ニュース

ネインがパイオニアと資本業務提携。手や目が離せない現場や旅行者を音声UIで支援

ヒアラブルデバイス「Zeeny」を手掛けるネインは、パイオニアと資本業務提携。これによりネインは、10月に発表された高砂熱学工業からの出資による協業と合わせて、総額2.6億円の協業及び資本業務提携を締結した。製造、電鉄、医療、介護など、手や目が離せない現場でのヒアラブル×音声UIによる音声オペレーションといった、フィールドワーカー支援ソリューションの事業拡大と、ネインが有する独自の音声UI技術を車載モビリティに応用することを目的としている。

ネインは2014年に「サヨナラ、スクリーン。」をキーワードに設立。音声通知に対応したヒアラブルデバイス「Zeeny」を企画・開発・販売。さらに、Zeenyで培った技術を応用したアプリ・サービスを国内外の音響機器メーカーに提供している。

ディスプレイを見ず、ヒアラブルを活用することで情報が得られるのが特徴で、フィールドワーカー支援事業では、働く場面で手が離せない、目が離せないフィールドワーカーに音で直感的に情報を伝えるソリューションを提供することで、生産性と安全性の向上が期待できるという。

具体的には、高砂熱学工業と取り組んでいる建設・ビルメンテナンスに加え、今後は、製造・電鉄・電力・道路・医療・介護などにおいて、音声オペレーション、音声コミュニケーションによって作業効率を10%以上向上することを目指す。さらに、センサー技術によって動態管理、健康管理などの効果の見える化を促進していく。

「旅行者向け情報配信サービス」にも注力。3Dセンシング、コンピュータービジョンによる位置測位技術を新たに開発することで、より正確、直感的、カスタマイズされた情報配信が可能になる。これにより、旅行における「道がわからない」、「海外旅行者の言葉がわからない」という不安を解消できるという。具体的には、情報配信の新たな形を創造。駅構内、商業施設や観光施設における、音声ARによる直感的な誘導、多言語案内への活用、より直感的な決済方法の実現を目指している。

なお、これらの事業に関連し、12月14日、15日に東京・秋葉原で開催される「ポタフェス 2019」において、開発中商品の一部を展示する予定。

ネイン代表取締役 山本健太郎氏のコメント

「もっと世界と向き合える。」を理念に、創業以来、人がスマートフォンのスクリーンから解放され、バーチャル世界と融合する世界を創造する、そのビジョンを多数の支援者によって支えていただきながら、成長を続けていました。ネインは他社に先駆けたヒアラブル技術開発を進めてきました。大手企業からヒアラブル商品が昨今発売されることによって、改めてネインの技術力が認められことだと、喜ばしく思っております。時流が変わってきているこのタイミングにおいて、今回、本ラウンドの資金調達によって、XR領域における技術基盤を強化することで、ビジョンの実現が近づくことに興奮しています。

スタートアップとしての社会課題解決にかける熱意、実行スピード、実現するために掘り下げてきた技術と、大企業の技術アセット、知財、豊富な人材などを互いに補完しあえる業務提携を行ってまいります。これにより、互いに成長し、世界と戦えるテクノロジーを作り上げることができると考えています。この流れが加速することで、グローバルに戦える日本企業から生まれる流れを先導していきたい。

パイオニア株式会社 CTrO 坂本 雅人氏のコメント

パイオニアは、カーエレクトロニクス領域においてこれまで多くのイノベーションを実施してきました。この度、ネインが保有する技術と事業アセットがパイオニアの今後の成長に貢献することを期待し、投資を決めました。本提携により変革推進を加速するとともに、有効アセットの相互サポートにとどまらず、共に事業成長を目指していきたいと考えています。