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10月4日公開「ジョーカー」。なぜコメディ映画監督が“史上最凶の悪”を撮ったか?

コメディアンを夢見るアーサーが、狂気溢れる悪のカリスマへと変貌する様を描いた映画「ジョーカー」が10月4日に日米同時公開される。これまでコメディ映画を数多く手掛け、笑いを知り尽くしたトッド・フィリップス監督が目指したのは“これまでのジョーカー像にとらわれずに新たなジョーカーを描く”ことだったという。

「ジョーカー」
(c)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved”“TM & (c)DC Comics”

第76回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門で最高賞の金獅子賞を獲得した本作は、早くも「本年度アカデミー賞最有力」の呼び声も高い。監督・製作・共同脚本はトッド・フィリップス、共同脚本スコット・シルバー。キャストはホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロほか。配給はワーナー・ブラザース映画。

ジョーカーの誕生を描くシリアスな作品を手掛けたことについて、フィリップス監督は「僕にとって、この作品は間違いなく新しい出発点。僕がコメディ映画で好きなのは、常識にとらわれない点なんだ。だから、新しい挑戦をするにあたって、コメディ映画で培ったことを生かしたいと思ったんだ」と語る。

映画「ジョーカー」本予告【HD】2019年10月4日(金)公開

フィリップス監督を一躍有名にした映画「ハングオーバー」シリーズで描かれたのは、哀愁漂うコメディ。結婚式を翌日に控えた友人を祝うために夜通し飲み明かした結果、二日酔いですべての記憶をなくしてしまった男たちの悲哀と爆笑の物語であり、奥にある悲しみを知っているからこそ、笑いを描けたともいえる。

「ジョーカー」は、第76回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に出品され、今年一番の拍手喝采とともに8分間のスタンディング・オベーションが巻き起こり大きな話題にもなった。そして受賞式では、最高賞となる金獅子賞を受賞。世界三大映画祭(カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭)でアメコミ作品が最高賞を受賞するのは史上初。

「どんな時も人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しい男アーサー。都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら母を助け、同じアパートに住むソフィーに秘かな好意を抱いている。笑いのある人生は素晴らしいと信じ、ドン底から抜け出そうともがくアーサーはなぜ、狂気溢れる<悪のカリスマ>ジョーカーに変貌したのか? 切なくも衝撃の真実が明かされる。

「ジョーカー」
(c)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved”“TM & (c)DC Comics”