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完売したラックスマンの付録真空管アンプキット、パワーアップし単品で再登場
2019年6月11日 19:17
音楽之友社が運営するオンラインショップ「ONTOMO Shop」は、ラックスマンとコラボした真空管ハイブリッドプリメインアンプ・キット「LXV-OT7 mkII(マーク・ツー)」の追加生産販売を決定。7月中旬より予約受付を開始し、9月中旬に発売する。価格は35,000円で、一人一台限定となる。
もともと、アンプ・キットの「LXV-OT7」は、2018年末に音楽之友社が発売したムック本「朗音! 真空管アンプの愉悦」(15,000円)の付録として、ラックスマンが手がけたもの。このムック本は、発売から数日のうちに完売となった。
その後、「近い将来の開発企画」としてマーケティング調査を兼ねて限定生産を行なったが、予想を上回る反響と要望が寄せられた事から、メーカーと検討を重ね、「急遽ONTOMO Shopでの追加生産販売が決定」したという。
新たに発売される「LXV-OT7 mkII」は、ムック本の付録というサイズや価格の制約から解放された“上位版”のmkIIとして企画されており、27型の大型ボリュームを採用。スピーカー端子はバナナプラグにも対応し、入力端子は金メッキ仕上げ。ボリュームノブ、プッシュノブ、インシュレーターはアルミ無垢、基板のコンデンサもラックスマンオリジナルのものを中心に使用している。
真空管はスロバキア製JJ ECC802S(高信頼管)を使用。なお、この真空管はムック付録版「LXV-OT7」に付属している真空管との互換品として、差し換えて使用する事も可能。
LXV-OT7 mkIIでは、パーツに合わせて抵抗の値も変更。音のチューニングも行ない、オーディオ用に調整されたラックストーンになっているという。
また、基板のパターンの銅箔の厚みを35μから70μと倍にすることでインピーダンスを下げ、電気の流れが改善されるよう調整した。
外形寸法は183×134×91mm(幅×奥行き×高さ/ノブ、端子含む)。最大出力は3W+3W(8Ω)、5W+5W(4Ω)。入力感度は150mV。入力インピーダンスは100kΩ。再生周波数特性は10Hz~120kHz(-2.0dB)。全高調波歪率は0.06%(1kHz)。SN比(IHF-A)は95dB。消費電力は9.3W、3.4W(無信号時)。重量は本体のみで740g。
オーディオ評論家 福田 雅光氏による「LXV-OT7 mkII」の評価
ウォームな肌触りの柔らかな雰囲気が流れ、いかにも真空管らしいイメージを実感させる、温かくなめらかなトーンである。中低音の質感が柔軟肉厚に備わっているのも大きな違いだろう。特に女性ボーカルの歌声は、ニュアンスの豊かさと色気のある味が出てくる。
ニュアンスの豊かさは、室内楽の旋律にもしなやかな味を出していて心地よい。以上のことから、mkIIは真空管らしい音質を求めるユーザーにこたえるハイクオリティー・バージョンだと見ている。
5万円前後のメーカー製アンプにこのような製品は存在しないため、mkIIはまさしく独自の価値をそなえていることになるだろう。
ブラックウォールナットの真空管キット用ケースも
神楽坂の家具工房 アクロージュ・ファニチャーによる、銘木ブラックウォールナットを使用した木箱ケースも発売する。「LXV-OT7 mkII」や、ONTOMO MOOK付録の真空管ハイブリッドプリメインアンプ・キット「LXV-OT6」、真空管ハーモナイザー・キット「LXV-OT7」にも対応する。
ウッドケースの後ろからキットをはめこむ方式のため、工具は不要。「キットが、伝統のラックスマン38シリーズのケースを彷彿とさせる装いに」なるという。
なお、この商品は、もともと真空管ハーモナイザー・キット「LXV-OT7」の発売に合わせて2018年12月に予約販売を開始したが、予約が殺到し数日で完売となったもの。「職人による手作り製品のために大量生産ができないため、今回も数量限定での再販売」になるという。
9月下旬頃の発売予定で、予約は2019年7月中旬より開始。価格は15,000円で、一人一台限定となる。