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キヤノン、可視光&近赤外線が同時撮像できる1.2億画素CMOSセンサー
2019年3月26日 14:29
キヤノンは、可視光域と近赤外線域での同時撮像に対応した1.2億画素CMOSセンサー「120MXSI」を26日より発売する。工場における検査や計測、セキュリティー、農業、医療、ロボティクスなどといった産業用途の利用を想定する。
約29.2×20.2mmのAPS-Hサイズに、フルHD(1,920×1,080ドット)の約60倍にあたる1.2億画素(13,272×9,176ドット)の超高解像度を実現。画像のトリミングや電子ズームを行なう場合でも、高精細で鮮明な画像が得られる。
高精細画像の連続撮影や動体撮影にも対応し、多数の画素から信号を高速で読み出す並列信号処理技術を搭載。最高速度11.3Gbps、1秒間に最高約9.4コマの高速読み出しを可能としている。
可視光域と近赤外線域(波長約800~1000nm)での同時撮像も大きな特徴。
カラーフィルターの1画素を近赤外線域用の画素として割り当てることで、1つのセンサーで、カラー画像と近赤外線画像を同時撮像を可能とした。
1センサーでの同時撮像により、複数台カメラなどの大規模なシステム導入が不要となり、カメラ台数を削減や撮像システム・検査装置の小型化に貢献できるとする。また近赤外線域の光を透過する物質において、光の反射率や吸収率の違いなど、内部の状態までが観察できるため「例えば食品工場の異物混入検査において、カラー画像との併用で検査精度の向上が期待できる」という。
その他の応用例として、異なる強さで近赤外線を反射する植物の特性を利用した“生育状況を可視化”、近赤外線による高い生体透過性を活用し“蛍光造影法による生体内組織の可視化”など、農業分野から生体・医療分野での応用が可能としている。