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final、世界初トゥルーベリリウム振動板採用の最上位イヤフォン「A8000」
2019年11月25日 10:33
SNEXTは、自社ブランドfinalの新フラッグシップイヤフォン「A8000」を12月13日に発売する。価格は198,000円(税込)。ダイナミック型で、振動板に世界初となる、極薄ベリリウム箔(トゥルーベリリウム)を採用しているのが特徴。
Aシリーズの特徴は、D8000の開発時に確立した主観評価法を新しい評価指標を取り入れ、従来の物理測定法と主観評価方法を再構築した事。「トランスペアレントな音を実現するためのfinal独自の評価法『PTM』(Perceptual Transparency Measurement)を新たに開発。従来の静的な周波数特性だけではわからなかった動的な時間応答の分析・評価を行なうことで『トランスペアレントな音』を追求したシリーズ」だという。
finalではこの“トランスペアレントな音”を「立ち上がりが速く空間に音が浮かぶような感覚の音で、遠くに定位する音が明瞭である音のこと」と説明。
イヤフォン・ヘッドフォンの音質を決める要素は周波数特性が支配的だが、「それでは不可能な音の変化がある」とし、それを「クラシック音楽の録音で最も重視されてきたトランスペアレントな音」と分析。この音は「立ち上がりが速く空間に音が浮かぶような感覚の音で、遠くに定位する音が明瞭である音のこと」と説明している。
さらに、この音印象の実現が音楽を聴く高揚感を得る上で極めて重要とし、そのトランスペアレントな音を実現するためのfinal独自の評価法「PTM」を開発。「従来の周波数特性だけではわからなかった時間応答の評価・改善を」を行なった結果、A8000には、極めて軽量で音速が速い理想の振動板材料と言われる極薄ベリリウム箔(トゥルーベリリウム)を採用している。
ベリリウムの比重は1.85と軽量で、かつ伝播速度が12,900m/Sとダイヤモンドに次いで速いのが特徴。時間応答の改善につながり、トランスペアレントな音に大きく貢献するという。具体的には「音の立ち上がりの鋭さや、消えてゆく音の余韻が明確に感じられ、音と音との間の静けさをも感じられるようになる」という。一方で、ベリリウムの薄箔は加工が難しく、製品として安定させるまでに苦労を重ねたとのこと。
なお、従来ベリリウム振動板とされてきたものは、蒸着で樹脂フィルムにベリリウムをオングストロームの単位で極めて薄くコーティングするものだが、「それは改善手法として有効だが、フィルムの特性が支配的であり、振動板の材質をトゥルーベリリウムとした際の音や特性とは全く異なる」という。
トゥルーベリリウムドライバーの動きは非常に繊細で、筐体内部の空間の影響を大きく受けることから、その動きを最適化するために、ドライバー前室と二重構造となっているドライバー後室、MMCXコネクター部分の別筐体の四つに分かれる「テトラチャンバー構造」を採用。
前室にはドライバーが筐体にダイレクトにマウントされて、不要な振動が抑えられ音の輪郭が明瞭になる設計だという。また各々4つのチャンバーにより、量感とタイトさと両立した低域を実現。音漏れを防ぐ効果も持たせている。
Bseriesの開発で確立した「IEMの最適解」という筐体設計をベースに、より優れた装着感を実現。接触面積を限定する形状により、圧迫感の無い装着感を目指しており、「まるでカスタマイズイヤフォンであるかのような優れた装着感」を実現したという。特殊工具を用いての分解も可能。メーカー修理が容易で、「長期間お使いいただくことを考慮した設計」だという。
自社製MMCXコネクタを採用し、OFCシルバーコートケーブルを標準で同梱。アルミ製キャリーケース、MMCX ASSIST、ロック機構付き新イヤーフックを同梱。左右軸色違いのオリジナルイヤーピース5サイズも付属する。感度は102dB/mw、インピーダンスは16Ω。重量は41g。