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DALIから本格無線スピーカー「CALLISTO」、新時代デノンサウンド「MODEL X」

国内外のオーディオブランドが集結し、最新機種からハインド機まで実際に聴いて楽しめるイベント「OTOTEN 2019」が29日、有楽町の東京国際フォーラムで開幕。会期は29日と30日。入場は無料。主催は日本オーディオ協会。多数のブースから、ここではデノン、マランツなどのブースをレポートする。

ディーアンドエムホールディングス

ディーアンドエムホールディングスのブースでは、デノン、マランツ、B&W、DALI、Projectの各ブランドのHi-Fi新製品や、未発表の参考出品モデルを先行体験できるイベントを、ブランド毎に1回45分で実施している。

DALIからは、ニューコンセプト・スピーカーシステム「DALI CALLISTO」が参考出品。発売日や価格は未定。中心となる「DALI Sound Hub」と対応するスピーカーで構成されたシステムで、DALI Sound Hubにはアナログ入力や、同軸/光デジタル入力、サブウーファー出力などを装備する。

DALI Sound Hub
フロア型の「CALLISTO 6 C」
CALLISTO 6 Cの背面。電源ケーブルのみで、ワイヤレスで音楽が再生できる

入力された信号を、I2Sのデジタル信号の96kHz/24bitに変換し、対応するスピーカーにワイヤレスで送信。受信機能を備えたスピーカーには、パワーアンプが内蔵されており、DALI Sound Hubとスピーカー間がワイヤレスのシステムを構築できる。

ユニークな点として、DALI Sound Hubの背面には2つの拡張スロットを用意。BluOSというLANポートなどを備えたネットワークユニットを挿入すると、BluOSが対応しているストリーミング音楽配信サービスのAmazon Music、Deezer HiFi、TIDAL(日本未サービス)などを受信し、ワイヤレススピーカーから再生できる。

DALI Sound Hubの背面
BluOSに対応するためのネットワークユニット

拡張スロットに挿入するユニットのバリエーションとして、マルチチャンネル用ユニットも計画。これを挿入する事で、最大7.1chのマルチチャンネルシステムへの展開も可能になるとする。

なお、システムの操作はスマートフォンの専用アプリから可能。スマホからBluetoothで、aptX HDやAACで音楽を受け取る事もできる。LAN内にあるNASに保存した音楽ファイルの再生もできる。

対応するスピーカーは、フロア型の「CALLISTO 6 C」、ブックシェルフ「CALLISTO 2 C」をラインナップ。どちらも、ウッドファイバーコーンのウーファーや、リボンツィーターなど、DALIのスピーカー技術も十分に活用されている。

前述の通り価格は未定だが、Sound Hubとスピーカーペアのセットでの海外での価格は、「CALLISTO 6 C」が50万円以上、「CALLISTO 2 C」は40万円以上のイメージだという。

筐体天面がタッチセンサーになっていて、触れるだけでボリューム調整が可能
ウーファーの下にあるLEDは、ボリューム値を示している
ブックシェルフ「CALLISTO 2 C」

デノンの注目展示は、未発表のコンセプトモデル「MODEL X」。2500NE、1600NE、800NEと展開している新時代(New Era)のHi-Fiコンポーネントシリーズの、さらに“将来を見据えたコンセプトモデル”と位置づけられたもの。詳細は発表されていないが、ディスクプレーヤーとプリメインアンプの2機種が開発されている。

理想の音として“Vivid and Spacious”を掲げる、サウンドマネージャーの山内慎一氏が、それを体現する製品として手掛けている注目機で、会場でそのサウンドも体験できる。

未発表のコンセプトモデル「MODEL X」
「MODEL X」のプリメインアンプ
ディスクプレーヤー

Projectからはアナログレコードプレーヤーの「XTENSION12」が登場。B&Wのスピーカー、Prestige Editionを使い、audioquestの超弩級、最上位スピーカーケーブル「Mythical Creature(神話の生き物)」と「Folk Hero(伝説のヒーロー)」シリーズなどから、いくつか製品を比較試聴できる時間も設けている。

「XTENSION12」
audioquestの超弩級、最上位スピーカーケーブル「Mythical Creature」と「Folk Hero」シリーズ
マランツのM-CR612も

またディーアンドエムホールディングスは、G603に本格ホームシアターも展開。1回20~30分の入替制イベント形式で、デノンの「AVR-X1600H/2600H」と旗艦モデル「AVC-X8500」とAuro3D/IMAX Enhanced、マランツのハイエンド「AV8805/MM8077」や薄型AVアンプ「NR1710」などを紹介している。

本格ホームシアターも展開
マランツの薄型AVアンプ「NR1710」
デノンの「AVR-X1600H/2600H」と旗艦モデル「AVC-X8500」なども紹介

ハーマンインターナショナル

Mark Levinsonから、今夏発売予定のプリメインアンプ「No5805」が展示された。価格は85万円。新たなラインナップ「No5000」シリーズは、「そのサウンドクオリティをこれまでのオーディオファイルの方々だけでなく、デジタル音楽配信の普及で新たに高音質の音楽を聴く機会を得た方々等、より多くの音楽ファンにも同ブランドが長年培ってきた最高のパフォーマンスを楽しんでいただくために企画された」という。

「No5805」

No5805は、その第一弾モデルと位置づけられ、「アナログディスクからデジタル・ミュージックファイル、ストリーミングまで、あらゆる音楽ソースをMark Levinsonのサウンドクオリティで再生可能」という。

プリアンプ部には、伝統のPure Directシグナルパスの設計思想に基づいたフルディスクリート、ダイレクトカップリング、デュアルモノラル・ラインレベルの回路構成を採用。フォノイコライザーを内蔵しており、CR型とNF型を組み合わせたRIAAフィルターを採用。 MM/MCのゲインコントロールとサブソニック・フィルターのON/OFFが可能で、使用するカートリッジに合わせた負荷容量(MM)と負荷抵抗(MC)の調整は、リアパネルに配置されたディップスイッチで行なう。

パワーアンプ部には、フルディスクリート、ダイレクトカップリングを採用したAB級パワーアンプを採用。出力は125W/ch@8Ω。500VAの大容量電源トランスを搭載することで、広大なダイナミックレンジを確保している。

他にも、Mark LevinsonのセパレートアンプでJBLのスタジオモニターをドライブしたり、REVELのスピーカーの試聴デモなどを交代で実施している。

アイ・オー・データ機器

fidataブランドでは、注目の伝送方式でAudio over IP技術の「Diretta」を用いたLAN DACデモンストレーションを行実施。高音質ストリーミングサービスのTIDALを使用した、fidata Audio Serverによるストリーミング対応についても紹介している。

fidataブランド製品の紹介ブース

ネットオーディオの入門機と位置づけられた「Soundgenic」では、これからネットオーディオを始めてみたいという人に向けた、わかりやすい展示を用意。音楽CD取り込みから、ポータブルオーディオプレーヤーへの転送を、PCレスで行なえる事なども説明している。

Soundgenic

初心者歓迎の「オーディオスタートコーナー」

オーディオイベントと聞くと、“機器に詳しいファンが集まり、高価なスピーカーを聴き比べる……”というイメージを抱きがちだが、OTOTEN 2019ではこれからオーディオを始めたい、また、昔楽しんでいたが、改めて始めたいので最新機器を知りたいといった層にアプローチするための新たな施策を展開。

ガラス棟B1F ロビーギャラリーという、イベントに入場するとすぐの場所に「オーディオスタートコーナー」を展開している。

「オーディオスタートコーナー」

テーマに沿った機器が用意されており、例えば、アナログレコードプレーヤーでは、ディスクユニオンの「ION Archive LP」、オーディオテクニカ「AT-LP5」、Technics「SL-1500C」が体験できる。

Technics「SL-1500C」

デスクトップオーディオとしてはTechnics「OTTAVA SC-C50」、Bluetoothスピーカーはクリプトン「KS-55」、オラソニック「IA-BT7」を用意。新しいオーディオの形として、AIスピーカーの「Google Home」、サブスクリプション音楽配信サービスの紹介コーナーも用意。ヘッドフォン/イヤフォンコーナーもあり、ソニーの「WH-1000XM3」、radius「HP-BTL01」、エレコム「LBT-HPC1000MPGD」などが用意される。

クリプトン「KS-55」、その後ろにあるのはオラソニック「IA-BT7」

このオーディオスタートコーナーには、専門学校生がコンシェルジュとして参加。音響芸術専門学校第48基昼間部クリエーターズディビジョン87人がインターン参加し、説明員を担当したり、展示や公演のサポートを行なっている。