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Netflixの有料会員が1億5,800万人に。「全裸監督」記録的ヒット。モバイル視聴プランが印で好調
2019年10月17日 20:17
Netflixは米国時間の16日、2019年第3四半期(7月~9月)の決算を発表。過去最高の第3四半期となり、有料メンバー数は680万人増加(年同期比12%増)の1億5,800万人に達した。第3四半期の売上高は52億ドルを突破し、前年同期比31%増。営業利益は10億ドルに倍増した。
米国外で有料メンバー数が630万人増加し、前年同期比で23%増加。一方で、米国での値上げ後、解約数が比較的高く、成長が減速したという。
オリジナル作品の製作に注力。「全裸監督」は「記録的な結果」に
メンバーの視聴やエンゲージメントに寄与することから、多くのジャンルにおいてオリジナル作品の製作にさらに注力していく方針。
第3四半期では、「ストレンジャー・シングス 未知の世界」シーズン3が、配信後4週間で6,400万世帯で視聴され、これまでで最も多く視聴されたシーズンになった。限定シリーズの「アンビリーバブル たった1つの真実」も、配信後28日間で3,200万世帯が視聴するなど、反響を呼んだ。
英語以外の言語のオリジナル作品も拡大。成長の90%を占める国際市場への浸透を促進している。
日本発のオリジナルシリーズ「全裸監督」は、日本で最も視聴された日本発のオリジナル作品となった。アジア全体でもよく視聴され、記録的な結果になったという。
インド発の「聖なるゲーム」シーズン2はインドで最も視聴された作品に。韓国発の新オリジナルシリーズ「恋するアプリ Love Alarm」も配信開始。
アジア以外のオリジナル作品としては、スペイン発の「ペーパー・ハウス」シーズン3が、英語圏以外の地域でNetflixで最も視聴されたシリーズとなり、公開後4週間で4,400万世帯が新シーズンを視聴。
ブラジル発の最新作「Sintonia/シントニア」シーズン1は、ブラジル国内で2番目に良く視聴された作品になった。
これまでに、17カ国から現地の言語で制作されたオリジナルシリーズを100シーズン世界中のメンバーに向けて配信。2020年にはさらに実績を増やすべく、130以上のシーズンが配信予定。今後も、世界中の言語によるオリジナル作品の制作に継続的に投資するという。
Netflix映画も好調
Netflix映画(独占配信するオリジナル映画)にも積極的に投資。第3四半期では「密かな企み」が配信後4週間で4,000万世帯が視聴。「アザーフッド 私の人生」も公開後4週間で2,900万世帯が視聴、「トールガール」は同4,100万世帯が視聴した。
第4四半期では、マーティン・スコセッシ監督の「アイリッシュマン」(ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシ出演)、「マリッジ・ストーリー」(スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバー主演)、「2人のローマ教皇」(アンソニー・ホプキンスとジョナサン・プライス主演)が配信予定。これらの作品は「アカデミー賞ノミネート対象と予想される」という。
「ルディ・レイ・ムーア」、「6アンダーグラウンド」、「ザ・ランドロマット -パナマ文書流出-」、「キング」などの注目映画やアニメーション映画「クロース」と「失くした体」なども配信予定。
滞在的なメンバーがNetflixに登録してコンテンツを楽しめるよう、第3四半期に、低価格のモバイル視聴の料金プランをインドで導入。収益の確保のほか、新たなメンバーの獲得、既存メンバーの維持を促進することがモバイルプラン導入の目的で、初期のテストからの結果以上の実績を残しているという。
この結果、インドのコンテンツにさらなる投資が可能になるため、「サービス上のバリューを利用者に還元していく」という。モバイルプランは全体の有料メンバー数における割合は小さいが、インド以外の国でもプランのテスト導入を継続する予定。
パートナー提携に基づくバンドルプランを今後も拡大。当四半期では、日本のKDDI、イタリアのSky Italia、フランスのCanal+、メキシコのIzziでバンドルプランを追加した。
Netflixは、エンターテイメントを楽しむ時間を巡って、ディズニーやワーナーメディアだけでなく、YouTubeや他の動画配信サービスなどとも激しい競争を繰り広げてるが、次の四半期も「新しい競争によりやや厳しい立場が予想されるが、長期的には機会は同等だと考える。新サービスの登場により、放送時間が決まったテレビの視聴から、映画やシリーズのオンデマンド消費への移行が加速する」と予測。
この数年間において、「Netflixが最も得意とする“メンバーの選択肢の拡充と更なる自由な体験の提供”に集中し、競合の有無に関わらず改善を続ける必要があることを学んだ。だからこそ、世界中のあらゆるジャンルにおける最高峰の映画やドラマシリーズへの投資を継続していく」とコメントしている。