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GWのスタートは「ヘッドフォン祭」、FiiO超小型プレーヤーやFOSTEX次世代イヤフォン

東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催する「春のヘッドフォン祭 2019」が、4月27日(土)と28日(日)の2日間、東京・中野の中野サンプラザで開催される。入場は無料。

各社がこのイベントに合わせて新製品を発表しており、会場ではそれらが体験できる。また、イベントでの新製品発表も予定されている。ここではそうした新製品情報の中から、特に注目のものをピックアップする。

エミライ

Noble Audioのユニバーサル型イヤフォン「Khan」

5月24日に発売する、米Noble Audioのユニバーサル型イヤフォン「Khan」が会場に登場。日本製ピエゾドライバーを含む6基のユニットを搭載したハイブリッドタイプで、価格はオープンプライスで、店頭予想価格は268,000円前後。

ユニット構成の特徴は、超高域用に日本で設計・製造されているセラミックピエゾドライバーを採用したこと。セラミックピエゾドライバーは、音楽信号を電圧として加えるとそれに応じてセラミック振動板が直接振幅するもの。機械部品がなく、基本的には、電荷によってセラミックの形状が変化し、電荷が解放されると元の形状に戻るという原理を使って音を出す。その変化が極めて高速なため、非常に正確な高域の再現が可能という。

このユニットを、超高域用に搭載。低域用には10mm径のダイナミック型×1基、中低域用にKnowles製BA×2基、中高域用はKnowles製BA×2基を採用。合計6基のドライバーを搭載する。クロスオーバーネットワークは4ウェイ。

内部構造

FiiOのプレーヤーを多数、参考展示する。「M5」は、指先でつまめる、非常にコンパクトなポータブルプレーヤー。

FiiO Hi-Res Lossless Music Player M5

DACチップにAK4377を搭載。384kHz/24bitまでのPCMが再生でき、32bitのファイルも24bit変換となるが、再生可能。DSDは5.6MHzまでネイティブ再生が可能。

SoCに「Ingenic X1000E」を採用。コーデックは、SBC/AAC/aptX/aptX HD/LDAC/HWAをサポートする。

FiiO M11 Android-based Lossless Portable Music Player

今後発売予定のプレーヤー「M11」も参考展示。DACチップに「AK4493EQ」を2基、左右独立構成で搭載。低ノイズ・低歪と高出力を両立するという。

384kHz/32bitまでのPCMと、11.2MHzまでのDSDがネイティブ再生可能。イヤフォン出力は、3.5mmシングルエンドと、2.5mmのバランス、さらに4.4mmのバランス出力端子と、豊富に搭載する。

プロセッサは「Exynos 7872」で、デジタルオーディオプレーヤー史上最高クラスの高速動作を実現したとする。

BluetoothはaptX/aptX HD/LDAC/HWA(LHDC)などに対応。5.15型、18:9 型HDタッチスクリーンも搭載する。

USB DAC内蔵ポータブルヘッドフォンアンプ「Q5S」

USB DAC内蔵ポータブルヘッドフォンアンプ「Q5S」も参考展示。DACチップに「AK4493EQ」を2基、左右独立構成で搭載。768kHz/32bitまでのPCMと、22MHzまでのDSDネイティブ再生に対応。Bluetoothにも対応し、AAC/SBC/aptX/aptX LL/aptX HD/LDAC/LHDCなどをサポートする。

イヤフォンの新製品も参考展示。BAドライバー搭載のユニバーサル型「FA7J」、「FA1J」を出展する。

FA7J

FA7Jは、Knowles製BA×4基搭載。ハイレゾ対応。EUクラスIIa医療機器規則適合の高透明度樹脂素材を筐体に使い、DLP方式3Dプリント技術でシェルを作っている。銀メッキ処理高純度単結晶銅線、MMCXコネクターを採用。付属ケーブルはステレオミニ。音質は、日本市場向けカスタムチューニングしたという。

FA1J

FA1Jは、Knowles製BA×1基搭載。肌に優しい高透明度樹脂素材を使い、DLP方式3Dプリント技術でシェルを作っている。銀メッキ処理無酸素銅線は、MMCXコネクターで着脱可能。L字型3.5㎜入力を備えている。こちらのモデルも、日本向けに音質をカスタムチューニングした。

ミックスウェーブ

Campfire Audioからは、春のヘッドフォン祭 2019 限定販売のカスタムイヤフォンEQUINOX(イークィノックス)が登場。販売数は限定30台で、価格は188,000円(税込)。ただし、事前抽選の応募期間は既に終了している。

EQUINOX

Campfire Audioからはさらに、3つのイヤフォンが登場する。「IO」は、日本での発売時期は未定で、価格は35,000円前後の見込み。アルミニウム製の筐体に、バランスド・アーマチュア(BA)ユニットを2基搭載する。ケーブルはNew Smokey Jacket Silver Plated Litz Cable。

「IO」

「POLARIS 2019」も発売時期は未定で、価格は55,000円前後。アルミ筐体で、2ドライバーのハイブリッド型になる予定。ケーブルはNew Smokey Jacket Silver Plated Litz Cable。

「POLARIS 2019」

「ANDROMEDA 2019」は13万円前後の見込み。発売時期は未定。アルミ筐体で、BA×5ドライバー構成となる。ケーブルはNew Smokey Jacket Silver Plated Litz Cable。

「ANDROMEDA 2019」

Unique Melodyからは、「MACBETH CUSTOM」というカスタムイヤフォンが登場する。日本では5月に発売予定。価格は78,000円前後。2ドライバーのハイブリッドタイプになる。

「MACBETH CUSTOM」

FAudioの新モデルは2機種で「PROJECT Y」と「Minor」。どちらも日本での発売時期や価格はまだ未定。

「PROJECT Y」
「Minor」

Beat Audioからも、新ケーブル「Vermilion MKII」が登場する。発売時期や価格は未定。導体に高純度単結晶銅を採用。螺旋構造の新しいケーブルデザインになっている。

「Vermilion MKII」

アユート

Astell&Kernブランドの新機種として、ポータブルながら8ch DACのESS「ES9038PRO」を2基搭載、バランスで12Vrms、アンバランスで6Vrmsの出力を実現、ミニXLR出力も備えた超弩級プレーヤー「KANN CUBE」(カンキューブ)を出展する。6月発売予定で、価格はオープンプライスで、直販価格は199,980円(税込)。

超弩級プレーヤー「KANN CUBE」

据え置きのオーディオ機器で使われるESS製の8ch DACチップ「ES9038PRO」を、2基採用。左右チャンネルそれぞれに1基ずつ使っており、8chをフルで使ってD/A変換する事で、「限りなく正確なサウンドの提供が可能になる」という。

5ピンのミニXLR出力も搭載。据え置きのオーディオ機器と接続し、屋外でも、屋内でもKANN CUBEをプレーヤーとして活用するスタイルも提案している。内蔵ストレージメモリは128GB。最大512GBまでのカードが利用できる、microSDカードスロットも1基備えている。

Fenderブランドから、ハイブリッド型イヤフォン「NINE 2」、「TEN 2」を参考展示。

AZLAからは、MFI認証取得のダイナミック型イヤフォン「ORTA Lightning」や、特殊シリコン採用のイヤーピース「SednaEarfit Short」、「SednaEarfit Light Short」を出展する。

Acoustuneからは、ダイナミック型イヤフォン「HS1655CU White」と「HS1695TI Gold」を紹介予定。

ULTRASONEからは、「Edition 15 Veritas」とハイブリッド型イヤフォン「Saphire」も出展する。

オンキヨー&パイオニア

オンキヨーが3年かけて独自開発した、マグネシウム素材のBAを使ったカスタムイヤフォンなどを参考出品。「従来のモデルとは全く異なる“新しい音”をご体験いただける」という。フルレンジモデルの他、マルチドライバーモデルも展示予定。

当日は開発/設計担当者も参加。特長や音質について存分に確認できるという。

桐を使ったオンキヨーブランドのヘッドフォンの試聴も可能。ゼンハイザーのヘッドフォンアンプ「HDVD800」も用意し、試聴環境を整えているという。

完実電気

フォステクスが、1月に米国で開催された「The NAMM Show 2019」に出展した「次世代完全ワイヤレス・イヤホン TM2」が国内初公開される。好きなイヤフォンを左右完全分離イヤフォン化できるのが特徴。

耳掛け式のフック形状を採用したBluetoothレシーバー部と、そこにMMCX端子で接続するフレキシブル・ショート・ケーブル、6mm径のダイナミック型ドライバを採用したMMCX接続イヤフォンの3パーツから構成。3つを接続した状態で、左右分離ワイヤレスイヤフォンとして使えるだけでなく、イヤフォン部を取り外し、ユーザーが持つMMCXのイヤフォン部を接続して使う事もできる。

Bluetoothイヤフォンとしての性能にもこだわり、Qualcommの「QCC3026」SoCを採用。Bluetooth 5.0に対応し、安定した接続ができるという。対応デバイスと接続すると、デバイスと左右イヤフォン間を個別に音声伝送する「True Wireless Plus」モードも利用可能。左右間の音切れのストレスを大幅に軽減する。

「次世代完全ワイヤレス・イヤホン TM2」

ラトックシステムも、新製品先行展示。USB3.0 2.5型SSD/HDDプレミアムケース「RAL-EC25U3P」や、USB3.0 3.5型HDDプレミアムケース「RAL-EC35U3P」を出展する。

STAX

コンデンサ型ヘッドフォンの新モデルとして、6月5日に発売予定の「SR-L700 MK2」と「SR-L500 MK2」を出展。28日の日曜日12時からは、開発者が登壇するイベントも予定している。

SR-L700 MK2

既存の「SR-L700」と「SR-L500」を交換可能なリケーブル対応とし、ケーブル自体も刷新。筐体にはアルミ製ケースホルダーを採用。より自由度の高い機構デザインを可能としており、従来の直線的なデザインから緩やかなカーブを持たせたデザインへ変更。イヤーパッドが側頭部へより自然にフィットしやすくなった。

剛性が高く、装着時に不必要な歪みやひねりが発生しにくくなり、フィット感(密着度)が大幅に向上したという。

SR-L500 MK2

final

S’NEXTは、finalブランドの新イヤフォン「B series」3機種や、DITAブランドの新イヤフォンの発表会を、27日11時30分~12時30分に開催する。会場は、中野サンプラザ 7F研修室13(東京都中野区中野4-1-1)。事前予約は不要で、当日直接入場できる。

新イヤフォン「B series」の「B1」

「B series」は「B1」、「B2」、「B3」の3製品をラインナップ。S’NEXTでは「最新の音響工学、心理学の研究成果に基づき、『人間がよい音と感じるものはいかなるサウンドか』を追い求めた、これまでとは全く違う開発コンセプトの製品」と説明している。

DITAからは、’17年に発売したイヤフォン「Dream」(完売済)の後継機となる新機種「Dream XLS」の開発状況を発表。また、発売が決定した新ケーブル「OSLO」も改めて案内する予定だ。

DITA「Dream XLS」

テックウインド

テックウインドブースの見どころは、ルーマニア・Meze Audioのハイエンドイヤフォン「RAI PENTA(ライ ペンタ)」だ。4月26日から発売中。ハイブリッド型のユニバーサルタイプで、価格はオープンプライス、店頭予想価格は128,000円前後(税込)。

Meze Audio「RAI PENTA」

Mezeが「鮮明でクリアなサウンドと理想的な装着感を追求して生み出した」というモデル。4基のBAと、1基のダイナミック型ドライバーで構成。独自のハイブリッド ペンタドライバーテクノロジーを使い、各ドライバーをバランスよくチューニングしたという。

また、5つのドライバーがシームレスに働くよう、極めて緻密に設計・製造したメタル素材の音導管を採用。「全ての周波数帯域において調和の取れたサウンドを届けることを実現した」とする。

再生周波数帯域は4Hz~45kHz、入力感度は110dB SPL/1mW。インピーダンスは20Ω。歪率は0.1%以下。

米Westoneの新製品も一挙に登場。新たな「Bシリーズ」は、低音の再生にこだわったモデルで、4月26日発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格(税込)は「B30」が47,800円前後、B50が79,800円前後。

W30

ユニット構成は、B30がBA×3基(高域1・中域1・低域1)で、「パワフルで豊かな低域、解像度の高い中域、明瞭な高域が特徴」だという。

W50

B50がBA×5基(高域2・中域2・低域1)で、「低音から高音に至るまで極めてスムースなつながりを実現させました。大きめの低域ドライバを搭載する事で、明瞭なサウンドの中に“パワフル”かつ“豊か”な低音が感じられるモデル」になったという。

どちらのモデルもケーブルはMMCXで着脱可能。有線ケーブルに加え、Bluetoothケーブルも付属。ワイヤレスイヤフォンとしても活用できる。

W80

Wシリーズも刷新し、4月12日から発売中。価格はいずれもオープンプライスで、店頭予想価格(税込)はW10が27,800円前後、W20が37,800円前後、W40が59,800円前後、W60が124,800円前後、W80が178,000円前後。

新Wシリーズは「リデザインモデル」と位置づけられ、W40とW60は筐体がよりコンパクトになり、「長時間音楽を聴きたくなるデザイン。ドライバが複数内蔵されていることが信じられない程コンパクトで快適な着け心地」を実現したという。W40/60/80では、付け替えが可能なフェイスプレートはメタル製となり、より強固で重厚感のある仕様へと改良された。

W40とW60は内部の音響もリファイン。また、上位機のケーブル「High-Definition Silver MMCX Audio Cable」は、銀の含有量を高めたことで減衰率が小さくなり、より繊細な音の伝達が可能になった。また、W10/20/40/60にはBluetoothケーブル、W80にはBluetoothケーブルバージョン2も無償で同梱する。

ナイコム

ナイコムブースでは、新たに取り扱いを開始したシンガポールのブランド・Stealth Sonics(ステルスソニックス)のイヤフォンを紹介する。4月24日から、e☆イヤホン各店舗、フジヤエービックにて販売がスタートしており、ユニバーサルイヤフォン3モデルを先行で展開。価格は「U2」が29,800円、「U4」が57,800円、「U9」が110,800円。

U9

2018年創業の新興イヤフォンブランドで、母体となる企業は聴覚関連事業をシンガポールにて幅広く運営。耳、音といった分野に様々な知見を有しているという。

共通の特徴として、独自技術「SonicFlo Acoustics」(ソニックフローアコースティック)、「Stealth Damping」(ステルスダンピング)、「Klarity Blub」(クラリティバルブ)を駆使し、自然な音を再現するという。

また、聴覚事業を運営している立場から、ユーザーの耳の保護についても大きな軸足を置いているという。

ドライバー構成は、U2が中低域用のダイナミック型×1、高域用のBA×1。再生周波数帯域は20Hz~20kHz。U4はBAのみで、低域、中域、高域、超高域に各1基、合計4基搭載。U9はハイブリッド型で、低域はダイナミック型×1、中域はBA×2、高域もBA×2、超高域はBA×4で構成。

トップウイングサイバーサウンドグループ

The Radiante

イタリア、Spirit Torinoブランドの最新ヘッドフォン「The Radiante」を展示予定。密閉型で、「欧米でポピュラーなオープン型だけでなく、スタジオ関係者やモバイル愛好者にも需要が多い密閉型を発売する」という。

27日11時30分から一般も来場可能な発表会を開催。発表会には、同社主任エンジニアのアンドレア・リッチ氏も来場を予定する。発表会終了後から新製品の試聴が可能となるほか、フラッグシップモデル「RAGNARR EDITION」のケーブル着脱可能モデルも用意するという。

ラックスマン

ラックスマンは、ブースにおいて「P-750u」や「DA-250」、「DA-06」などを紹介するほか、FOCALのヘッドフォンである「ELEAR」、「CLEAR」、「UTOPIA」、「ELEGIA」、新製品のピュアベリリウム振動板採用「STTELIA」(4月発売/33万円)も出展予定。

ピュアベリリウム振動板採用「STTELIA」

また、27日(土)の11時30分~13時にかけては、6階のチャペルで新製品発表会を開催。Raspberry Piを使ったオーディオである「おせちBOX」と、FOCALのSTTELIAを組み合わせた紹介も予定している。

HIFIMAN JAPAN

静電型ヘッドフォンシステム「Jade II」

静電型ヘッドフォンシステム「Jade II」と、ポータブルプレーヤー「R2R2000(RED)」を日本初公開する。どちらも発売日は未定。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はアンプ付きの「Jade II」が2,499ドル前後、「R2R2000(RED)」が約1,200ドル前後。

HIFIMAN初の静電型ヘッドフォンシステム「Jade」の後継機が「Jade II」。「音楽ファンに十分手が届く価格を保ちながらも、前モデルの高い評価をベースに大きな音質の向上を果たした」という。

光沢のあるJadeのグリーンから、濃い紫へと角度によって見た目が変化するドライバーユニットを採用。静電型ならではのスピードと細部表現力を特徴とし、7Hz~90kHzまでの再生に対応。楕円形のイヤーカップを採用している。

駆動用のアンプがセットになっており、アンプの重さは11kg。外形寸法は400×265×108mm。

ポータブルプレーヤー「R2R2000(RED)」

ポータブルプレーヤー「R2R2000(RED)」は、Bluetooth高音質技術の「HWA」に対応した「R2R2000」のDANを受け継ぎながら、コストダウンを図ったという後継機。カラーは赤となっている。

マルチビットDACチップの「PCM1702」をデュアル構成で搭載。 ストレージメモリは最大256GBまで拡張できる。USB DAC機能を備え、USB-C端子でPCなどと接続、最大384kHz/24bitまでの音楽ファイルを再生できる。

HIFIMANがカスタム設計したFPGAデジタルフィルタを採用。最大768 kHzのサンプリングデータレートをサポート。HIFIMANがカスタム設計したシングルプロセスの組み込み型OSも採用しており、可能な限りの低ジッターを保証するために、1つのタスクのみを処理するようになっている。