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「地獄の黙示録」世界初5.1chの裏側。「ようこそ映画音響の世界へ」本編映像

(C) 2019 Ain't Heard Nothin' Yet Corp.All Rights Reserved.

8月28日より公開されるハリウッドの映画音響にフォーカスした世界初のドキュメンタリー映画「ようこそ映画音響の世界へ」。公開に先駆け、「地獄の黙示録」の音響制作の裏側に迫る本編映像を公開した。

本作は、世界的に活躍する映画監督たちや、「スター・ウォーズ」などを手掛けたベン・バート、「地獄の黙示録」などで知られるウォルター・マーチ、「ジュラシック・パーク」などに携わったゲイリー・ライドストロームといった映画音響界のレジェンドを始めとした、その道のスペシャリストたちへのインタビューと共に、“音”が映画にもたらす効果と重要性に迫っていくドキュメンタリー。

公開された映像は、今年ファイナル・カット版が公開された、戦争映画の金字塔「地獄の黙示録」の音響制作の裏側に迫る本編映像。

【特別本編映像】地獄の黙示録/映画『ようこそ映画音響の世界へ』

「地獄の黙示録」で音響スタッフを指揮したウォルター・マーチは、「ゴッドファーザー PART III」など多くの作品でフランシス・フォード・コッポラ監督とタッグを組む。「イングリッシュ・ペイシェント」では同年度のアカデミー賞編集賞と2度目の録音賞を受賞。この2部門での受賞歴を持つ唯一の人物であるマーチは“映画音響の世界に関わるもの全員の父親”とも呼ばれる偉大な人物。

マーチは、「地獄の黙示録」の音響制作に当たり、今では当然のようになっている5.1chサラウンドシステムを世界で初めて実現。音を映画館のあちこちに移動させるという未知の技術に挑み、観客の意識を戦場の真っ只中に連れていくことに成功。そして本作で使用される“音”の制作を担当制にするという方法も取られた。

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環境音、武器の音、船の音、群衆のガヤなど、全編において1人が一つの音のみを担当。それぞれが任された音の責任を持ち、最終的に指揮者であるマーチが1つの音にまとめ上げていく。1人が複数の音を担当する場合、どこかでバラツキが発生してしまうものだが、1人が一つの音に集中して取り組むことで、バラツキのない一貫性のある“音”が映画全体に響く。

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戦場の“音”を見事に表現したマーチはその卓越した業績を評価され、同年度のアカデミー録音賞を受賞。なお、今回公開された映像で語られるエピソードは、無数に存在するこだわりのほんの一部でしかないとしている。