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「エウレカ ハイエボ3」特報解禁&タイトル決定。名塚「遂に完結するんだなという気持ち」
2019年12月24日 17:10
映画「ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」の舞台挨拶付き上映イベントが新宿バルト9で12月23日に開催され、その舞台挨拶レポートが到着した。さらに、2021年に公開されるシリーズ第3弾の特報映像が解禁、正式タイトルは「EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」に決定した。
登壇したのは、京田知己監督、エウレカ役の名塚佳織さん、南雅彦プロデューサー。
「ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」(以下「ANEMONE」)の上映後に、劇場公開が2021年に決まったハイエボリューションの完結編となる作品の特報が上映された。
これまで見たことのないメカニックシーンの後には、“EUREKA”の文字が映し出され、本作の正式タイトルが、「EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」(以下「EUREKA」)になることが明かされた。このサプライズ上映に、会場に集まったファンからは歓喜の声が漏れ、上映後には盛大な拍手が送られた。
上映された「EUREKA」の特報に対して、名塚さんは「三部作ということは、わかってはいたんですけど…」と前置きしつつ、映像の最後に「完結」の文字が映し出されたことに触れ、「改めて文字で見ると、遂に完結するんだなという気持ちです」と長きにわたり携わってきた作品が1つの区切りを迎えた心境を、感慨深げに語った。
南プロデューサーは、ハイエボリューションは、これまでのシリーズ、色々な舞台で描いてきた「レントンとエウレカのストーリーの集大成」とし、今回の「EUREKA」について「エウレカセブンの1つの完結」と話した。そして「EUREKA」については「完全新作」、そのために2021年までお待ちいただくことにと話した。
京田監督は「もともとエウレカの話をやりたいと思ってつくったのが、このシリーズだったので、自分としては必然的なかたち」と語り、「エウレカという女の子の話をちゃんとやらないと、この作品・このシリーズは終わらないので、彼女に寄り添う形のドラマを三本目ではやりたい」と本作がエウレカにフォーカスした物語になった経緯と想いを明かした。
本作の設定や方向性を舞台挨拶前に、監督から聞いたという名塚さんは、第2弾「ANEMONE」でのエウレカについて、「こんなわがままな子に変貌して、大丈夫かな」と少し不安に思っていた部分もあったと告白しつつ、「監督から第3話のお話を聞いて、エウレカがとても好きになる作品と言っていただけたので、すごく楽しみです」と喜びの表情を浮かべた。
本作でのエウレカの描き方、込めた想いを問われると、京田監督は、テレビシリーズから14年経ち、作品を観ていた人たちも人生を積み重ねてきて、またその歴史をふまえた上でこの作品があることを見てくれている若い世代のファンがいることに触れ、「時間や経過している蓄積は、大人になるということでもあるので、その延長線上でつくっていきたい」「大人の人が観れる、大人の人たちの話もきちんと描かれていると思う」とした。
特報で描かれたメカニックの戦闘シーンに話題が移り、メカデザインの雰囲気がこれまでとは異なるのでは? との質問が出ると、京田監督は、「今回完全新作のため、20人ぐらいのデザイナーさんに参加してもらってます。なかなか近年のアニメでは集まらないメンバーに集まっていただけたので、面白い世界観もお見せできると思う」と語った。
また、ロボットアニメ映画における戦闘シーンの重要性に触れ、「せっかく大画面で見てもらえるのでアクションエンターテインメントをきっちりとやりたいし、少しでも観てもらう人に感じとってもらいたい」と熱く語った。続けて南プロデューサーが「手描きでロボットアクションをやります」と力強く宣言すると会場からは拍手が送られた。
ここで、「ANEMONE」のラストシーンについての話題に。「『ANEMONE』を作り終わったときに、これで終わってもいいかな、と思う部分がないわけではなかった」と京田監督自身も語るラストから、三作目を紡ぐきっかけについて問われると、「今回のお話をつくるきっかけにもなった、大きな2つの柱があって、その1つがデューイをどのように描くか」とし、「ちゃんとつくりきることで、辻谷さんへの何らかのメッセージになるといいかな」と「ANEMONE」制作中に逝去したデューイ役の辻谷耕史さんへの敬意を込めて語った。
つづけて京田監督は、もう一つの柱について「エウレカという女の子の人生を、キャラクターとしておとしどころをつくってあげるということを、やりきれているようで、やりきれていないと感じる部分が拭えなかった」とし、「そこをちゃんと今回はやれるような気がした」と明らかにした。
また、「『ANEMONE』のラストシーンでエウレカの首輪が取れているシーンは、すごく大きな意味があって、それが無くなっていることでどうなるのか」と言及し、エウレカの立ち位置の変化を示唆した。その監督の言葉を横で聞いていた名塚さんは、「監督の言葉でお話を聞けたので、不安ですけど、今は楽しみでいっぱいです」とし、「今回出会うエウレカと向き合えるように、成長して、気持ちを高め、技術を高めていけたらいいな」と収録に向けての意気込みを語った。
京田監督が「このシリーズは、大きな力・大きな運命に振り回されている登場人物ばかり…その中で一番振り回されたエウレカが夢から醒めてどうやって自立し、どういう人になっていくのを描く映画」とハイエボリューションシリーズ全体を振り返った。
南プロデューサーも「オリジナル作品で、14年前につくった作品がこれだけ多くの人に愛されて、新しい作品を生み出しているシリーズになったことは、スタジオにとっても幸せなこと」とし、ボンズという制作会社にとっても大切な作品になっていることと、南プロデューサー自身の作品へ愛をうかがわせた。
名塚さんは、テレビシリーズの1話の収録でレントン役の三瓶由布子がとても緊張していたことを振り返りつつ、「(テレビシリーズが始まった当初は)1年ということで作品に向き合っていたので、14年経て映画をやらせていただき、今日も大勢の方が来てくださって……すごく嬉しいです! ここまで皆と一緒につくってきたんだなと改めて実感しています」としみじみ語り、ファンに感謝をのべた。
京田監督はエウレカファンへ、「14年続いているシリーズのキャラクターたちの、世界観の締めをつくるのがこんなに大変なことだとは思わなかった」「オリジナルのロボットアニメをつくるのがこんな大変だったんだ」と制作の苦労を踏まえつつ、「それも含めて、皆さんのご期待にお応えできるような、映像とドラマをつくっていきたいと思っております」と意気込みを語った。
最後には公開まで1年間待たせてしまうことを謝罪しつつ、「待っていてください。みんな、がんばってます。よろしくお願いします! 」と力強い言葉で締めくくり、大盛況のまま幕を閉じた。