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アップル、iOS 14/iPadOS 14を今秋公開。iPhoneで動画を小画面表示
2020年6月23日 04:57
アップルは23日、年次開発者会議「WWDC 2020」の皮切りとして、スペシャルイベント基調講演の映像を配信。iOS 14を今秋に提供する事と、その概要を発表。ピクチャ・イン・ピクチャ(小画面)で動画が表示できるようになるほか、iPhoneを自動車の鍵として使用できるようになる。さらにiPadOS 14も発表された。
なお、iOS 14のパブリックベータ版は来月公開。正式な提供は今秋で、iPhone 6s以降で利用できる。iPadOS 14も今秋公開で、iPad Air 2以降、すべてのiPad Pro、iPad 5世代以降、iPad mini 4以降で利用できる。
iOS 14
iOS 14では、動画やFaceTimeの映像を、ピクチャ・イン・ピクチャで表示できるようになる。これにより、動画を小画面で見ながら、メモなどのアプリを使用可能。ホーム画面でも動画を小画面で表示できる。
小画面の位置はドラッグで移動でき、ピンチ操作でサイズも変更可能。画面外に映像をスワイプしても、音声は再生され続けるため、動画の音だけを聴きながら、iMessageで友達とチャットするといった使い方もできる。
ウィジェットも進化。天気や地図、時計などのウィジェットが、今まで以上に豊富なデザイン・サイズで用意され、好みのものを選べるようになる。気に入ったウィジェットはホーム画面に手軽に追加できる。
電話の着信があった場合、これまでは全画面でそれを表示していたが、着信を知らせるウインドウが上部から小さく、シンプルに表示されるように変更。他のアプリの操作を邪魔しないものになる。
地図アプリも進化。サイクリングのルートでは、標高や道の混み具合、ルート沿いに階段があるかどうも考慮して案内してくれる。電気自動車向けのナビでは、使っている自動車の充電タイプを踏まえて、ルートを計画してくれる。
オフラインで使える翻訳機能も追加。日本語を含め、11の異なる言語間で音声とテキストをすばやく自然に翻訳できるという。ニューラルエンジンを活用、プライバシーに配慮しながら、デバイス上で翻訳が可能。
iPhoneを横にすると、対話モードの画面にUIが変化。自分が話した文章と、会話相手の言語で表示された文章が明瞭に別れたデザインになっており、それぞれの言語を見ながら会話ができ、スムーズな翻訳会話をサポートするという。
Siriも進化。インターネット全体から回答を見つけやすくなり、より複雑な質問にも返答できるようになる。さらに、ユーザーの音声を録音し、それをメッセージとして相手に送信する事も可能になる。
車の鍵をiPhoneで解除する事も可能になる。最初に対応するのは2021年製のBMW 5シリーズ。NFCを使い、クルマのドアノブにiPhoneを近づけるとロックが解除。車内の充電パッドにiPhoneを置き、車内のエンジンスタートボタンを押すと、エンジンがかかる。これにより、クルマの鍵を忘れても運転が可能になる。
セキュリティ面でも利点があり、例えば、クルマの鍵を紛失しても、iCloud経由でその鍵を無効にする事が可能。鍵情報の共有もiMessageを送るだけと簡単で、「ディーラーに行く必要もない」という。なお、鍵を共有する相手に合わせて、機能を制限する事も可能。
App Clipという支払い向けの新機能も登場。店舗やWebで何かを購入する際に、その店舗が用意しているアプリをインストールし、そのアプリから品物を選んで支払うという操作はよくあるが、アプリをインストールせずに、素早く支払いができるのがApp Clip。アプリの一部機能だけを抜き出したようなもので、NFCタグやQRコードを通じて利用できる。支払いにはApple Payが利用可能。
他にも、増えたアプリアイコンを自動的に整理してくれるライブラリ機能なども追加される。
iPadOS 14
iPadOS 14では、ウィジェットやアプリのデザインが進化。例えば写真のアプリでは、写真を表示したまま、様々な機能が利用でき、サイドバーに表示したアルバムに、写真をドラッグ・アンド・ドロップして追加するといった操作も可能。
Apple Musicの音楽再生画面もデザインを刷新。ファイル、メモ、カレンダーなども、サイドバーを再設計し、操作が簡単になったという。
Apple Pencilで書き込んだメモも進化。手書きのテキストを選択、切り取りしたり、別のドキュメントに貼り付けることも可能。電話番号を認識してタップして電話をかけたり、イベントをカレンダーに直接追加、マップに場所を表示するといった際にも手書きのメモが活用できるようになる。
ARKit 4では、開発者がiPad Proの新しいLiDARスキャナーでキャプチャした、より正確な深度情報にアクセス可能になる。Depth APIを使用し、アプリで強力な新機能を活用できるようになり、例えば、より正確な仮想試着のために身体測定機能や、部屋の壁を塗り替える前に、どのように見えるかのテストも可能になるという。