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東京都の映画館への休業要請は「痛恨の極み」。全興連が声明文

全興連のWebサイト

映画館などが加盟している全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)は11日、「映画を愛する皆様へ」という声明文を発表。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、各映画館が感染予防対策を徹底している中、東京都から5月7日付で映画館が休業要請を受けた事について、「痛恨の極み」、「合理的かつ公平なご説明をいただきたい」と訴えた。

国が示す目安としては、、特措法施行令11条1項4号の「劇場等」はすべて、人数上限や収容率等の要件に沿った施設使用の要請等を行なう施設として認定され、実際上の営業が許可されている。しかし、東京都は、そのうち「映画館」と「プラネタリウム」のみが、施設規模に応じた休業要請の対象としており、全興連は「痛恨の極み」とコメント。

全興連と都興組(東京都興行生活衛生同業組合)は、「コロナ禍の初期より、感染症専門医と協議の上、科学的知見に基づいたガイドラインを作成し、『大切なお客様に一人の感染もださせない』を合言葉にそれを順守徹底することで、現在まで映画館でのクラスターを発生することなく営業することができた自負がある」という。

にも関わらず、休業要請の対象になった事について「理解することが難しい」とし、東京都に説明を求めたが、「人流を抑えるための総合的判断」、「感染症のリスク上の線引きではなく、人流抑制を目的としたもの」という返答のみで、「傘下の事業者からも、『なぜ映画館だけが』『納得できる理由がない』といった声が多数挙がり、映画を愛する皆様からも非常に多くのご心配の声をいただきながら、我々も説明することが叶わず、日々苦慮している」という。

また、「東京都の映画館を閉めることは、実質上全国規模の映画の公開が不可能なこととなり、すでに明日には新しい基準が適用される12日が迫っていることから、多くの映画が中止や延期の判断に追い込まれつつある」と指摘。

これにより、「新作の映画が提供されなくなった他府県の映画館、関係する配給会社・製作会社・出演者やスタッフまでも苦境に立たされている。彼らの悲痛な叫びには心が張り裂ける思い」だという。

その上で、「感染拡大防止に最大限の協力を行うことに関しては一点の疑問もなく、ただ今回の措置に合理的かつ公平なご説明をいただきたいと願うばかりです。それが、非常に重い私権の制限を我々に課す行政側の責務であるとも考えております」としている。