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22.2ch/Atmos対応のシアター向けAQUOSネックスピーカー

ネックスピーカー「AN-SX8」

シャープは、首にかけて使用する“ネックスピーカー”の新製品として、2種類の立体音響技術を搭載したパーソナルシアター向けモデル「AN-SX8」を7月22日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は39,600円前後。

「AQUOSサウンドパートナー」のブランド名称で展開する、ウェアラブルスピーカーの新機種。

2019年3月に投入した最上位「AN-SX7A」の後継で、新たに立体音響のOPSODIS、Dolby Atmosをサポート。加えて、振動と低音を生み出す新ユニットの搭載など、スポーツやドラマ、映画などのコンテンツを一段と楽しめる仕様にアップデートされている。

家事や育児、ウェブ会議などの“ながら”使用に最適な、軽量・長時間再生モデル「AN-SS3」は、別記事を参照の事。

同時発表の“ながら”用途向けネックスピーカー「AN-SS3」
シリーズ展開

立体音響技術「OPSODIS」と「Dolby Atmos」に対応

最大の特徴が、2つの立体音響技術「OPSODIS」と「Dolby Atmos」に対応したこと。

前者は、音楽ホールやスタジオなどの建築音響分野で豊富な実績を持つ鹿島建設と、音響技術分野で著名なサウサンプトン大学が共同開発した技術。既発の同社シアターシステム「8A-C22CX1」にも既に採用済みのもので、限られたチャンネル数しかない場合でも、前後左右、上下360度の音響をバーチャルで生成できるのが特徴。

新モデルのSX8においては、地デジのステレオや5.1ch音声はもちろん、4K/8K放送の22.2chまでもデコード可能で、独自の音声処理で立体音響化。「空間的な音の広がりにより、あたかもその場にいるかのような臨場感が味わえる」という。

Dolby Atmosにも対応。Dolby Atmosに対応したAQUOS、または他社製テレビを組み合わせることで、BD/UHD BDパッケージやストリーミングで視聴できるAtmosコンテンツを、立体音響で楽しむことができる。

音質の要となるユニット部分には、独自のACOUSTIC VIBRATION SYSTEMを導入。

重低音に合わせて蛇腹形状の振動ユニットが大きく伸縮して振動を創り出すパッシブラジエーターと、振動ユニットの内部にバスレフダクトを組み合わせた、ハイブリッド型の音響システムで、低音域から中高音域までバランスよく再生。

自然に振動が感じられるよう、60Hz付近で振動が最大になるように設計。低音に振動を加えることで迫力あるサウンドを目指した。

本体右側の内部
左側

発表会には、同社TVシステム事業本部 新規事業統轄部 開発部の長田俊彦部長が登壇。

「映画を楽しむために十分な音圧は、耳元で70~75dBと言われている。仮にテレビとの視聴距離を1.5mとした際、耳元に70dBの音圧を届けようとすると、テレビのスピーカーやサウンドバーはおよそ88dBもの音量を出す必要がある。この音は、耳元で聞こえる音(70dB)の約75倍に相当する。サウンドパートナーであれば、耳元だけを70dBにすればよいため、集合住宅のような環境でも騒音を気にすることなく、迫力あるサウンドでコンテンツが楽しめる。まさにパーソナルシアターに最適なモデルだ」と、本機の特徴を話した。

Bluetoothの新規格「LEオーディオ」対応

ネックスピーカー本体と、付属の送信機はペアリング済みで難しい操作をすることなく、送信機をテレビに接続するだけで使用可能。

送信機は、HDMI(ARC/eARC)、光デジタル音声入力、アナログ音声入力を各1系統搭載。USBオーディオと電源を兼ねたUSB-Cも備える。

送信機
背面

本体と送信機の接続には、Bluetoothの新規格であるLEオーディオ技術を用いた独自の通信方式を採用。低遅延な通信を実現したという。さらにブロードキャスト機能も備えており、1台の送信機に対して、複数の本体を接続する事もできる。

スマートフォンやタブレットなどは、送信機を使わずに本体と直接Bluetooth接続が可能。2台のBluetooth対応機器と接続できるマルチポイント接続に対応しており、送信機とBluetooth対応機器との接続は、本体ボタンで切り替えできる。

Bluetoothのバージョンは5.3で、対応プロファイルはHSP、HFP、A2DP、AVRCP、TMAP。コーデックはSBC、AAC、LC3をサポート。

本体カラーはブラックとなっており、表面に荒いシボ加工を施すことで、硬質感と品位を併せ持つデザインを採用。

さらに、ソファーに座ってゆっくり映画を楽しめるよう、耳よりもやや前方にスピーカーがくるように設計。前方から音が聞こえるように工夫する事で、映像と一体感のある自然なサウンドを再現したという。

首の後ろに接する部分には、柔軟性のある弾力ゴム素材を採用。長時間使用しても疲労を感じにくい快適な装着性を目指している。音楽再生時間は最大約16時間で、充電時間は約3時間30分。

外形寸法は、227×181×33mm(幅×奥行き×厚さ)。重量は、本体が約260g、送信機が約85g。