQAのハードウェアレンダリングができる世界初のDACチップ「ES9068Q」

ESS Technologyは米国時間3日、世界初となるMQAのハードウェアレンダリングが可能なオーディオ用DACチップ「SABRE ES9068Q」を発表した。サンプルと評価用ボードを、CES 2019に出展する。

同社オーディオ用DACチップ「SABRE DAC」シリーズの最新機種。高性能なデスクトップ/ポータプル用オーディオ機器などへの搭載を想定し、MQAレンダリングをハードウェア上で実現することで、コストを抑えながらより簡易なMQA再生を実現している。

MQAは、英Meridianが開発したハイレゾ音声形式であり、非圧縮ファイルと比べデータ容量を大幅に削減しながらもマスター同等のクオリティを再現できるとされるコーディング技術。

MQAの展開プロセスは、コアデコードとレンダリングの2段階。ESSでは「後者のレンダリング品質はDACの出力フィルターに依存し、DACと密接に連携して実行する必要がある。通常は手動で調整する必要があるが、ES9068Qは自動的にMQAストリームを検出してレンダリングを行なうことで、全ての調整が自動的に処理され、プロセス全体で追加の設計作業は必要ない」としている。

SABRE DACアーキテクチャをベースに、DA変換における過渡応答特性やTHDのリニアリティを高める独自のHyperStream II技術を搭載。既発のDACチップ「ES9018K2M」「ES9028Q2M」「ES9038Q2M」が持つ機能をアップグレードする用途にも使えるという。

ダイナミックレンジは128dBA、全高調波歪は-120dB THD+Nを実現している。また最大768kHz/32bitのPCM、DSD 1024、DoP、SPDIF、およびMQAを含む幅広い入力フォーマットをサポートする。

マイク入力機能を備え、USBヘッドセットにも使用可能。またMQAの音楽データをストリーミングするワイヤレスシステムも作成可能とする。