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シャープ、TVを重低音+振動で楽しむ肩のせスピーカー。送信機付きで約3万円
2019年2月27日 11:00
シャープは、ネックバンド型のワイヤレススピーカー「AQUOSサウンドパートナー」の上位モデルとして、低音を強化し振動機能も備えた「AN-SX7」を3月16日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は3万円前後。
テレビなどの音声を、ヘッドフォンを使わず大音量で聴けるネックバンド型のBluetoothスピーカー。'18年11月に発売した「AN-SS1」(実売14,000円前後)に比べて大型のユニットや新たな機構を採用し、重低音などの音質を強化。“ながら聴き”中心のAN-SS1とは異なり、映画や音楽などに集中する“没入派”向けの製品として提案する。テレビなどから音声入力するBluetooth送信アダプタもセットとなっている。
スピーカーユニットのサイズは32mm径で、既存モデルのSS1に比べ大型化。SS1は耳のすぐ近くの場所にユニットを内蔵しているが、新モデルのSX7は前方に配置したことで、自然な聴こえ方を実現したという。
Bluetooth 5.0対応で、コーデックはSBC/AACに加えaptXやaptX Low Latencyもサポート。映画などで音声の遅延を抑えて聴ける。対応プロファイルはHSP/HFP/A2DP/AVRCP。マイクも内蔵し、スマホのGoogleアシスタントやSiriも利用可能。
迫力の重低音と振動により臨場感を高めるという独自の新機構「ACOUSTIC VIBRATION SYSTEM」を搭載。ネックバンド内部に、蛇腹構造と円筒状のおもりを使った振動ユニットとバスレフダクトを装備。ユニットの振幅による内部の気圧上昇/低下に応じて蛇腹部分が伸縮、その動きでおもりを揺らして振動を発生させる。自然に振動が感じられる60Hz付近で振動が最大になるよう設計した。また、振動ユニット内部に配置したバスレフダクトが低音を増幅して重低音を強化。この「重低音+振動」で映画などの臨場感を高めるという。
ACOUSTIC VIBRATION SYSTEMは、同社グローバルTVシステム事業部 オーディオ事業部 新規オーディオ開発部 蓑田英徳課長による個人の取り組みが元となって開発されたもの。元々テレビのAQUOSで音声周りを担当していた蓑田氏が、通常業務と並行して独自に検討を行ない、2013年から試作を開始。パッシブラジエーター型や骨伝導など約6年の様々な検証を経て、商品化された。
聴くコンテンツに合わせて、振動の強弱などが異なる3種類のモードを選択可能。ドラマやバラエティなどのテレビ番組をそのまま楽しむ「標準」のほか、映画やゲームなどで強力な振動と重低音を楽しむ「ダイナミック」、中域の部分を強調して人の声を聞き取りやすくする「ボイス」を切り替えて利用できる。
アンプの最大出力は1.2W×2ch。内蔵バッテリでの連続使用時間は約13時間30分。充電は約5時間。首の後ろに触れる部分には柔軟性のあるエラストマー素材を使用し、長時間でも疲労感が少なく装着しやすいという。外形寸法は227×181×46mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約280g。
Bluetooth送信機は、テレビやオーディオ機器からの音声入力端子として、光デジタルとステレオミニのアナログを装備。マイクロUSB端子からの給電で動作する。外形寸法は60×60×22mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約40g。
実際にテレビで映画を鑑賞してみた。ダイナミックモードでは爆発や格闘などのシーンで、外見のサイズから想像した以上に首周りに強力な振動が発生。アクション映画やゲームなどにピッタリな機能だと感じた。同社によれば、単に振動の強さだけを追求したのではなく、音声とのバランスを重視したとのことで、耳に近すぎない場所から、より自然な聴こえ方で、周りを気にせず大きめの音量で楽しめた。
ネックスピーカー市場が7倍に急拡大。音質を大幅強化
グローバルTVシステム事業本部 オーディオ事業部 商品企画部の片山修部長は、AQUOSサウンドパートナーなどの「ウェアラブルネックスピーカー」分野の国内市場が、2018年度は前年比約7倍の約10万台まで急拡大したと説明。
既存モデルSS1の購入者からは「耳を塞がずに音楽や音声が聴けて、軽量で着け心地が良いことが評価された」と述べた。一方で「改善要望としては、音質向上、大音量化などがあった」ことを受けて、新たにSX7を製品化したという。
市場をさらに拡大するため、女性や若年層の需要開拓にも取り組み、既存モデルSS1の新色として、ローズゴールド(P)とミントグリーン(G)の2色を4月20日に発売。これらについては別記事で掲載している。