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「映画館は密閉空間ではない」、空気の流れを可視化して検証

全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)は、映画館内における空気の流れを“可視化”する「映画館における換気実証実験」を実施。実験では20分で場内の空気が入れ替わり、映画館が高い換気能力を有していることが証明された。

全興連は、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が示した指針に基づく独自のガイドラインを策定。各劇場で感染防止策を行なっている。また、映画館や演劇場、演芸場、音楽堂、スポーツ施設などの興行場は、各自治体の定める基準に基づき設置されている換気設備で換気されている。

各地の映画館は上映中も換気を行なっているが、GEM partnersが全国15~19歳の男女を対象に行なったアンケートでは、回答者の63%が「映画館は“3密”に該当すると思う」と回答。さらに年間1本以上の作品を劇場鑑賞する回答者のうち、54%は「映画館は換気が悪そう」と答えていることが明らかとなった。

これを受けて、全興連は愛知医科大学感染症科の三鴨廣繁教授監修、愛知県立大学看護学部の清水宣明教授協力のもとで、映画館の換気に関する実験を実施。ミッドランドシネマ名古屋空港にある客席数352席の劇場にスモークを充満させ、そのスモークが完全に消えるまでの時間を検証した。

実験ではスクリーン前方にある排気システムを使用。その結果場内は20分で換気が完了し、映画館が十分な換気性能を有していることが証明された。

全興連の佐々木伸一会長は「緊急事態宣言解除後、全国の映画館は厚生労働省・経済産業省の指導のもとに作成したガイドラインを遵守し、営業を再開しております。お客様に“興行場は、換気設備が整った安全で安心できる施設である”ことを広くお伝えできればと思い、この動画を作成いたしました」とコメントしている。

映画館の空気の流れを“見える化”「映画館の換気実証実験」