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Soulution、位相シフトのない“zero φ tech”搭載フラッグシップDAC

「760」

アーク・ジョイアは、スイスのブランド・Soulution(ソウリューション)より、7シリーズのフラグシップDAコンバーター「760」を6月5日より発売する。価格は600万円。

DAコンバーターの役割を「多くの情報が格納されたデジタル信号を何も省略せず、何も追加せず、原音に忠実なアナログ信号に変換すること」とし、長年培ってきた技術の粋を結集し、完成させたというフラグシップモデル。デジタル信号をアナログ信号へ変換する際の回路通過前後の位相差を打ち消すソウリューション独自開発の「zero φ tech」を搭載し、「デジタル音源の真価を奏でる」としている。

フォーマットはWAV、AIFF、FLAC、ALAC、DSD(DoP)、DFF、DXD、MP3、AACをサポート。入力されたデジタルPCM信号は、アナログ・デバイセズ製SHARC DSP プロセッサにより、DXDフォーマット(24bit、384kHz or 352.8kHz)にオーバーサンプリング処理。またPCM変換技術により、DSD信号はあえてアップサンプリング中にPCM変換するという。

サンプリング・レート・コンバーターには、スイス アナグラム・テクノロジー製モジュールを採用。さらにバーブラウン製DAチップを使用したDAコンバータと出力段をそれぞれ完全にLR分離させたデュアルモノラル構造にすることで、理想的なチャンネル・セパレーション(130dB以上)を実現したとする。

DA変換のプロセスは、80MHzという人間の可聴帯域を大幅に超えた超広帯域幅で動作することで優れたSN比を実現し、多くの情報が込められたデジタル音源でも、自然で優れたダイナミズムを得られるとしている。

高精度発振回路の専門家たちによる協力のもと、760専用に設計・最適化された超高精度マスター・クロック・ジェネレーターTCXO(温度補償型水晶発振器)を搭載。クロック・モジュール内が100MHzに及ぶ超高周波数帯で動作することで、位相ノイズやジッターを低減するという。

44.1kHz用と48kHz用の2つの発振器を搭載。これを外部からのクロック信号に同期させると、超精度モジュールのパフォーマンスが低下するため、760は外部クロックの入力を搭載していないが、外部コンポーネントは760のクロック出力を介して同期できる。

デジタル信号がDAコンバーターと後段のアナログ・ローパス・フィルターを通過する前に、プリ・エンファシスさせる、ソウリューション独自開発の「zero φ tech(zero phase technology)」テクノロジーを搭載。回路通過前後の位相差を打ち消し、位相シフトがない信号を出力。20Hz〜100kHzのアナログ信号の位相差は1度未満としている。

3次ベッセル・フィルタ(120kHzカットオフ)をかけた際の位相シフト。黄色がzero φ techを適用した場合

2Ω低出力インピーダンスに対応し、クラスA動作により、優れた線形性を実現。内部伝送帯域幅は40MHz(-3dB)で、奥行きや広がりを感じさせられるホログラフィックな3次元空間表現を可能にするとしている。

電源部はアナログ回路用とデジタル回路用に個別の専用電源を搭載。ノイズの発生源となりやすいデジタル回路とは別の電源回路を採用することで、アナログ回路には極限までノイズレスかつクリーンな電源で出力する。フィルター・コンデンサは500,000μFを超える静電容量を備え、いかなる音源でもポテンシャルを最大限発揮させる余裕を持った伝送と出力が可能とする。

入力端子はAES/EBU×1、SPDIF×1、Optical×1、USB×1、LAN×1。出力端子は、デジタルがSPDIF×1、Clock(BNC)×1。アナログがRCAアンバランス×1、XLRバランス×1。対応データはAES/EBU、SPDIFが24bit/192kHz、Opticalが24bit/96kHz、USBが24bit/384kHz・1bit/5.64MHz、LANが32bit/384kHz・1bit/11.2MHz。

本体裏面

ボリュームは0〜-79dB、1dBステップ。消費電力は最大600W。外形寸法は480×467×167mm(幅×奥行き×高さ)。重量は30kg。