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ジョーカー「また演じたい」衝動も。“呪いのような魅力”をホアキンが語る

コメディアンを夢見る男が、なぜ狂気溢れる“映画史上最凶の悪”ジョーカーになってしまったのか? 10月4日より公開中のサスペンス・エンターテイメント「ジョーカー」。名優ホアキン・フェニックスが、苦しみながらジョーカーを演じきった上で「また演じたい気持ちに駆られる」との思いとともに、“呪い”のような魅力について語った。

ジョーカー
(c) 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved “TM & (c) DC Comics”

悪役ながら圧倒的な人気を誇り、ジャック・ニコルソンやヒース・レジャーといった大物俳優がこれまで演じ、難役としても知られるジョーカー。ホアキンは、出演作に対して徹底的なアプローチを行なう俳優としても知られ、今回は約24kgもの減量を敢行。頬も痩せこけ、あばら骨が浮き出たほど身体が変貌したという。さらに、政治暗殺者や暗殺者志望の人物について書かれた本を読みあさり、様々な“悪人”と呼ばれる人物像を分析し内面も変貌させていった。

そうした徹底的な役作りにもかかわらず、ホアキンは「僕は演じる役の心情を把握したいから、今回のように理解に苦しむキャラクターにはイライラさせられたよ。役者としてこのキャラクターはとても手強かった」と語り、百戦錬磨の名優でさえその難役っぷりには悩まされていたことを吐露する。

精神的にも追い込んだ結果「役作りの一環でアーサーになりきって日記を書いていたんだ。監督が劇中でアーサーが見せるダンスのステップについてアドバイスをくれた後に僕が書いた日記には、“ステップ、ステップ、ステップ、ステップ、ステップ、ステップ……”とページを埋め尽くすように書かれたページがいくつかあるんだよ」と、ジョーカーという圧倒的な存在に飲み込まれていたと思わせるエピソードも。

一方で「でもそれらの過程があったからこそ、最終的にはジョーカーを解放することができたんだと思う」と語り、精神と肉体を追い込んだ末に、見事に演じ方を掴むことができた喜びを見せている。

ジョーカー役に苦しめられたホアキン。さすがにもう懲り懲りかと思いきや「撮影したあと、4週間くらいジョーカーを演じていなかったんだけど、そのとき僕はジョーカーを演じたい気持ちに駆られていたんだ」と、ジョーカー役への未練も。悩み苦しんだにもかかわらず離れたくなくなるという、呪いのような魅力があると明かした。

(c) 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved “TM & (c) DC Comics”

ジョーカーは白い顔のピエロメイクに緑の髪というインパクト大のルックスと、劇場型の犯罪で人々の心をむしばむ悪役。今回はこれまで明かされることのなかった、ひとりの優しい男が“悪のカリスマ”になるまでの生い立ちや内面にスポットが当てられる。

ホアキンがその身を削って表現した新たなジョーカーは、既報の通り10月4日~6日の3日間で全米4,374館の暫定の興行収入9,350万ドル(99億8,318万円)とNo.1ヒットを記録。日本でも3日間で興行収入7億5,566万8,700円の週末興行収入ランキング首位を獲得した。アカデミー賞最有力とも目されている。

映画「ジョーカー」本予告60秒