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final、「トゥルーダイヤモンド振動板」の新フラッグシップイヤフォン
2025年4月24日 18:03
finalは、ブランド初となる「トゥルーダイヤモンド振動板」を採用した有線イヤフォンのフラッグシップモデル「A10000」を、6月に発売する。価格は398,000円。また本体色にゴールドを採用し、特別な桐箱に収めた全世界300台限定モデル「A10000 Collector’s Edition」も同時発売する。価格は428,000円。
なお、試聴を含めたミニレビューを別記事として掲載している。
銅箔にダイヤモンドを結晶化させ、銅箔を溶かすという方法でダイヤモンド箔を製造する「トゥルーダイヤモンド」を振動板に採用した。ドライバーユニットのエッジ部には特殊ポリウレタンを採用することで、軽量かつ高い弾性・伸縮性を兼ね備え、「動きやすさ」と「不要な共振を防ぐ」という相反する問題も解決した。
エッジ部と振動板の接着では、一般的な接着剤による貼り合わせではなく、圧空成形と金型による熱成形を組み合わせて接着剤レスで分子間結合させる独自の特殊成形技術を開発。振動板とエッジ間にある接着剤が引き起こす、塗布量の差による個体差など、さまざまな問題を根本的に解決したという。
さらに通常は接着剤によって固められるボイスコイルの設計も見直し、ボビン付きコイルを採用した。これにより高い導電性を実現し、接着剤の塗布量による重量のバラツキや偏りを防いでいる。
これら振動板の素材や製造技術の開発により、ダイヤモンド振動板を搭載した新開発のユニットは、100Hz以下の帯域で従来モデルと比べて100分の1以下という歪み率を実現したとのこと。
イヤフォン筐体はステンレス製で、「コート・ド・ジュネーブ」という波状の精密切削加工を施した。美観的な要素だけでなく、研磨仕上げと比べて切削面がそのまま仕上寸法となるために精度に狂いが少ないことから、高級時計の内部部品に採用されることの多い技術だという。
筐体の組み立てとドライバーの取り付けにも接着剤は不使用。設計難度の高いネジ止めを採用することで、長期的な修理にも対応可能となっている。現行モデル「A8000」と比べて筐体サイズも小さくなり、より耳に収まりやすくなったとのこと。
付属のケーブルは、潤工社との共同開発品。線材にシルバーコートOFC線、絶縁被膜には従来のPFA(フッ素ポリマー)よりも、さらに低い誘電率を持つePTFE(発泡テフロン)を採用した。「全てにおいてA10000のために設計された特別仕様」とのこと。ケーブル長は1.2m。
コネクターはMMCX。コネクター部も従来のfinal自社開発品の信頼性を、さらに高めた高精度なものに設計変更している。付属イヤーピースは「FUSION-G」と「TYPE E」の2種類、各5サイズ。
全世界300台限定の「A10000 Collector’s Edition」は、本体色に華やかなゴールドカラーを採用し、特別な桐箱に収納。錫(すず)の板を叩いて薄く圧延したfinalロゴ入りの「すずがみプレート」も同梱される。「金属の質感がありながらまるで折り紙のように手で簡単に折り曲げることが可能」だといい、イヤフォンのディスプレイツールとして使用できる。
スペックは共通で、感度は99dB/mW、インピーダンスは13Ω、重さは63g。そのほか付属品はキャリーケースやイヤーピースケース、メンテナンスツールなど。