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ソニー、秒間20コマ連写を実現した「RX100 VII」“ポケットに入るα9”
2019年7月26日 13:03
ソニーは、1型CMOSセンサー搭載のコンパクトデジタルカメラ・サイバーショット「RX100」シリーズの新製品として、「RX100 VII」を8月30日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は145,000円前後。ミラーレスの最上位モデル「α9」レベルの秒間20コマの高速連写などを可能としている。
既存のRX100VIユーザーが、光学ズーム倍率の高さや、高速AFなどの点を評価している事を受け、RX100VIIではミラーレス最上位「α9」の技術や要素を取り込み、進化させている。そのため、「α9と、24~70mm、70~200mmレンズを1つのボディに凝縮した」、「ポケッタブルな“α9”」とも表現されている。なお、VII発売後も、VIは併売される。
レンズは35mm換算で24~200mm/F2.8~4.5で、ツァイスのバリオ・ゾナーT*。レンズ部分の仕様は、RX100 VIと同じ。
センサーは新開発の、メモリー一体型の1型積層型CMOS。最新の画像処理技術を用いてスピード性能を高めた。有効画素は約2,010万画素。常用ISO感度は100~12800(拡張感度は64/80)。組み合わせる画像処理エンジンは、α9やα7R IIIと同じ、最新のBIONZ Xを採用。フロントLSIと組み合わせて使っている。
これにより、最高約20コマ/秒の高速連写が可能。シャッターレリーズタイミングに関わらず、センサー像面上で最大60回/秒の頻度でAF/AE演算処理を行ない、複雑な動きで、スピードに緩急のある被写体でも高い精度でAF/AE追従できるという。
撮影中のEVF、背面液晶モニターへの表示更新を秒間60回の頻度で行なう事で、タイムラグを可能な限り抑制。肉眼で被写体をとらえているような、ブラックアウトの無い連続撮影も可能。
電子シャッターを使う事で、シャッター音を出さずに撮影できるサイレント撮影機能も搭載。イメージセンサーからの高速読み出しにより、高速な被写体を撮影した際にも、歪みにくいアンチディストーションシャッターを実現している。
新機能は「ワンショット連続撮影」機能。通常の高速連写は前述の通り秒間20コマだが、「ワンショット連続撮影」では1回のレリーズで1/90秒のスピードで、7枚の静止画(JPEG/RAW)を撮影できるもの。ただし、シャッター長押しで、1/90秒のスピードで連写し続ける事はできず、1回レリーズの7枚撮影を繰り返す形となる。スピードは90/60/30fpsから選択可能。
20コマ/秒でも非常に高速な連写だが、1/90秒では例えば、水風船が割れる瞬間の写真や、テニスのラケットにボールがヒットする瞬間など、決定的瞬間をより逃さず撮影できるとする。
AF性能も強化。像面位相差AFセンサーは357点を備え、68%をカバー。コントラスト検出方式の測距点数は425点。0.02秒の高速AFで、1型センサーのコンパクトデジタルカメラとしては世界最速を謳っている。追従性能では、60回/秒でのAF/AE演算処理が可能。最新の動体予測アルゴリズムを用いて、高いAF追従性能を実現した。
AIを活用したリアルタイムトラッキングも新搭載。色や模様、被写体距離からなる空間情報をリアルタイムに処理。シャッターを半押しするだけで、画面内で動く被写体を自動的に追尾する。
リアルタイム瞳AFも搭載。動体に対する瞳の捕捉精度をさらに進化させた。フォーカスする瞳を自動的に選択する以外に、右目、または左手をあらかじめ指定することも可能。タッチトラッキング時は、右目、または左目にタッチしてフォーカス合わせもできる。動物の瞳AFにも、新たに対応している。
AF関連では他にも、フォーカスエリア枠の色がホワイトとレッドから選べるようになり、フォーカス位置を上下左右端で循環できる設定も追加。フォーカスエリア設定時に、ユーザーが頻繁に使うフォーカスエリアの種類だけを表示することもできる。
補正効果4段の光学式手ブレ補正機能も搭載。HDR撮影にも対応し、オートHDRモード使用時の画質も改良。これまでよりも広いダイナミックレンジでの表現を可能にしている。
4K動画撮影時、手ブレ補正のアクティブモードが利用可能に
4K/30pまでの動画撮影にも対応。4K映像に必要な1.7倍の豊富な情報量を凝縮して4K映像を出力する。オーバーサンプリング効果で、モアレやジャギーが少なく、解像感の高い4K画質を実現した。フォーマットはXAVC S。4K/100Mbps、フルHDでは50Mbpsでの記録が可能。
なお、撮影時に電源が自動で切れる温度が設定できるようになった。この設定を「高」にすることで、4K動画は連続5分以上の撮影が可能になる。「標準」にした場合は、4K連続撮影は約5分となる。
4K動画撮影時、手ブレ補正が利用できるが、新たに手ブレ補正のアクティブモードも利用可能になった。これにより、従来比で最大8倍、ブレを抑えた4K動画が撮影できる。補正アルゴリズムの最適化により、フルHD動画撮影時の補正効果もアップしている。
スマホ向けのImaging Edgeモバイルアプリ「Movie Edit add-on」にも対応。撮影した動画をスマホ上で手軽に編集できるほか、カメラから取り込んだジャイロ情報を使い、より強力な手ブレ補正をかける事で、ジンバルで撮影したかのような滑らかな映像が作成できる。
動画撮影時のAF性能も向上。アルゴリズムを大幅に進化させ、精度、速度、追従性が飛躍的に向上。静止している被写体に対してピントがふらつかず、すばやく動く被写体に対しても粘り強く追従し続けられる。
さらに、動画撮影時のリアルタイム瞳AFにも対応。人物の瞳のみで、動物の瞳には対応しない。静止画と同じく、タッチトラッキングとの併用も可能。リアルタイムトラッキングも動画撮影で利用でき、画面上で被写体をタッチすると、色、模様、距離、顔情報を分析しながら精度良く追従し続ける。
インターバル撮影にも対応。一定間隔で連続撮影をするもので、撮影したRAW、またはJPEG画像を使い、パソコン用ソフトでタイムラプス動画が作れる。
動画の縦位置情報記録も新たにサポート。カメラを縦にして撮影したデータにメタ情報を追加する事で、スマホなどに転送した後も、縦のまま動画を再生・編集でき、回転操作が不要になる。
マイク端子も新たに追加。外付けマイクが利用できるよになり、音にこだわった動画制作が可能になった。
細かな進化として、動画撮影時、ピント拡大の初期倍率を設定可能になった。よく使う倍率を設定することで、ピント拡大時の操作回数を抑えられる。XAVC Sファイルの名称設定にも対応。ファイル名に任意のプレフィックスを指定でき、複数台のカメラで撮影する現場でも、撮影に使った機材の識別などに利用できる。
外部録画再生機器とHDMI端子で接続中に、XAVC S 4K記録+記録モード24pに設定すると、カメラ本体の液晶モニター映像を同時に出力できるようになった。この設定では、顔認識やリアルタイム瞳AFも利用できる。
ポップアップ式の、0.39型有機ELビューファインダーを装備。3型92万画素の液晶モニターも背面に備え、チルトに対応する。外形寸法は101.6×42.8×58.1mm(幅×奥行き×高さ)、重量は本体のみで約275g。
RX100 VIIには「シューティンググリップキット」(DSC-RX100M7G)というセットモデルも用意。カメラ本体に、シューティンググリップ「VCT-SGR1」、非売品のマイク用ブラケット、カメラ用バッテリの追加分1個をセットにしたもの。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は155,000円前後。
VCT-SGR1をグリップとして使うと、手元でカメラのズームや静止画/動画撮影の操作が可能。グリップとしてだけでなく、小型三脚として使うこともできる。同梱のブラケットを使うと、マイクなど、コールドシューアクセサリを装着できる。
さらに、ジャケットケース「LCJ-RXK」もラインナップ。合皮素材のケースで、ケースを装着しながらマイク端子や充電、液晶モニタのチルトが可能。8月30日発売で、価格は8,900円。