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Netflixの有料会員数が全世界1億5,100万人突破。増加数は全地域で予想以下

Netflixは、米国時間の17日、2019年第2四半期決算を発表。有料会員数が1億5,100万人を突破したが、増加数は予想の500万人を下回る270万人(前年同期比24%)に留まった。第2四半期の売上高は、前年同期比26%増の49億ドルを突破。営業利益は同53%増となっている。

有料会員数の増加は、サービスを展開している地域全てで、予想を下回った。また、視聴料金を値上げした地域では、わずかながらその傾向が強くあらわれたという。

要因についてNetflixでは、「競争環境に大きな変化はなく、競争の激しさやNetflixの普及率は地域によって異なるため、そういった環境が今回予想を下回った直接的な要因とは考えていない」とする。

一方で、第2四半期に配信した作品ラインナップが、予想より純利益が減少した原因と予想。また、第1四半期に予想を大幅に上回る960万人の有料会員増加があったため、これが想定以上の“有料会員の先行獲得”だったと分析している。

過去にも予想を下回る四半期はあったが、「その後の長期的な成長に影響は与えていない」とし、「引き続き、ビジネスの根幹に注力し続けることが有益」としている。

Netflix Q2 2019 Earnings Interview

「Netflixの成長余地は依然として大きい」

第3四半期は「ストレンジャー・シングス 未知の世界」シーズン3が配信開始。7月4日の全世界公開から4日間で4,070万世帯が視聴。さらに、他のどの映画やシリーズよりも多いという1,820万世帯が、既に全シーズンを見終えているとのこと。

2019年下期に向けた作品としては、スペイン発の「ペーパー・ハウス」や「ザ・クラウン」の新シーズン、「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」の最終シーズンを予定。

映画では、マーティン・スコセッシ監督の「アイリッシュマン」、マイケル・ベイ監督が手がけるライアン・レイノルズ主演の「6アンダーグラウンド」などの大作が控えている。

アジアでは、新たに6本の韓国のオリジナル作品や5本のインドオリジナルシリーズの公開を予定。日本では、山田孝之主演作「全裸監督」や園子温監督の「愛なき森で叫べ」が予定されている。

【第2四半期で視聴数の高かった作品】

  • デッド・トゥ・ミー ~さようならの裏に~(公開後4週間で3,000万世帯が視聴)
  • ボクらを見る目(公開後4週間で2,500万世帯が視聴)
  • OUR PLANET 私たちの地球(公開後4週間で3,300万世帯が視聴)
  • マーダー・ミステリー(公開後4週間で7,300万世帯が視聴。
  • パーフェクト・デート (公開後4週間で4,800万世帯が視聴
  • いつかはマイ・ベイビー (公開後4週間で3,200万世帯が視聴)

デンマーク発「ザ・レイン」や、スウェーデン発「クイックサンド:罪の感触」など、コンテンツを強化するほか、「ストレンジャー・シングス 未知の世界」シーズン3配信時には、Coke、Nike、Burger King、Baskin Robbinsなどのブランドと協業し、「ファンとの深い関係を構築」したという。

また、ゲームイベントのE3で、「ストレンジャー・シングス」をモチーフにしたモバイルゲームの展開や、Netflixオリジナルシリーズ「ダーククリスタル: エイジ・オブ・レジスタンス」の世界観に基づくゲーム、またFortniteの開発元であるEpic Gamesとの取り組みを発表するなど、新たな展開も実施。ただし、これらのゲームは、「Netflix作品のファンを醸成するための施策で、ゲームをNetflixの新規ビジネスとして推進していくものではない」としている。

インドでは、Netflixの登録およびアクセスがより簡単に行なえるよう、既存の視聴プランに加え、インド国内で低価格のモバイル視聴用料金プランを導入することを決定。 2019年第3四半期に展開予定で、「インドにおいて、より多くの消費者にNetflixを効果的に認知いただくアプローチになることに期待している」という。

米国では、AT&Tとセット・トップ・ボックスへのバンドルに関するパートナーシップを締結。現在、AT&Tのほか、Comcast、DISH、Verizon、T-Mobile、Charter、Alticeなど、米国内の様々なISP、MVPDと提携している。

Netflixは、「今後12カ月の間、ディズニーやAppleのほか、多くの企業が動画配信サービスを開始し、参入企業間での競争は激化するものの、消費者にとってのメリットは大きい。動画配信サービスの革新により、消費者はテレビからストリーミング型エンターテイメントへとシフトが加速する。Netflixの普及が最も進んだ米国では、Netflixは消費者がテレビに費やす時間の約10%しか獲得できておらず、またモバイルでの視聴時間はさらに短い。Netflixの成長余地は依然として大きい」とまとめている。